🌙日月便り  

京都の年中行事や生活習慣、楽しめる場所、たまにグルメの話。
京都の日常を茶の湯的な好みで切り取ります。

瑠璃光院の床みどりと漆の鏡

2018å¹´04月20日 | äº¬éƒ½
最近有名になった瑠璃光院の景色。秋には赤や黄に染まる美しい紅葉が一面に映えます。


瑠璃光院は、京都の左京区の北のほう、八瀬にあります。
八瀬は平安貴族や武家の別荘地でした。昔は氷室もあったほど、少し冷んやりとした気候。
瑠璃光院は元々京都の明治時代の実業家の田中源太郎の別荘でした。
田中源太郎の没後、個人の所有を経て、現在は光明寺の寺院となっています。
現在の建物は大正から昭和にかけて造営されたものです。
数寄屋造りの名工中村外二が手がけ、庭は仁和寺造園や桂離宮の整備をしてきた佐野藤右衛門によります。


喜鶴亭
表千家流六代覚々斎好みの写しのお茶室です。
明治政府で内大臣を務めた公郷の三条実美により喜鶴亭(きかくてい)と名付けられました。
このお茶室でお茶会は贅沢な気分になりそうです。


漆の座卓の角から見ると表題の写真のように幻想的な光景が見られる二階の書院。
漆塗りの床に四季の自然が取り込まれる数寄屋的な意匠です。

瑠璃光院に取り入れられているような漆塗りは、身の回りにもあります。

漆の板に映した青紅葉。
こちらはこの花器の敷板に映したものです。光沢のある、100年くらい前のもの。



敷板に映った季節の花

イワカガミ
どんな風に作ったらこんな鏡のような表面になるのか見てみたい所ですが、そう簡単に作業場に人が入れるものではありません。

ご近所の、伝統的な品を扱う漆器店の方にお話を聞きました。

漆器は鏡のように艶のあるものからざらりとした質感のもの、真っ黒に見えるものや緑色、溜め色のものなど様々。
天然漆100%の漆器は、ぬめっとした感触と人肌のような温かみでわかります。
漆を塗るのは柔らかく細い刷毛で仕上げは研磨します。
人の手で塗ったとは思えないような完全に歪みや刷毛目のないものもありますが、
京都の漆器は木地や刷毛目の跡がわかるような仕上げをむしろ大切にしているそう。


ミヤコワスレとサンキライ
色も鮮やかに映る、漆の不思議な鏡です。

何度も塗り重ね時間のかかる作業。漆を塗った後乾く過程は、普通の乾くそれとは全く違います。
漆の成分の酵素が水分中の酸素を取り込み反応して、液体から固体になるのです。
漆が乾くには温度が25℃〜30℃、湿度は70%ほどが最適と言われ、梅雨の気候が最も適しています。

漆の職人さんは京都の町中に点在し、それぞれに乾かすための部屋を持っています。
京都の建物は東西南北どちらに向かって建っているかで、それぞれ家の中の気象条件が違うので、乾かし方もそれぞれなのだそうです。

漆器を作る過程で最も大変なことは、漆を塗った後に空気中のホコリが付いてしまうこと。
どんな空気清浄をしてもどうしてもホコリは100%取り除けるものではなく、
ホコリが付いたら羽根先で取り除いてまた塗り直したりする大変手間のかかる作業です。

日本の最も古い文化の一つの漆を、大切にしたいですね。
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京都の普段使い、美味しいぶぶ漬け

2018å¹´04月05日 | äº¬éƒ½
                塩昆布と炒りごまなどを乗せたご飯に、熱い焙じ茶をかけたお茶漬け。
                焙じ茶やお番茶でいただけば、大人がはまる美味しさです。

「ぶぶ漬け」というと京都のお茶漬けとして広く知られています。
しかし現代の京都では「ぶぶ漬け」ではなく「お茶漬け」と呼んでいます。おばあちゃんの時代にはぶぶ漬けと呼んでいたそうです。

