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研修講師の正しい選び方(初級編)

2018年04月18日 | コンサルティング

「皆、楽しそうにやっていたので、とても良かったです」

研修が終った後に、研修担当者の方からこうした感想をいただくことがよくあります。研修を担当させていただいた講師としてはとても嬉しい気持ちになりますし、好意的におっしゃっていただいていることに対しては、本当に有り難く思っています。

しかし、正直に言うとこの「楽しそうで良かった」という感想をいただくたびに、同時に少々複雑な気持ちにもなります。

もちろん、何を学ぶにしても楽しくないよりは楽しく学べた方がいいわけです。しかし、あまりに「楽しい」ということがクローズアップされて伝えられると、「楽しいことは本当に良いことなのだろうか」と考えてしまいます。

それは、どんなに「楽しい」研修であっても、それが実務で役に立たなければ研修として意味をなさないからです。

研修は終了後の効果まで含めて考えると、次の4つの状態を想定することができます。

A:楽しい研修で、ためになった。

B:楽しい研修ではなかったけれど、ためになった。

C:楽しくない研修で、ためにならなかった。

D:楽しい研修だったけれど、ためにならなかった。

一番望ましい状態は、もちろんAの「楽しい研修で、ためになった」です。反対にそういう研修はやらない方が良いというのが、Cの「楽しくない研修で、ためにならなかった」です。ここまでは異論のないところでしょう。

では、Aの次に望ましい状態は、Bの「楽しい研修ではなかったけれど、ためになった」なのか、Dの「楽しい研修だったけれど、ためにならなかった」のどちらなのでしょうか。皆さんは、BとDのどちらを優先すべきだと思いますか?

私は講演会ならばDもありえるとは思いますが、研修である以上はBを優先すべきと考えます。(研修と講演の違いについては、先日(4月15日)のブログで書いています。)

研修の中では、受講者に自分自身の仕事に対する考え方や取り組み方、スキルなどを冷静に振り返っていただきますし、演習やディスカッションでは主体的に「発話」することが求められます。

それらは、普段気づいていなかった自分に足りない部分を補い、良い部分をさらに伸ばすことを目的に行っているのです。それらはときに自己を厳しく見つめなおさなければならなかったり、ディスカッションでは自分の主張が示せなかったりするようなこともあるので、決して楽しいばかりではありません。

しかし、これらは実際の仕事の中で必要になり、また経験することもあるわけです。研修でこうした経験をしておけば、実務に戻ったときに役に立つことが期待できます。

そのように考えれば、研修担当者の方には、次のことをお願いします。受講者の様子が「楽しそうに見える」場合、本当にこの研修は実務で役に立つのかどうなのか、反対に受講者が楽しくなさそうにしている研修であっても、実務でためになる研修なのかどうか、ということです。

「楽しい」という感想をもらって安心してばかりはいられません。

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