卆寿の旅

平成30年8月3日、満九十歳 卆寿になり、「八十路の旅」を「卆寿の旅」にタイトルを変更し、徒然なるままに記します。

現実

2019-05-30 15:46:40 | Weblog

 <裏山に登りながら、自嘲>

  5月30日、午前11時、裏山に登った。キュウリの支柱の枯竹をとるのが目的。ほんの30mぐらいの山道である。

  2、3日前から、迷っていたこと。ムリと違うか? いや、這って登ればよい。‥迷っていてもラチがあかない。実行したわけ。山道には笹の落ち葉がぎっしり、一歩登れば2歩すべった。這いながら、枯竹に到着。30mも登っていない。

  ふと、不安がよぎる。家はすぐそこに見えるが、倒れたら誰が見つける?・・こんな心配をするウチは大丈夫だ。

  とにもかくにも、手頃な枯竹を手に入れて、山を下りた。やっぱり、山登りはムリなんだと、自嘲することシキリ。無念なり、残念なり。でも、家まで持って帰れたことの喜びも大きかった。

 

☆(左)枯竹2本を両手に持っているところを自撮り。完全武装の出で立ち。5月30日、11:30写。

☆(右)枯竹を、2号田のキュウリ2本の支柱にする。5月30日、午後2時30分に撮った。
  このキュウリは、実は購入のうどんこ病強し(3本)を、5月早々に植えたが、うまく根付かなかった。1本は完全に溶けた。残り2本が、かろうじて新芽を出していたが、引き抜いて、ねぎの畝に移植した。ダメと思っていたが、完全に生き返った。すでに、2つの
黄色い花にキュウリを付けている。


<キュウリとヤーコン・カボチャ>

 

☆2号田、うどんこ強しの苗を植え替えたキュウリ。かなり大きくなった。ここは支柱代わりにキュウリの網を張っている。
5月30日、14:30写。

☆2号田、ヤーコン(4)、カボチャ(2)の成長状況。5月30日、14:40写。


<現実の把握>

  今回の枯竹とりの山登り、午後の昼寝タイム、いろいろな想念が頭の中をよぎった。

(1)つい、この間、私より3才ほど若いお婆さんが、家から上がったところの畑でなくなった。独り暮らしで元気だったそうだ。でも、身内の方がテルしても不通、駆けつけて判明。・・前から心臓の病があったそうだ。安らかな顔だったという。他人事とは思えない。・・デカンショ踊り、西紀音頭の姿を思い出した。

(2)戦時中の話。昭和20年3月、中学校5年生と4年生がいっしょに卒業した。当時、私は4年生。進学希望。第3高等学校、理乙(現在の京大医学部)を受験。みごとに不合格。
  当時、われらの間で、流行した言葉があった。「現実の把握」・・だれが言い出したかは知らないが、私たち4年卒業組は、みな、入試に失敗した。言葉だけが鮮明に頭に残っている。

(3)「矛盾」「相剋(相克)」という言葉も、その時覚えた。今のように便利なモノはなにもない時代。ただ、ごわごわした紙の本が、唯一の娯楽だったのかなぁ?・・みな、本を読んだ。
  「矛盾」という話がおもしろかった。中国の韓非子に因む話。{‥盾と矛を売っている人がいて、「この盾は何も通さない。この矛はすべてどんな堅固なモノでも突き通す」と言った。それを聞いた人が尋ねた。「あなたの矛で、あなたの盾を突いたら,どうなりますか?」その人は、何も答えられなかったという話。・・この話を、韓非子は、よく引用したという。} 

  「相剋」という言葉も覚えた。対立する二つのモノが互いに相手に勝とうとして争うこと。世界はまさに相剋の歴史である。・・そういう意味では、ジロ爺さんもまた、身心の葛藤、山に登れるか、山裾で山を眺めるか、大げさだが相剋を味わっている。まあ、それが人生だ。・・いつも、この辺で、うつらうつらから、目を覚まし、庭を散歩する。