『ぶぶ漬けでもどうどす?と言われたらそろそろ帰って欲しいのサイン』、といういけず伝説のようなものがなぜか広まっています。

「ぶぶ漬けでもどうどす、って何?聞いたことあらへんわ」
京都の人の一般的な感想です。


バイモと花筏

春になると山野草も様々にお家の中に彩りを添えてくれます。


お茶漬けは、ごく日常の食べ物。
ぶぶ漬けの伝説は江戸期の落語からきているとかいう話ですが。。。
普通のお家でお客さんにお茶漬けを出すのは、特別に身近な間柄でないとほとんどないです。
祇園など花街のお茶屋さん辺りでは、お家(お客さんが奥に入れる商いをしている町家)の中でお客さんがご飯を食べるというのは考えられます。
昔々に、なかなかお客さんの話が長過ぎたのでそんなことを言った女将さんがいた、という状況もあったかも知れません。

もしぶぶ漬けでも・・・と言われた人がいたとしたら、言った人も言われた人も、わりと独特なキャラクターと思われます。


京都のお茶漬けは日常のものとは言っても美味しい素材に恵まれていて、ちょっと特別にも思えます。
そのお茶漬けを美味しくするのはお昆布やお漬物。そしてお茶。

緑茶、番茶、焙じ茶は全国各地で作られています。
京都ならではのお茶はお番茶。

蒸した茶葉を鉄釜で炒って煙も巻き込んだ燻製の香ばしいお茶です。

柳櫻園さんのお番茶は「刈番茶」
最初は煙っぽい香りが苦手でも、何度かいただくうちに癖になる人が続出するお茶です。
お店によってお茶の味が違うので、色々試してお気に入りのお店を見つけるのも楽しいですね。


番茶や煎茶を強火で炒ったものが一般的に焙じ茶と呼ばれます。
番茶やほうじ茶は、高温で焙煎することでカフェインが飛んでごく少量しか含まれていないのが、煎茶との最大の違いです。

京都の日常の暮らしには、何度も重ねればわかってくる奥深い楽しみが隠れています。
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醍醐寺の桜

2018å¹´03月25日 | äº¬éƒ½
「京都人は世界遺産に行かない」と少し前に某バラエティー番組が放映されて、京都内でもちょっとした楽しい話題になりました。
確かに世界遺産だから行ってみるという話はあまり聞きません。
京都の人にとって、神社やお寺は昔っから先祖代々見守って来たものです。
世界遺産というのは新しい概念で、いまひとつしっくり来ないという感じでしょうか。


その世界文化遺産の一つ、醍醐寺ではひときわ美しい桜を観ることができます。
本日3月25日は早いものから全体の半分の桜が咲き始めていました。


京都市の南東にある醍醐寺は、空海の高弟の元で修行し東大寺でも学んだ僧、『聖宝』によって開かれました。
聖宝は、山中に霊地を求めて平安京の南東にある山の上に、「醍醐味(甘美)なる水」の湧くこの地を見つけ、
874年に観音像を造り始めました。これが醍醐寺の歴史の始まりです。


金堂
醍醐天皇の御願により926年に創建された。
現在の金堂は秀吉の命により紀州から移築されたもの。中には薬師如来像などがあります。


五重の塔
951年に建てられ、奇跡的に当時の姿が現存する京都最古の木造建築物です。

大きい地震にも耐えて来た木組み。


平安時代に創建した醍醐寺は、豊臣秀吉によって大規模な復興工事がなされました。
秀吉は、この寺院にたまたま来て気に入ったから復興に貢献した、というのではありません。

当時、醍醐寺の座主の義演は関白二条家の出身で、義演の父はかつて関白の座についていました。
義演の兄は、秀吉が関白に就任する1日前に関白就任、そして秀吉と入れ替わりに辞任しています。
義演の兄の関白辞任の代償として、義演に手厚い後援を始めたというのが主な理由のようです。


三宝院の庭は造形美
三宝院は1115年の創建。現在の三宝院は秀吉が催した醍醐の花見を契機として整備されたものです。
秀吉が四季を通じて楽しめるよう自ら基本設計した、広大で華やかな庭が広がります。


観音堂と弁天池の辺りは見頃
子授けの観音様。池のほとりの桜も見事です。


仁王門に続く道は咲き始め
醍醐の花見の三年前、秀吉は下見に来ています。
そして馬寄せから仁王門、槍山まで整備をさせて、道の左右から山まで700本の桜を植えさせたそうです。
これは仁王門に向かいながら秀吉が見た光景かも知れません。

