クロスバイクで元気

念願叶った定年退職の身は、先立つ物は細く時間は太くの狭間。
歩いて、自転車に乗って感じたことを、気ままに書き続けます。

小野田正治さんがダンボールにペンキで描く人物画は、今まさに声を出す瞬間

2015年04月01日 19時09分46秒 | 美術展
会場に一歩足を踏み入れると、壁面いっぱいに何段にも横にずらっと並んだ人物画が迎えてくれます。
いずれの顔、顔も、有名人が描かれているのですが、今、まさに声を出し、動こうかという瞬間、絵が生きています。

描いたのは、小野田正治さん。
初めての個展で、タイトルは「時の人・・・肖像画展」。
ダンボールにペンキを塗って描かれています。

会場にみえた小野田さんのお話によると、新聞や雑誌に掲載された有名人の写真を切り抜いてしまっておくんだそうです。
そして、その小さな写真を見ながら、大きなダンボールに描きますということです。
小野田さんは、モデルとなった有名人のイメージを膨らませて、鮮やかに性格描写をしてみえるのでしょうね。

ところで会場入り口には自画像も飾ってあります。
「あれって自画像ですよね。鏡を見て描くと左右反対になるかと思いますが、どうしてみえますか?」
『はい、自画像ですが、(自分が写った)写真を見て描きます。鏡だと、笑ってしまうからです。』
『笑った顔をそのまま保つことはできなく、次から次へと違う笑い顔になるから描けないんです。』
うんうん、なるほど、そうですね。
鏡で自分の顔を見ると笑ってしまうというのが、いいですね。

そして『今飾ってある自画像は80歳の時に描いたものです。その前は75歳の時に描き、5年毎です。』
『今82歳。あと3年生きれれば、また描きます。なんてったって、遺影に使うから。』
うん、なるほど。
明るく屈託なくお話をされる小野田さんが羨ましいですね。

小野田正治さんの「時の人・・・肖像画展」は、名古屋市中区の市民ギャラリー栄で5日(日)まで開催中です。

【4月4日(土)追記】
今日も、また観てきました。
そして、小野田さんにいろいろと聞いてきました。
『最も力を入れて描くのは、最初に描く目。』
『目がうまく描ければ、顔の輪郭が多少違っても本人に見える。』
『目の次には、眉、鼻と続けます。』

「一番人気は誰ですか?」
『イチローです。あとは、戦場カメラマン、そして健さん。みんな写真を撮ってくよ。』

「5年毎に描かれてる肖像画。私も5年おきに写真を撮っていきたいですね。」
『肖像画は20歳の時から、5年おきに描いている。』
「ずらっと並べると壮観ですね。」
『残念ながら、家ではつくねてあるから一度に見ることはできない。』

「今回の個展は、最初で最後と宣言されてますが、是非ともまた見たいですね。」
『立ちっぱなしは疲れる。家のお風呂で30分くらい足をマッサージし少しは楽になるが......。』

とまぁ、こんな感じですが、お元気な声でのお話を伺い、私にも力が湧いてきます。
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良い、良くないは場面の違い

2015年04月01日 18時40分53秒 | 日記
今日聞いた“いい言葉”。
それは、“本物とは何か?”という話になった時。

彼は答えます。
『本物とは、ぐぐっと惹かれるものがあるということです。』
「ということは、人によって本物と思う、思わないが違ってきますね。」

『当然、そういうことです。人によって違ってきます。』
『でもそれは、人によるレベルの違いではなく、場面の違いです。』
『レベルだとすると、上、下の問題になってしまうから。』

ぅぅ~~ん“場面の違い”ですか。
無機的な色合いですね。
ある意味、運命論的でもあるし、また公平感のある言い回しですね。
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