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第997話 テレワークで生産性が低下?上昇?

2021年02月14日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

生産性という言葉を聞いたことがない人はいないと思います。会社員は「日本の生産性はOECD加盟37カ国中26位と低い」という記事を読んでタメ息をつき、経営者は「うちの社員は生産性が低いなあ」とぼやきます。

「自分もそう思う」という方にお聞きします。生産性の正しい定義を知っていますか?・・と言われて困った方に解説いたします。

生産性にはいくつか種類がありますが、ここでは「付加価値労働生産性」を取り上げます。

付加価値労働生産性とは「労働者1人あたりがどれくらい付加価値の高い仕事をしているか」を示す値です。付加価値はモノやサービスによって形態が異なるため、金額で示されます。個数や重さではなく金額で示すことで、自動車も農産物も接客サービスも同じ単位で「価値」を測ることができます。

価値に「付加」が付いているのは労働者が新たに付け加えたものだからです。

商店を例にしてみます。お店が100円で仕入れた飲料を150円で販売した場合、150-100=50円が付加価値になるということです。

「え?100円の飲料は別に大きくなったわけじゃなく、仕入れたときのまんまでしょ?どこに価値が付いたの?」と思われたかもしれません。もちろんその理由はお分かりかと思いますが「お店で売っている」ことが付加価値の源泉ですです。

その飲料がメーカーの工場の端に積んであるだけならその価値は100円かもしれませんが、それをお店に並べ、お客さんに渡してお金を回収するという人手をかけている分が「付加された」価値になるのです。

付加価値の計算には財務諸表が必要ですが、損益計算書が読めれば計算できます。

付加価値=人件費+減価償却費+動産・不動産賃貸料+租税公課+営業利益(加算法、中小企業庁のホームページを参照してください)です。

ちょっと面倒だと思われる方は、付加価値=売上総利益(粗利)と考えていただいても構いません。売上総利益は損益計算書の「上から3行目」に書いてあるのですぐ分かります。

そして付加価値労働生産性ですが、次の式で計算できます。

付加価値労働生産性=付加価値(金額)÷労働投入量

労働者1人当たりの労働生産性を知りたい場合は労働者の人数で割り、1時間当たりの労働生産性を求めたい場合は、労働者の人数と労働時間を掛けた値で割ります。

日本の1人当たり労働生産性は、81,183ドル。OECD加盟37カ国中26位で、時間当たりの労働生産性は、47.9ドル。OECD加盟37カ国中21位。(いずれも2019年)

さて、ようやく本題ですが、テレワークによって生産性は上がったのでしょうか下がったのでしょうか?

その答えは「よくわからない」です。

生産性が上がる要因は付加価値、すなわち売上総利益(粗利)の増加です。粗利が増える理由は売上の増加です。昨年はコロナ禍により売上が下がった企業も多くありました。また、コロナ禍により一気にテレワークが普及しました。

つまり、付加価値の低下もテレワークも、同じコロナ禍という「原因」によって生み出された「結果」なのです。

IT業界は従来からテレワークに積極的でしたから、昨年はテレワーク率が急上昇しました。パソコン需要も急増(過去10年で最大の伸び)となり、アップルもマイクロソフトも過去最高の売上を達成しました。そこに労働時間の短縮が加わって生産性は大きくアップしました。

一方、テレワークが難しい飲食業などのサービス業界は売上が大きく低下しました。当然、粗利(付加価値)も大幅にダウンしました。

IT業界と飲食業を見れば「テレワーク率が高いと生産性は高い」「テレワーク率が低いと生産性も低い」と言えます。しかし、それは「結果」同士を並べただけのことです。本当のことは分かりません。

もし、あなたの会社がこれからさらにテレワークを推進せざるを得ないとするならば、いったん「生産性」の話は横に置いて、テレワークをスムーズに行えるように努力してください。そして「売上を増やすこと」に全力をあげてください。

それが生産性を上げる最善の手段です。

お問い合わせ【株式会社人材育成社】 

人材育成のホームページ

 

 


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