仁王門をくぐったら、向こうからこちらへ向かって見てください。門に縁取られた空に輝く桜が綺麗です。

秀吉は1596年に五重の塔の復興事業を始め、その他の御堂の復興計画も立案しました。
復興事業た進む中、1598年3月に「醍醐の花見」を開き、秀頼、北政所をはじめ諸大名や女御達をともなって三宝院から槍山まで登って花見の宴を催しています。
しかし観桜の宴を催したその5ヶ月後の8月、秋の紅葉狩の約束を果たすことなく秀吉は世を去りました。

1600年の関ヶ原の戦を境に一大名となった豊臣の北政所と秀頼は、秀吉の意思を継ぐべく、ここに援助を続け、
秀吉から秀頼二代に渡り1609年に醍醐寺全体の再興を完成させたのです。

醍醐寺には、黄金の天目茶碗が所蔵されています。
義演が秀吉の病気治癒の祈祷を行ったお礼に贈られたものです。
黄金の茶室を作るなど派手好きな部分ばかりが強調されていますが、こちらのお茶碗は木製に金箔をしたもので、お湯を入れても熱くないそう。
茶の湯の方面から見る豊臣秀吉は、利休をやり込めようとして軽くあしらわれるという役回りです。
派手なイメージはありますが、竹ばかりの四畳半も造っています。
秀吉も利休の茶に傾倒して自らの茶の湯を極めようとした、ひとかどの茶人です。

歴史の一コマに直に触れられる醍醐寺。壮観な桜はこれからが見頃です。
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高台寺に浮かぶマリア像

2018å¹´03月09日 | äº¬éƒ½
                高台寺の方丈前庭と勅使門に映るマリア像

本日3月9日から、高台寺で春のライトアップイベント、プロジェクションマッピングが始まりました。
高台寺は、京都人は普段なかなか行かないお寺です。
生活圏からちょっと離れた所にあるし、観光客に人気で混んでいるお寺で、ちょっと寄るにはハードルの高い場所でしょうか。
「高台寺、あんまり行かへんなあ」そんな言葉が出るのは、そこがあって当たり前の場所だからかもしれません。
思い立って見に行くというよりは、歴史を持ち美しい景観を保つお寺として敬意を払いながら、身近な存在です。
「高台寺の前の管長さんが書いてくれはってん」というお軸が家にあったり、親戚が務めていたり、
生活の中で関わっているところがあります。

一方、和文化を学ぶ京都人には、例えば茶道は献茶式やお茶会へ、華道では献華展に出展するとか、何かと行く機会のあるお寺です。
広大で美しい庭園を眺められるお茶会や展示会は人気があります。

ゆったりと、ドヴォルザークの「家路」が流れる方丈前庭で

閻魔像

百鬼夜行

マリア像
高台寺が所蔵するキリスト教由来の壁掛けにマリア像が描かれているそう。
この春は、平和、垣根を超えた融和がテーマです。

近年京都の大きいお寺では、都会の新しい複合施設のように、率先して最新技術を取り入れています。
歴史的建造物の魅力を新しい形で表現出来る光のイベントは盛んです。
実際、プロジェクションマッピングのようなある程度の規模を要する企画は、京都では広大な敷地のお寺でないと難しいかもしれません。


最近グローバル化が進む高台寺。
敷地内に今流行りの焙煎所カフェもあり、ちょっと面白いです。
数年前までは、テイクアウトのコーヒー片手に東山のお寺を巡る人なんていませんでした。

「お寺にロースタリーカフェあるらしいよ」
京都の人は一応情報は早めに得ます。
でもすぐに行動には移さず「そのうち機会があったら行くかも知れへん」と、変遷する町とともに生活しています。
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京都の椿と梅をちょっとこだわって楽しむ

