人生≪拒止≫したくないのよね

常歩(なみあし)で行くことにしよう…
競馬中心からの脱却を4角過ぎの直線でネ
10年目に突入…

2017年 一番驚いた科学事項「マクスウェルの悪魔による発電」

2017年12月29日 | 理科学系(復習も兼...
◆マクスウェルの悪魔による発電

150年以上前から議論されていた思考実験なんですね・・・

思考実験
実際に実験を行わず、頭の中で実際にはあり得ない設定をして妄想を重ねること
→妄想は言いすぎかな…

スコットランドの物理学者ジェームズ・クラーク・マクスウェルが考えた思考実験で
「こうすれば熱力学第2法則は破れるんじゃね?(多分…)」という思考実験を発表したんですね
熱力学第2法則で
冷気と暖気が触れ合うと、熱は必ず熱い方から冷たい方に流れる
→エネルギーの流れる方向に関する性質
はすぐに思い出せたのだが…

で、これをNTTは無秩序な方向に動く電子を観測し、一方向に動く電子のみを選り分けて電流を
流して電力を発生させる事に成功したって言っている・・・
→電子を熱ノイズとしてその(熱)ノイズを一定方向に動くものを集め、電気を発生さることに成
  功したと・・・

もっと簡単に表現すると
電気を電熱器で熱に変化できるが、電熱器の熱から電気を取り出すのは出来ないと考えられて
いたが、熱を電気に変換できたって言っている???

ブログ主の解釈としては
分子レベルで見れば温度差があり、その温度の高いものを選択的に通すフィルター機能を用いて、
電位差を生じさせ電気に変換することができたと解釈するのだが・・・
→シリコントランジスタ(マクスウェルの悪魔)で高エネルギー電子を交通整理して電位差から
  電気を得た…

こんなレベルの解釈になってしまうのだが、良いのだろうか???