<タマネギの収穫>

  6月1日、土曜日、午前9時、倅の嫁と孫(男)が、二人で3号田のタマネギをみな収獲した。朝から予報通り晴天、二人とも在宅。昨夜からの約束が実現したわけ。

  昨夜、腰をいためたジロ爺さんは、一輪車で車庫に運ばれたタマネギの整理をした。シルバーカーに腰掛けて、根と葉を切り落とした。葉は20cmぐらいに切りそろえた。

  運ぶ仕事は殆ど孫。加えて切りそろえる仕事や、再度、一輪車に並べる仕事も、やってくれた。もちろん倅の嫁の指示のおかげで、思ったよりはやく、午前10時にはすべて完了。根や葉の残渣まで裏の焼却場へ運び、車庫の掃除なども終了。最後に、倅の嫁が、三台の一輪車にタマネギを並べ、玄関口で陽に干した。

  それにしても早かった。わずか1時間ですべて完了。あとは、干したタマネギを山猿に取られぬよう監視。これはジロ爺さんの役目。

 

☆5月31日、午前11時頃のタマネギの様子。2、3日前に、一気に葉茎が倒れた。収穫の知らせ。家のみんなが、6月1日の午前中に収穫することで話がまとまった。みごとに倒れて、みごとに大きくなった。5月31日、11:00写。


 

☆(左)車庫に運ばれたタマネギと根と葉茎を整理して、一輪車にのせる。

☆(右)運ばれたタマネギの拡大。りっぱなもんです。9:30写。


 

☆(左)シルバーカーにどっかと腰を下ろして、根を切り落とすジロ爺さん。孫がシャッター。9:40写。

☆(右)3台の一輪車に整理して、通用門入り口で乾燥。10:10写。午後6時まで干せた。猿の出没なし。


<ゴミ燃やし>

  6月2日、朝から曇り空。裏庭5号田の焼却場でワンサとたまった草を燃やした。木と竹をやぐらに組んで、火を付けた。竹に火がつけば、先ず消えることはない。ドンドン草木を燃やした。昨日のタマネギの残渣も燃やした。

  残渣の山を燃やしながら、何故か「キリマンジャロの雪」が、頭に浮かんだ。キリマンジャロはこのような形をした山なのかなぁ? ・・「キリマンジャロの雪」はヘミングウエイの作品。すっかり内容は忘れてしまった。フォークナーの「サンクチャリー」も、頭をよぎった。・・何もかも遠い昔の絵空事。

  一度、火がつけば、あとは、煙の状況を見て、2、3時間おきに、草木を積み重ねるだけ。今の私にとって草木の焼却が、一番手頃な仕事である。

 

☆燃やしはじめの草木の山。キリマンジャロの形をしていたのかなぁ?6月2日、11:00写。

☆午後5時頃には火の元の大木を残し、完全に灰になった。6月2日、17:10写。


<タマネギの乾燥>

 

☆6月3日、朝から快晴。先ずタマネギの乾燥にとりかかる。一輪車3台を通用門の外に出す。午前10時頃、洗濯を終わり、物干しにかける。11:00写。

☆ジロ爺さん、シルバーカーに腰掛けて、新聞を読みながら、タマネギの監視。・・(山猿が垣根、木陰、柱の隅に潜んで、人の気配がなくなった瞬間を狙って、タマネギを盗む)セルフタイマー10秒。あわてた。  11:30写。


 

☆(左)一日中、監視は不可能。気休めだが、妨獣網をかぶせる。物音がすればすぐ出られるよう配慮。午後は少々陰ったが、午後5時まで外で干した。猿の出没はなし。でも、隣の人の話。「すぐ家の近くまで来ていましたよ」

☆(右)この写真は、平成17年6月13日、キイ婆さんがタマネギを監視している場面。参考に掲載。(・・嗚呼、5ヶ月後にキイ婆さんは、ジロ爺さんの腕の中で、永遠の眠りについた)

  キイ婆さんのタマネギ監視の場面は、次のブログに詳細に記している。{‥参照:2017,6,14「初夏の詩」<タマネギを乾燥中です>・・2017.6,7「身心一如」<タマネギを収獲しました>・・}

**キイ婆さんよ、なぜ死んだのや?・・いずこへ逝ってしまったんや?・・ジロ爺さんは悲痛に叫ぶ。・・オモカゲを時がうすれを刻んでいく。それにしても、現世は何ぞや?・・人生は何? 死とは何?・・ジロ爺さん、この世の永遠の課題に、疑義を叫ぶ。思考する。