2018å¹´02月24日 | äº¬éƒ½
2月ももうそろそろ終わりを迎える頃、北野天満宮では梅の花がほころび始めました。


まだ寒い日が続いていますし、北野の天神さんの梅はこれからです。

三光門前の狛犬と梅
明日25日は北野天満宮の梅花祭。少々開花が遅れている中、咲き始めた梅の香りが漂っています。
舞妓さんの野点のお茶席も人気があります。
上七軒の舞妓さんは、歌舞練場そばのお寺でしっかりお稽古を積み、とても美しいお点前をされます。

この季節は梅の花を観たい時期ですが、11月から春頃までずっと咲き続ける椿も茶の湯の世界では主役です。
京都には古くから由緒正しい椿が沢山あります。

等持院の有楽椿は樹齢400年余り。

侘助椿の種です。織田信長の弟、有楽斎がこの椿を好んだことからついた名。
豊臣秀頼がこの寺を再建する時に植えたものとされます。


京都で最古の木造建造物、国宝に指定されている千本釈迦堂の乙女椿も有名です。

美しい大輪を咲かせています。満開になるのは例年三月半ば〜四月。

椿は11月から4月までお茶室の床の間に飾る大切な花。
お茶席の花にする椿は、蕾で葉が3枚か5枚などと決まっているので、綺麗な蕾の、葉が形良く付いているのを探すのは大変です。
自然に咲く椿は大抵風に吹かれて傷つき茶色くなっていたりしています。
お花屋さんで手に入る綺麗な椿は風避けして育てた椿なのです。

茶の湯では、梅は自然に咲いているのを愛でるもので、あまり床に飾りません。
梅は道具やお菓子で季節感を取り込みます。

梅の季節のお菓子と言えば、一見、梅には見えない形のお菓子があります。


とらや製の「未開香」と銘のついた生菓子。
お茶席用に作られる、普段はなかなかお目にかかることのないもので、官休庵さん好みで作られています。
梅なのに、この形でしかも緑色?が一般的な印象と思われますが、
こちらは梅の花の蕾をイメージしたものです。


緑萼(りょくがく)という種類の白梅で、萼が緑の種です。

緑萼梅は天神さんの、所々にひっそり点在しています。
開花の遅い種類なので、紅白梅が咲き始める頃はまだ蕾の頃です。
お茶室で、緑色の蕾が膨らみ紅白梅が咲く風景を思い浮かべる。。。
非常に茶の湯的なお菓子なのです。
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天龍寺さんの節分会と柊イワシ

2018å¹´02月03日 | äº¬éƒ½
本日2月3日は厄除けと来福を祈る節分です。
神社やお寺では節分祭が行われます。
京都では、節分行事が大切な節目として根付いています。

「節分、天龍寺さんでお茶会あるし行く?」
昨年末お茶券を手に入れて、天龍寺さんへ。


天龍寺の友雲庵にて節分大茶会

裏千家のベテランの方々がご亭主でお席は本格的ですが、節分茶会は初めての人も入りやすい雰囲気です。
お菓子は薯蕷の「お多福」でした。

お茶席から出て、本堂の方へ。


福豆撒きが盛大に行われる。管長さんをはじめ天龍寺にお勤めの方々が福豆を撒き、盛り上がります。


境内の七つの塔頭の七福神を巡り、福笹にお札をつけていただきます。
急がなくても、のんびりとまわれます。
七つのお札が揃うと、なんとなく福々しい気分になる。


参道では甘酒があちらこちらで気前よく振る舞われます。
天龍寺さんの節分は地元の人々が協力して行う、いかにも京都らしい節分祭です。
おもてなしの雰囲気に包まれほっこりします。


去年のお札などを持ってきてお火炊きで炊いてもらう。
竹のお火炊きは、時々弾けて大きい音をたてます。
山の中にある広大なお寺ならではです。


こちらは境内で売られていた、鼓月さんの七福餅。七福神を表す七色は全て味が違う、凝ったものです。
嵐山の鼓月さんが天龍寺の節分のためだけに作られます。
賞味期限も当日中のお菓子、一番美味しくいただけるその日を大切にしたいですね。

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それから生活の中で節分にすることと言えば、鰯を食べること。
弱くて臭いのあるイワシを食べることは、『陰の気を消す』という意味があります。
「節分は特に何にもせえへんけど、鰯だけは食べてる」とよく聞きます。


