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属人化を防ぐ「余白」とは

2019年03月17日 | コンサルティング

前回の属人化については多くの反響がありました。あらためて定義を見てみると属人化とは、企業などにおいて、ある業務を特定の人が担当し、その人にしかやり方が分からない状態になること。多くの場合批判的に用いられる。(weblio辞書より)」となっています。

この属人化というのは、いかにも日本的な感じがします。よく言われるのは、海外の会社では「仕事の標準化が進んでいるから属人化は起こりにくい」、「労働者は職種に特化した能力で雇われるからいつでも取り替えが効く」ということです。

確かに、アメリカやヨーロッパの会社では職務記述書(job description)という、仕事とその責任を明確にした文書があります。それが雇用契約の基本になっています。では、海外の会社では属人化は生じないのでしょうか。

まったくないとは言えませんが、非常に生じにくいと言えます。なぜなら「職務記述書ありき」だからです。

職務と仕事の違いとでも言うのでしょうか。職務の場合は曖昧さがほとんどありません。それに対して仕事という表現は非常にあいまいです。

職場でのやり取りを例にとってみましょう。

上司「太郎君、あの仕事やってくれたか?」
部下「え?あの仕事、僕がやるんですか?」
上司「当たり前だろう。言われなくてもそれくらいわかるはずだ!」
部下「す、すみません。」
上司「いったい何年ここで仕事してんだか・・・」

これが海外なら、

上司「ジョン、あのjobやってくれたか?」
部下「ボス、あれはロバートのjobですよ」
上司「どれどれ・・あ、ほんとだjob descriptionに書いてある。」
部下「もう、ボスったら。」
上司「ははは、うっかりしていたよ。」

もちろん、日本の会社の「仕事」はそのまま職務記述書に書き残せるものではありません。

しかし日本の会社では、職場でそれとなく共有されている「暗黙知」があるため、不測の事態が生じたときに職場が一丸となって対応することが比較的容易です。一方、海外の職場では職務記述書のような「形式知」が基本になりますから、不測の事態が生じたときの対応が後手に回ってしまいがちです。

そこで、なんとも中途半端な提案かもしれませんが、日本の職場でも海外のようなきっちりとした職務記述書の導入を進めつつ、暗黙知が存在できるような「余白」を作っておくことをお勧めしたいと思います。

その「余白」とはなにかというと・・・まさに職務記述書に余白の1ページを付けておくことです。

そして、上司や会社が勝手にそこに何かを「後付け」で書き込まないよう「余白は余白」のままにしておく規則を作っておきます。もちろん、それですべてが上手く行くとは申しませんが、意外と効果があるのではと思っています。

「余白のある職務記述書」を受け入れることができるのは、おそらく日本人くらいではないでしょうか。

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