NTTの報道発表資料は以下の通り
(報道発表資料)
2017年5月16日
熱ノイズを選り分けて電流を流すことに成功
~マクスウェルの悪魔による発電~
 日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:鵜浦博夫、以下 NTT)は、トランジスタ※1内でランダムな方向に動く電子(熱ノイズ)を観測し、一方向に動く電子のみを選り分けることで電流を流し、電力を発生することに成功しました。これは、熱力学分野で長年パラドックスとして議論されていたマクスウェルの悪魔※2の原理を利用することで実現したものです。
 熱ノイズは無秩序な電子の動きであり、電子の動きを平均化すると、どの方向にも動いていません。一方、電流は一定の方向への電子の流れです。通常、外部電源などを用いず、無秩序な熱ノイズから、電流という秩序性を持った動きを生み出すことは不可能です。しかし、もし個々の電子の動きを観測し一定の方向に動く電子のみ選び出すことができれば、電流を生成することができるはずです。この、電子を選び出す作業をするのが「マクスウェルの悪魔」と呼ばれるもので、150年以上前に思考実験として提案されました。しかし、実際に「マクスウェルの悪魔」を実現することは困難であり、これまでの実験は基本的な原理実証に留まっていました。
 NTTは、トランジスタ内の電子一個の動きを観測し、その結果に基づいてトランジスタを操作する技術を用いることにより、電流を生成することに成功しました。これにより、初めて「マクスウェルの悪魔」を利用した熱ノイズからの電力の生成が実現できました。ここで得られた知見は、電子デバイスの消費電力の下限や、生体中の微小な熱機関におけるエネルギー変換効率と深く関係しており、これを利用することにより、新たな高効率デバイスの創生に繋がると期待されます。
 この成果は、2017年5月16日(英国時間)に英国科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)」オンライン版で公開されます。
研究の背景
 通常、熱ノイズのような無秩序な動きから、外部電源を用いずに、電流のような秩序を持った動きを生み出すことはできません(熱力学第二法則※3)。個々の電子の動きを観測して選び出すマクスウェルの悪魔は、この熱力学第二法則を破っているように見え、150年以上議論が続けられてきました。その結果、マクスウェルの悪魔が電子の動きを観測して、その情報を得る際にエネルギーが必要であり、これが電流を流す電源としての役割を果たし、熱力学第二法則を満たすことが分かってきました。この知見は、1ビットの情報を得るためには一定の量のエネルギーが必要であり、逆に1ビットの情報を持っていることにより最大でその量のエネルギーを生み出すことができる、ということを意味しており、情報とエネルギーを結びつけた情報熱力学へと発展しています。情報熱力学は、電子デバイスの電力の下限や、生体中の微小な熱機関におけるエネルギー変換効率と深く関係していることが知られており、これを利用することにより、新たな高効率デバイスの創生に繋がると期待されます。
 マクスウェルの悪魔の原理を利用して熱ノイズから電力を生成するには、熱運動している電子を正確に観測すること、観測して得た情報を使って電子を選り分けること、そして選り分けた高いエネルギーを持った電子を外部に取り出すことが必要です。しかし、実際にこのようなデバイスを作製することは困難で、これまでの実験的研究は電子を選り分ける段階に留まっており、電力を取り出すことはできていませんでした。
研究の成果
 今回、NTTは、ナノメートルスケールのシリコントランジスタから成る単電子デバイス※4(図1)を用いて、熱ノイズから電流を生成することに成功しました。生成された電流を使って、別のデバイスを駆動することが可能であり、マクスウェルの悪魔の原理を利用した発電が実現できたといえます。
行った実験の説明
 実験では、2つのナノメートルスケールのシリコントランジスタを用いて形成した電子箱を利用しました。電子箱の入口側と出口側のトランジスタをオン・オフすることで、電子箱の入口側の扉(入口扉)と出口側の扉(出口扉)を別々に開閉することができます。電子箱中の電子数は、その近傍に作製された検出器の抵抗を測定することにより、リアルタイムで検出できます。
 マクスウェルの悪魔の動作は以下の手順で実現しました(図2)。
1. 入口扉を開けて、入口と電子箱の間における電子のランダムな熱運動を観測する。
2. 電子が電子箱に入って来たときに、入口扉を閉めて、電子箱に電子を閉じ込める。
3. 出口扉を開けて、電子箱と出口の間における電子のランダムな熱運動を観測する。
4. 電子が電子箱から出て行ったときに、出口扉を閉めて、出口へ電子を追い出す。
 この1—4を繰り返して電子を1個ずつ入口から出口に移動させることにより、電流を生成できます(図2)。通常、電流は電位差で決まる向きに流れますが、エネルギーの高い電子を選り分けることにより、電位差を登る向きに電流を流すことも可能です(図3)。

図1:デバイス構造
左図はデバイス構造の模式図、右図はデバイス構造をマクスウェルの悪魔の操作と対応させた模式図です。ナノメートルスケールのシリコントランジスタは電子の動きをオン・オフする扉として利用されます。電子は、平均として電位差で決まる向き(高い方から低い方)へ移動しますが、電子1個のレベルで見ると、電子は熱ノイズによってランダムに熱運動しています。この熱運動は、検出器用トランジスタの抵抗の変化を測定することで観測できます。


図2:マクスウェルの悪魔の行う操作
マクスウェルの悪魔は、検出器を用いて熱ノイズによる電子のランダムな熱運動を観測し、その結果に応じて入口扉と出口扉を開け閉めします。