柊いわしを門に飾る
いわしを食べた後、いわしの頭を鬼の目を刺すと言われる柊の枝に刺して、鬼が入って来ないようにする風習もあります。
節分から立春まで、一日の間です。
この風習を習慣化しているお家は今は稀で、町中でほとんど見られません。
臭いがありますし、カラスが来るかも知れないし。。。
「柊いわしなあ、昔はうちもやってたけど。」そういう人が多いのです。

今年の京都は特別寒いので、動物が来る心配もなさそうです。
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黒文字一本で’ぜんざい’をいただく

2018å¹´01月17日 | äº¬éƒ½
                松の内が過ぎたら、鏡開きをしたお餅をおぜんざいにしていただく


茶の湯で、お菓子は黒文字一本でいただく決まりがあります。

裏千家のお家元でおぜんざいがふるまわれる時は、一本だけです。
同様にするお茶の先生は多いと思いますが、
お茶席でのおぜんざいに黒文字一本だけかは流派によって、また先生それぞれの考え方によっても違います。


昔、黒文字楊枝は、お茶会を開く亭主が自ら黒文字の枝を削り、お客はそれを持ち帰って日付や茶会の名前などを書いて記念にしていました。
現代では黒文字も貴重になり、戦後に工場製品が普及してからは、手間のかかることをする習慣はなくなったそうです。
特別な時以外は持ち帰らず、その都度洗って何度も繰り返し使うようになりました。



黒文字の枝
茶庭などにある「黒文字垣」を作っている竹屋さんに分けていただきました。
枝の切り口からは本当にいい香りがします。
黒文字は、クスノキ科の’香りの良い樹木’の仲間です。香りが良い、例えば、月桂樹やシナモンもクスノキ科です。
黒文字の切り口からはほのかに柑橘系の甘い香りがして、削りたての黒文字はお菓子の素晴らしい脇役になりそうです。


黒文字垣
高台寺にあったもので、古くなったのを竹屋さんが引き取ってこれから手直しをする。
黒文字は木が硬くしまって抗菌作用もあるので、とても丈夫で長持ちの垣根。


黒文字一本でおぜんざいは、正直言って大変です。器を口の方へ持ってきても良いのが救いです。
でも、一本でいただく苦労を仲間と言い合ったりしておぜんざいがひと際印象に残るところは、面白いとも思います。

心遣いをするなら二本にするべきという考え方も。
黒文字に杉箸を一本足して(あくまでも黒文字は一本です)お箸のように使う選択肢もあるので、一本だけにしなくても良いのです。
普段は安心して二本でいただきます。
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誰でも一度は「えべっさん」 京都の十日戎

2018å¹´01月09日 | äº¬éƒ½
                 人気大寄せ
                 人形が沢山吊るした傘は大〜小色々。商店の店先などに吊るしてあるのは、えびす神社の十日戎で授かった縁起物。
                 人を寄せて繁盛を願う。


本日9日は商売繁盛を願う十日戎の宵戎。
「えべっさん」と呼ばれるえびす神社で、商売繁盛と家運降昌を祈願する吉祥笹の授与が行われます。
関西弁でないと「えべっさん」とは呼びにくいかもしれませんが、こちらの方がお祭りそのものとして通じます。

京都人にとって十日戎は、毎年のように行く習慣があったり、或いは誰でも一度は行ったことがあるポピュラーなお祭り。
祇園らしい露店が立ち並び夜通し人が集まる賑やかなお祭りは、寒い中でも楽しいものです。
商売をしている人もお勤めの人も、仕事運や家運の向上を願います。

えびす神は海の神様。
建仁寺を創建した栄西が中国からの帰国途中に暴風に遭い、海上に恵比寿神が現れて難を逃れた逸話から、
建仁寺の創建時にえびす神社が建てられたと伝えられます。


本殿に奉納された巨大な招福マグロ
海の神えべっさんに大漁を願って奉納された巨大なマグロ


全て巫女さんに祈祷されてから授与される福笹


好みの飾りを選んで、福娘さん達につけてもらいます。
十日戎の福娘になりたいという応募者は学生さんなど多数で、なかなか狭き門です。


一つ一つ、本物の道具として使えそうなくらい精巧に作られた飾りは、
職人さんの手作り。手間暇をかけているのがわかる。


耳が遠いえべっさんに聞こえるように、本殿横の大板をトントンと叩いてお参りすると願いが叶うと言われます。
お正月の次には景気のいいお祭り。
こうして京都の冬が明けていきます。
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お正月飾り