  生前、キイ婆さんは、ジロ爺さんが叫んだ「死とは何?」に、「死んだら解るんじゃない?」と、ぼつりと言った。「死んだ人でこちらに帰ってきた人はいないものね」

  ジロ爺さん、死は考えるもんじゃない。 しっかり生きていくことや。生きる先に死は必ずやってくる。絶対くる。その時は、その時でいいのではないか。・・でも、死ぬまでは元気でいたい。自分の足で歩きたい。・・それから先のことは考えなさんな。・・今のジロ爺さんには、「現実の把握」しか手段はない。

  キイ婆さんにあらためて感謝の気持ちを捧げるジロ爺さんではある。・・初夏の昼の夢。

<生活にはリズムがある>

  6月6日、晴天。予報では7日から大雨だそうだ。6日は洗濯日和となる。それに、9日には西紀のOB・OGに主席予定。案内を受けて、迷ったが、とりあえず、元気ならば出席と返事を出していた。2ヶ月も前の話。

  6日、起床するなり、洗濯機にスイッチを入れた。洗面、朝食、PSのチェック、タマネギ干し、洗濯モノ干し、新聞取りなど、畑見回り、ベッドで一息入れたのは、午前10時20分。・・朝から疲れがドッとでる。でも、午前10時から午前10時30分までに、朝の仕事が終われば最高。6日はいつもの生活のリズムがもどった感じ。でも、しんどい。

 

☆6月6日、洗濯モノ干しとタマネギ干しの状況。10:00写。


*** リズムが狂った日があった。6月4日、午前9時30分、O病院泌尿器科の定期検診。出発は9時過ぎ。・・Nさんがシルバーから草刈りに来た。事情了解。・・午前中、草刈りの場所だけ指定して実施してもらった。

  病院事務所で、事情説明して、午前11時前に帰宅できた。気を使った。家を出る前に、お茶やお菓子の準備をした。帰宅後も、一緒に休息した。が、気づかれのせいで、昼ご飯は午後1時頃になった。

  お年寄りにとって、毎日の生活のリズムが、如何に大切なモノかを身をもって感じた。変化に対応しきれない。

  キイ婆さんは、60年間、主婦の仕事をしてきた。晩年は、エゴエゴしながら洗濯モノを干していた。畑の世話もした。ジロ爺さんの身の回りの世話など、今から思うと大変だったなぁと、ため息をつく。・・なに一つ文句を言わず、最後まで、60年間、主人をたててきた。ジロ爺さんの前に出ることはなかった。しっかり民主教育を受けてきた明治の女の感がした。ジロ爺さんの感覚の言葉。キイ婆さんに捧げる言葉である。

***ジロ爺さんに打撃を与えたのは、生活のリズムが狂った他に、気候のせいでもある。急に蒸し暑い毎日が続いた。夜、ベッドで眠っていて汗をかいた。・・しかしエアコンをつけるほどではない。あっと、思い出した。キイ婆さんは、殊の他、扇風機を好んだ。・・衣装部屋の扇風機を取り出して使用。(扇風機は袋にかぶせて、キチンと格納されていた。もちろん、倅の嫁の心遣いである。)・・快適である。


<言わぬは言うに勝る>

  ジロ爺さんは、どちらかと言えば、お喋りである。それに反して、キイ婆さんは寡黙だった。存命中、キイ婆さんが、嫁と言い争っている場面に接したことは一度もなかった。どちらも偉かったと思う。二人とも、言いたかったことはいっぱいあったと思う。

  ジロ爺さんは、野菜づくりなど、倅の嫁に手伝ってもらっている。トマトの茎を支柱に結わえ付ける仕事も、時々やってもらう。トマトの茎は、成長が早い。1週間もすれば、先がうなだれる。二人で交互に結わえ付けている。仲良しでいいと思う。2、3日前のことだ。・・支柱に結わえ付けようとすると、すでに立派に付けられていた。

 「トマトの結わえ付けに、行ったら、きれいに結わえ付けられていたわね」「・・・」無言、反応なし。・・このジロ爺さんの言葉は正解ではなかった。「トマトの結わえ付けに行ったら」が余分の言葉。「きれいに結わえ付けられていた」も、いらぬ言葉。・・こういう場合、キイ婆さんは、「おおきに」「ごくろうさん」と言っていたのかなぁ? いや、無口で、ちょっとうなずいていたのかなぁ?

