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謝罪の気持ちをどう伝えるか

2014年08月27日 | コンサルティング

「謝れよ」「そっちこそ謝れよ」

時々、電車の中で双方がヒートアップした言い争いを見かけることがあります。事の発端は一方の体が触れたとか、触れていないなど些細なことだったはずなのに、丁々発止となり、挙句の果てに手を上げる事態にまで発展してしまうこともあります。

謝らなかった方が悪いのか、もしくは必要以上に反応してしまう方が悪いのか、一部始終を見ているわけではないのでよくわかりませんが、見ていて決して気持ちの良いものではなく、正直「やれやれ」と思います。

先日このような場面に遭遇した私の友人は、いつまでたってもやりとりが終わらないので、思い余って「やめてください」と声を発したと言っていました。

ところで、今朝のNHKの「あさイチ」では「謝罪」を取り上げていました。興味のあるテーマでしたので、録画予約をしてから出勤し先ほど帰宅してから内容を見たのですが、それによると現代では謝罪の気持ちはあっても伝え方がわからないという人が増えているそうで、何と謝れない人に代わって謝る、謝罪の代行ビジネスでまであるのだそうです。 

個人的には当人ではなく代理人に謝罪をされても、まず謝罪の気持ちが伝わらないのではないかと思いますが、ビジネスとして成立しているわけですから、それなりに需要があるということなのでしょう。

番組では謝罪のハウツー、例えば謝罪時に持参する菓子折りの金額は平均(5千円から1万円程度)より少し上にするとよいなどの方法も、いくつか紹介されていました。

そうした中で最も興味深かったのは、謝罪を受け入れてもらうためには、相手の姿勢が前のめりになっている時よりも、仰向けの時の方がよいというものです。

その理由は、仰向けの方がリラックスしているので攻撃性が弱まり、脳が謝罪を受け入れやすいということなのだそうです。相手の姿勢によって謝罪の受け入れ具合が異なるというのは、これまでの経験でも何となくわかるような気がします。

他には、あまりに「すみません」を連発すると、謝罪というよりはむしろ馬鹿にされているような気持ちがするという視聴者からの体験談も紹介されていました。

これらの話を見聞きして、謝罪する場合は結局のところ、相手の不快感や怒りの気持ちをきちんと理解していますというメッセージを伝え、心から「申し訳ない」と思っていることを素直に伝えるしかないのだと、当たり前のようではありますが、あらためて感じました。

ところで、冒頭で紹介した電車の中で言い争いを続けている人たちに「やめてください」と言った友人の話は、その一言が効いたのか言い争いはそこで終り、一方が下車する時に友人に「すみませんでした」と謝罪をしていったそうです。

多分、友人の上から目線ではない落ち着いた言い方で発した「やめてください」が彼らの心に届いたのだと思います。

謝罪はやはりテクニックではなく、気持ちなのだと思います。

(人材育成社)


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2 コメント

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いくつかの要因が積み重なる、怒られた側の気持ちの整理 (芳垣玲子)
2014-08-29 11:29:07
かなさん 今回も素敵なメッセージをありがとうございます。いつも思いますが、さすが沢山の事例をお持ちですね。

「人が怒り出すときには、その直前に理由があるとは限らない」というのは、改めて納得ができます。自分には全然関係のないマイナスの事柄が集積された結果、自分に矛先が向けられてしまうこともあるでしょうし、継続的に会う機会がある人の場合、自分では気が付かないところで、少しずつ自分に対しての不満が蓄積されて、ある日それが爆発することもあるのでしょう。

どちらの場合であっても怒られている理由が瞬時にわからないと、謝罪するにしても心が伴わないことになります。興奮している相手にどういう失礼があったのか、理由を聞くのが難しいと思います。

また、お客様から怒りをぶつけられることが多いという職種の場合、気持ちの整理が難しいという現実もあるでしょう。怒りの気持ちをコントロールする「アンガーマネジメント」が注目されていますが、怒られる側の気持ちの整理も大切だと思うのです。

もし。よい事例があれば、伺いたいです。
すみませんと言って、すみません…>_<… (向井加奈子)
2014-08-28 01:35:07
電車内のトラブルとは少し異なりますが、謝罪の場での経験についてコメントさせて下さいね。(少し長くなります)

お客様相手だと、相手が何に対して怒っているかを察知できないと、さらに怒らせてしまうことになります。そして、「責任者呼んで来い」ということに… 反対に、相手が何を求めているか想像して的確な対応ができる人は、謝罪の気持ちも伝える事ができていましたね。

あと、周りの人の目を意識しないでずっーと謝っている人。謝られている人が注目を浴びて悪者になってしまいますね。こうなると、謝罪の気持ちは決して伝わりません。

サービス業の「すみません」は、五感を使って対応しないといけない場でした。

さらに、人が怒り出すのは、その直前に理由があるとは限りません。お話しをよく聞くと、幾つかの要因が積み重なって、直前の出来事が引き金になっていることが多かったですね。バケツに水が少しずつ溜まっていき溢れる感じでしょうか。なので、お話しをよくうかがい、お客様が「実は今朝こんな事があってね…」と話して下さったら謝罪を受け取って下さったと思っていました。

以前に、解決策を聞いているのに「すみません、すみません」を繰り返された事があり、「すみません、は必要ないのでどうしたらいいか教えて下さい」と言ったら、「すみません」と言われました。「すみません」が口癖になっているのでしょうね^_^

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