2018å¹´01月01日 | äº¬éƒ½
おくどさんに鏡餅


しめ縄飾りが売られる。
昨年末12月29日の錦市場。
年末の錦市場は、京都の人密度が一年で一番高いと思われます。


門松
各戸を訪れる歳神様が迷わずやって来るように。
日月荘の門松は上が水平な寸胴の竹。昔々はこの形だったそうで、茶の湯の習わしに沿って。


結び柳
床の間に飾る結び柳。
円く結んだ柳は、新年、円満、春の到来などを祝います。
柳は長ければ長い程縁起が良いと言われますが、
最近は長い柳もなかなか希少になっています。


炭飾り
床に邪気を避ける炭を飾ります。くぬぎの炭で綺麗な菊の形。


ほしつきさん
京都独特の小さい鏡餅。
直径5、6cmくらいのお餅にぽちがついていて、炊事場の神様に、お風呂の神様に、仕事場の神様にと、
神様が宿ると思う所へはどこにでも、のお供えものです。
これはよく見るほしつきさんのよりぽちが大きく雪だるまのよう。


餅花
柳などの木に小さい餅や団子をさして飾ります。
一年の五穀豊穣を祝う意味があります。
お茶席には使いません。
作るのは大変手間がかかりますがどちらかといえば気軽な飾りものです。

あけましておめでとうございます。
旧年中に賜りましたご厚情に深く感謝申し上げます。
本年も何卒宜しくお願い申し上げます。
日月便り発信者 大谷菜穂子
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京都の師走と「ころ柿」

2017å¹´12月23日 | äº¬éƒ½
       「ころ」と呼ばれる干し柿
       京都の師走の半ばから売られる、宇治田原産の「古老柿」
       小さく黒っぽい地に白い粉がふいた地味な見かけからは想像もつかない、上品な甘みで深い味わいです。


宇治田原産のころ柿となる柿は、‘鶴の子’という小さめ筆型の品種。



宇治田原の柿屋
ころ柿は全国でも珍しい、吊るさないで作る干し柿です。
11月始め、稲を刈ったあとの田んぼに柿屋を建てます。

宇治田原から来た八百屋さんにお話を聞きました。
柿が黄色く実ると堅いうちに皮を剥き、柿屋に並べて乾燥させます。
木枯らしが吹き夜には冷えこむ気候が、良いころ柿が出来る条件。
堅いうちに剥かないといけないのに、天候が暖かく湿度が高いとだめです。
とにかく木枯らしがふかんとあかんのや、そうです。

ある程度乾いて来たらヘタを取り、柿屋の棚で2〜3週間程干します。
毎日夕方に藁やむしろをかけ、雨が降る前には移動させ、一日何回も状態を確認するそうです。
それから‘みの’の上で転がしながら一週間、白い糖の粉がふいたら出来上がり。昔ながらの大変手間のかかる作り方ですね。

古老柿は縁起の良い食べ物とされ、お正月には鏡餅と一緒に飾られます。
宇治田原産のころ柿の多くは予め決まったところへ出荷されるので、市内ではその辺で見かけるものではありませんが、
予約をすれば購入出来るところもあるので出会う機会はあります。

ころ柿は、優しい甘さがすっと溶けて後にえぐみが残らない干し柿。
洋風のドライフルーツより柔らかく、よく出回っている柿色の干し柿と比べると弾力が有り固い食感。
お正月飾りにする前に、この時期のご馳走としてもいただきたいものです。
そのままで非常に美味しいお菓子ですが、ゆずやレモンで和えるサラダや、チーズやバターとも良く合います。
和食では、よく‘なます’に和えられていますね。

洋風ではこんないただき方もあります。

バターと

クリームチーズと

クリスマス、京都では派手さはありませんがそれなりに皆さん楽しんでます。


師走の気ぜわしい時に、ちょっと違う雰囲気もいいものですね。
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