【コラム】中国ばかり恐れ米国の変化に気付かない韓国
記事入力 : 2016/07/20 10:30 朝鮮日報
ハワイの米太平洋軍司令部には、全世界をいくつかの管轄区域に分けた作戦地図があった。
ところが太平洋軍司令部の名称が「インド・アジア・太平洋軍 司令部」に、作戦区域が環太平洋だけでなくインド西部やインド洋にまで
いつの間にか広がった。
「ハリウッドから(インドの)ボリウッドまで、ホッキョクグ マからペンギンまで」というスローガンもある。
この地域で米軍のちからが及ばない場所は事実上中国と北朝鮮だけだ。
米国は 最近、韓国、日本、オーストラリアと共に東南アジア諸国連合(ASEAN)、インドをアジアの安全保障における5大パートナーと
位置づけている。
昨年末と 今年初め、太平洋軍司令部が主管する空軍演習には韓国、日本、オーストラリア、ニュージーランド、タイ、フィリピンなどが
参加した。今年春には米国、イン ドが合同で空軍演習を実施した。
司令部幹部は「各国との軍事安全保障ネットワークを構築することが目標だ」と述べた。
そし て、全ての変化は中国を標的としている。米国側の関係者もあえて「中国包囲網」を否定はしなかった。
最近米大統領選のヒラリー・クリントン陣営の関係者と 会った安全保障専門家は「北朝鮮の核に対する対応がさらに強まり、中国に対
してもそう簡単にはいかないムードだ」と述べた。
北朝鮮には軍事的対応策、中国 には攻勢的封鎖戦略を検討していくことを意味している。
韓国に対しても米国はアジア新安全保障ネットワークに加わるよう手 招きしている。
終末高高度防衛ミサイル(THAAD)はその試験台となる。
米国は韓国にあるアジア最大規模の平沢米軍基地を維持するため、THAADが必 須だとみている。
韓米が共同ミサイル防衛網に入る意味合いもある。THAADが中国のミサイルを監視するかどうかは二の次だ。
しかし、中国にとって、THAADは在韓米軍の固着化と韓米日による安全保障体制の強化を意味する。
北朝鮮の核凍結、北朝鮮と米国による平和協定を 同時に推進し、長期的に韓半島(朝鮮半島)から米軍を追い出したい中国が
THAADを容易に受け入れるはずはない。
中国の一部からは「ミサイルで THAADを狙い、韓国に経済、社会的圧力をかける」という警告も聞かれる。
問題は韓国の選択だ。野党・リベラル陣営は 「THAADが中国の安全保障利益を損ね、韓国の安全保障、経済までをも危うくする」と
反対している。それに加え、「中国は昇り竜、米国は老いたトラ」だ という認識も影響している。
しかし、中国恐怖症のせいで米国の変化を見逃してはならない。
米国は過去70年間、韓国の安全保障の基盤だったし、現在も世界 の超大国だ。
欧州発の危機の中でも先端技術力で経済の主導権を保っており、軍事的優位も揺るがない。
最近南シナ海をめぐる仲裁で中国に完勝し、規範の支配 者としての力も見せ付けた。
そんな米国との間に溝ができれば、どんな代償を払うことになるかは、
米共和党の大統領候補となることが確実なトランプ氏を見れ ば分かる。
中国との対立による経済的被害とは比較にならないほど複雑な危機が訪れる可能性がある。
韓国はこれまで米中双方 とうまくやっていく中立主義と戦略的あいまいさで対立を避けてきた。
しかし、THAAD問題はもはや避けることも後戻りすることも難しい。
北朝鮮が核とミ サイルの高度化を日々進める状況で、軍事的対応を先送りすることもできない。
選択すべき状況には果敢に決断すべきだ。
THAAD配備はもう決まった事なのだから、それについてあ~だ、こ~だ言ってる場合じゃないのです。
考えられる中国の報復に、対応策として、メディアはどんどん考えを出す事が重要でしょう。
朝鮮王朝時代の机上の空論ではなく、国全体で具体的に考えなくてはならないでしょうよ。
最後までお読み頂きましてありがとうございます。