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パワーハラスメントの歴史

2014年07月09日 | コンサルティング

「織田信長は究極の『サイコパス(PSYCHO-PASS)』だったのではないか」とは、脳科学者の中野信子氏の言葉です。「サイコパス」とは、他人への共感能力が欠如している人のことであり、人をモノのように道具として扱う人のことをいいます。

ご存知のとおり、織田信長は家臣の明智光秀が起こした謀反によって本能寺の変で「是非に及ばず」という言葉を残し自害しています。

現在放映中のNHK大河ドラマ「‎軍師官兵衛」も、次回13日はいよいよ「本能寺の変」が放送されます。

信長は徹底的な成果主義によって家臣に成果を求めたと言われています。光秀も当初は信長の期待に応えるべく、比叡山の焼き討ちをはじめ数々の虐殺などおぞましいことをやってのけていましたが、働きの悪い別の家臣が高野山に追放されるなどの厳しい仕打ちを見聞きし、いつかは自分も使い捨てにされることを恐れ、時期を待たずに謀反という策に出たのではないかと言われています。

さて、本能寺の変の原因?となった信長の所業ですが、これは現代で言うところの「パワーハラスメント」であり、織田家はさしずめ「ブラック企業」と言えるのかもしれません。極端な成果主義・実力主義によって疲れ果てて成果を出せなくなった人は、使い捨てにされたのです。

弊社では、この2~3年「パワーハラスメント」や「叱り方」をテーマとした研修の依頼を受けることが多くなりました。職場でのパワーハラスメントが顕在化しているにもかかわらず、全く手を打たない、打てない上司がいる一方で、パワーハラスメントと誤解されることを怖れるあまり、「叱る」ことができない上司の存在も問題になっているのです。

これらはどちらも表面には見えない、もっと深いところに根がある問題であり、一朝一夕に解決できるものではないのでしょう。

信長に忠実で非常に優秀であったと言われている光秀でさえついには翻意し、上司への反逆に出たわけですから、パワーハラスメントは一方がやり過ごすことで解決できるほど単純なものではありません。

ですから、研修を通じて問題の根はどこにあるのか、どうすれば解決できるのかをしっかり考えて実践することが必要なのです。

もし、あなたに部下がいて、現在自分のしていることは「もしかしたらパワハラか?」と少しでも思い当たる節のある方は、そうした状況はやがて破たんする可能性があることを自らの肝に銘じておかないと、いつか、目の前にいる部下が光秀のように反逆にでるかもしれません。

ところで、歴史上信長を反面教師としたと言われているのは信長の後継者の豊臣秀吉であり、直江兼続だそうです。秀吉は信長の政策をほとんど継承しましたが、ただひとつ、殺戮と恐怖政治だけは受け継がなかったようです。恐怖ではいつまでも人を従わせることは出来ないということを学んだのでしょう。

光秀が本能寺を襲わず、信長が生きていたらどうなったか?想像すると興味深いですが、歴史に「たられば」はありませんから、誰にもわかりませんね。

(人材育成社)


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