  所詮、日常生活で、よいと思って言ったことが、相手の気分を損なうことがあるのではないか? 言わないほうがいい。そう、息苦しく考えることもないが、「言わぬは言うに勝る」と、ジロ爺さんは、目下、この言葉を実践中である。


<一日一日が重苦しく過ぎ去っていく>

  6月7日、丹波篠山地方は、朝から雨。大雨の予想に反して、小雨。・・むしろ、野菜にとっては恵みの雨となった。

  テレビは、大雨で洪水警報の地方、家が水に浸かる様子を映しだす。・・近畿でも、大雨の地方がかなりあった。そんなに離れていないが、雲の流れは不思議である。

  体調、すこぶる不調のジロ爺さんにとっては、休養の慈雨となった。

  しかし、雲の流れてと同じように、一日一日が重苦しく過ぎ去っていく。関東地方は梅雨入り宣言。関西地方は未定。毎年関西地方が、梅雨入りは関東地方より早かったはず。・・テレビで45年ぶりだと報道されていて、ちょっと安心した。 

  シンドイのは気候のせいだろう?・・いや、やっぱり加齢のセイなのだろう?一日が重い。特に夜がコワい。真夜中、トイレのため、ベッドから身を起こしたとき、ふらふらする。そして、とりとめない夢をみている。不安。

  でも、生きていこう。

 

 


   

  

 

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7 コメント

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お爺さんは山に芝狩りに (縄文人)
2019-05-31 06:20:28

 ・ 山登りいつの間にやらやっこらさぁ~ (縄)

  むかし結構山登りをクラブに入っていてしましたがもう足が動きません。
平坦な街歩きが、6月2日に行われますが(原宿)、さてさて。
裏山とても山道です、無理成さなない方が…。

しかし野菜の支柱は篠竹が節があり野菜たちにやさしいです。
時々吾も近くの、篠藪に入り採ってくることがあります。

   ・篠竹で胡瓜の支柱ホッと一息

Unknown (Unknown)
2019-05-31 08:16:49
jiroおじいちゃま、どれほど土地があるのですか~?大地主さんですね。

私のブログ見て下さり、恐れい入ります。
今は主婦の日記ですね。

有難うございます。♪♪
Unknown (ハルリン)
2019-05-31 08:22:51
又自分の名前を入れ忘れです。
此れでは国語のテスト0点ですね。

失敗がとまりません、年の精~~?
痴呆が始まったの~~??

たびたび済みませんでした。
 (jiro)
2019-05-31 10:52:42
縄文人様
山登りは下山が大変です。80才代は、スイスイと登れた山です。
ムリはしませんが、昔を思うと残念。つい、ムリをします。でも、ムリができるウチがハナですよ。
ご忠告に,従います。
了解 (jiro)
2019-05-31 11:03:04
ハルリン様
内容で、解っていますよ。ご心配なく。
高岡の花もきれいですね。
田舎の屋敷は広いですが、管理が大変です。
今後とも,よろしくお願いいたします。
収穫 (サト)
2019-06-04 09:05:13
jiro様
タマネギの収穫お疲れ様ですね!
山猿の出現監視も大事なのですね、撮られている写真でよく分ります。
奥様とお別れもまだ日が浅いですが、80代までご一緒でした事思い出は
つきない事と思います。

私方主人は、20数年前に病死しましたので、今でももう少し生きていてくれたらと
思う事が良くあります。
暑さに向かいます、くれぐれもお大事にされますように・・・
タマネギ (jiro)
2019-06-04 16:05:31
サト様
タマネギを収穫しました。
20数年前とは、早すぎましたね。
それ以後、頑張ってこられた様子がよくわかります。
でも、女の方は強いです。食事の世話が独りで出来るからです。
身の回りの世話を独りでこなす。一日一日です。
ひ孫さんはいいですね。生きるよすがになるでしょうね。ブログ、写真見ています。

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