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ステルス「F35B」導入へ。日本は防衛だけでなく攻撃も準備か?

2018-02-16 11:07:51 | 軍事・兵器・訓練演習・自衛隊

ステルス「F35B」導入へ、空母での運用視野

2018年2月12日9時47分  読売新聞

 政府は、米軍が運用している最新鋭ステルス戦闘機「F35B」の導入を検討している。


複数の政府関係者が明らかにした。2026年度頃の運用開始を目指す。滑走路の短い離島の空港を活用でき、離島防衛能力が高まる。

空母化の改修を検討している海上自衛隊最大級の護衛艦「いずも」での運用も視野に入れる。


 政府は、老朽化が進む戦闘機「F4」の後継機として、通常の滑走路に離着陸するタイプの「F35A」の42機導入を決めており、

航空自衛隊三沢基地(青森県)に先月、1機目が配備された。

 

 F35Bについては、年末にまとめる次期中期防衛力整備計画(中期防)に調達する機数を盛り込む。早ければ19年度予算案に

関連経費を計上し、24年度頃からの納入を想定している。


 F35Bは、空自の主力戦闘機「F15」の後継機の一部と位置づける案が有力だ。1~2飛行隊分の約20~40機を導入する

案などがある。F35Aについても次期中期防での機数増を検討している。


 F35Bを導入すれば、離島の民間空港を活用しやすくなる。離陸に必要な滑走距離が短いため、基地の滑走路が攻撃を受けても

離陸できる可能性が高まる。年末に見直す新たな防衛大綱でも、「戦い続けるための能力強化」を掲げる方向だ。

配備先は、空自新田原基地(宮崎県新富町)が候補に挙がっている。


 政府は「いずも」の甲板の耐熱性を強化し、戦闘機が離着艦できる空母に改修することを検討しており、20年代初頭に運用を

始めたい考えだ。

 

 海自は今年度から、いずもの航空機運用能力を高める研究を造船会社に委託している。小野寺防衛相は8日の衆院予算委員会で

「(研究は)最近開発された航空機を念頭に置いている」と述べ、F35Bの運用を示唆した。


 空母化したいずもは、離島防衛用の補給拠点などとして活用する方向だ。当面は米軍のF35Bによる運用を想定しているが、

米側から戦闘機の離着艦に関するノウハウを学び、将来は空自のF35Bを運用したい考えだ。


 F15は1980年度に導入され、201機が配備されている。このうち、新型電子機器を取り付けるなどした102機は今後も

改修を重ね、使い続ける。未改修の99機は一部をF35Bに置き換え、残りはF2戦闘機の後継機をあてる見込みとなっている。

 

F35B導入 日本は防衛だけでなく攻撃も準備か?

2018年02月15日 22:09    SPUTNIK     ドミトリー ヴェルホトゥロフ

読売新聞によると、日本政府は米軍の最新鋭戦闘機F35Bの導入を検討している。改良型の短距離離陸垂直着陸可能なF35Bは

空母や強襲揚陸艦で離着陸できる。同紙によると、日本は2026年までの運用を目指している。

スプートニクに分析記事を寄稿する政治学者、ドミトリー ・ヴェルホトゥロフ氏は、こうした導入は日本の専守防衛の範疇を

超えていると指摘する。

 

2017年12月末時点では日本政府の方針は異なったもので、小野寺五典防衛相は「防衛力のあり方に関して、不断にさまざまな

検討をしているが、F35Bの導入やいずも型護衛艦の改修に向けた具体的な検討は、現在行っていない」と述べていた。

2ヶ月もしないうちに、今では護衛艦用の航空機の導入について話されている。

スプートニクは以前、日本が運用するヘリ搭載護衛艦「いずも」にF35Bを搭載する可能性について詳細に分析した

 

「いずも」とF35Bを搭載する米海軍のアメリカ級強襲揚陸艦を比較することで、「いずも」での運用は可能であることが示された。

「いずも」と「かが」は非常に容易に、完全な空母へと改修できる。同記事では、両艦が朝鮮半島有事の際などに米軍のF35Bを

搭載する可能性が示された。同時に、日本政府自らがF35Bを導入する妨げも存在しない。2017年12月に出された予測は

どうやら、外れたようだ。


F35Bを何機導入する方針かは明らかではない。だがアメリカ級強襲揚陸艦は常時6機のF35Bを搭載している。

構造とサイズが同様の日本のヘリ搭載護衛艦も6機を常時搭載可能。つまり、6機のF35Bは、本格的な戦闘飛行隊の

(空母改修済み)ヘリ搭載護衛艦1隻を武装するための最低限のセットだということだ。


F35Bの導入と「いずも」での運用は航空自衛隊の即応性を格段に高めるだろう。一時的な着陸、戦闘状態での燃料・弾薬の

補給のための簡易飛行場としてヘリ搭載護衛艦護衛艦を用いることで、F35Bは陸上の発信基地から2500キロを航行可能となる。

さらに、F35Bは日本に無数にある小島からも離陸可能だ。そのためには、小島に長さ150〜180メートルの滑走路、格納庫、

倉庫を建築するだけでいい。こうして、同時にヘリ搭載護衛艦や陸上の簡易飛行場を用いた黄海での非常に柔軟な航空隊の運用という

展望が開ける。


上記の点全てを考慮すると、F35Bの導入とヘリ搭載護衛艦での運用は日本の専守防衛の枠組みを越える。

こうした飛行隊を搭載した艦船は突然の攻撃を加えることが十分可能だ。F35Bは、空軍基地や海軍基地、司令塔といった

地上施設への攻撃に適した滑空誘導爆弾「AGM-154 JSOW」や「JDAM」を搭載可能。つまり、攻撃の可能性は特定の条件下で

実現することができるのだ。


ドミトリー ヴェルホトゥロフ

1981年、クラスノヤルスク地方、アチンスク出身。2002年、クラスノヤルスク国立教育大学史学部卒業後、現代アフガニスタン調査センターに就職。フリーランスで様々な通信社に記事を書いている。ソ連邦、第2次世界大戦の歴史について13冊を執筆。2008年からは北東アジア安全保障問題研究を開始。アジアの経済発展、特に産業、エネルギー、安全保障、軍事分析、軍事政治関係が専門分野。