図3:マクスウェルの悪魔による発電
左図はマクスウェルの悪魔による発電の模式図です。熱運動している電子の中からエネルギーの高い電子を選り分けて出口に送り出します。出口に送り出された電子の持っているエネルギーは外部に取り出して電力として利用できます。
右図は電位差に対する電流です。電位差の正負は入口に対する出口の高さを表しています。青破線はマクスウェルの悪魔が存在しない場合に予想される電流で、電位差が-のときにだけ電子が入口から出口に向かって流れます。対して、赤実線はマクスウェルの悪魔が存在する場合に予想される電流で、電位差の正負に関係なく、電子が入口から出口に向かって流れます。黒丸は実験結果で、マクスウェルの悪魔が存在する場合に予想される電流と類似する振る舞いを示しました。また、電位差が+のときには、通常とは逆方向(電位差を登る向き)に電流が流れているため、発電が起こっています。
技術のポイント:シリコン単電子デバイスの集積化
 マクスウェルの悪魔を実現するためには、電子一個の精度で正確な観測を行える検出器と正確に開閉できる扉が必要です。NTTでは、ナノメートルスケールのシリコントランジスタを用いて、電子をひとつひとつ観測・制御する技術について長年研究を重ねてきました。これまでの研究で、ナノメートルスケールの非常に小さな電荷検出器を作製し、室温で電子をひとつひとつ検出することに成功しています。また、電子一個を間違いなく閉じ込めておけるシリコントランジスタを作製する技術を利用することで、正確な扉の開閉を実現できています。これらの機能を、ひとつのシリコン単電子デバイスにまとめあげることで、熱運動する電子を選り分けるマクスウェルの悪魔を実現することができました。
今後の展開
 ここで得られた知見は、電子デバイスの消費電力の下限や、分子モーター※5などの生体中の微小な熱機関におけるエネルギー変換効率と深く関係しています。分子モーターではマクスウェルの悪魔が活躍しており、熱ノイズのランダムな運動を利用しながら適切なタイミングで動作し、高いエネルギー変換効率を実現していると考えられています。電子デバイスにおいても、生体の仕組みを利用した、高効率な動作の実現を目指します。
論文掲載情報
Kensaku Chida, Desai Samarth, Katsuhiko Nishiguchi, and Akira Fujiwara
“Power generator driven by Maxwell’s demon”
Nature Communications (2017).
用語解説
※1…トランジスタ
電気信号のスイッチや増幅を行うことのできる半導体デバイス。今回は、シリコン上に絶縁膜(シリコン酸化膜)を介して形成されたゲート電極に電圧を印加することによりシリコン中に流れる電流をオン・オフさせる、電界効果トランジスタを利用しています。
※2…マクスウェルの悪魔
1867年頃にイギリスの物理学者マクスウェルが行った思考実験に登場する分子の熱運動を観測して、分子を選り分けることのできる存在。今回は、電子の熱運動(熱ノイズ)を観測して、電子を選り分ける悪魔を実現しました。
※3…熱力学第二法則
自然に変化する方向に関する法則。熱は高温側から低温側へ流れ、不均一なものは均一になり、秩序立ったものは無秩序になります。この変化の方向に逆らうためには、外から仕事を加えなければなりません。
※4…単電子デバイス
電子1個の精度での操作や検出が行える電子デバイス。
※5…分子モーター
細胞内で様々なエネルギーを機械運動に変換して生物の活動を支えている分子。筋肉が動く時や食物からエネルギーを産み出すときに重要な役割を担っています。熱ノイズのランダムな運動に応じて適切なタイミングで動作することで、非常に高いエネルギー変換効率を実現していると考えられています。
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反物質消滅の証拠の発見?!ノーベル賞受賞できる??

2016年08月14日 | 理科学系(復習も兼...
反物質が消滅した証拠を発見すればノーベル賞!?

小林・益川両博士は物質と反物質の性質の違いがあることを素粒子クォークで
提唱し、実験で証明されたが、ニュートリノでは未解明となっていた。
で、
『ニュートリノでも起きている兆候を見つけたと、8月7日(日本時間)にア
 メリカのシカゴで開催される高エネルギー物理学に関する国際会議(ICHEP)
 にて公表するに至った。』と6日に発表された。

http://t2k-experiment.org/ja/2016/08/t2k-cp-violation-search-results-presented-at-ichep-2016/
⇒「T2K」のホームページにジャンプ

高エネルギー研究所って我々の時代には存在していない!!
1997年に創立され「KEK」って略称で呼ばれている。
前身の Kou_Enerugii_Butsurigaku_Kenkyūsho のローマ字略を引き継ぎ
今はKou_Enerugii_Kasokuki_Kenkyū_Kikōってことなんですね。
略称は【KEK:ケック】
英称:High Energy Accelerator Research Organization

で、『T2K実験』で
【2014年より反ニュートリノを生成する実験を開始し、2016年5月ま
 でに、ニュートリノデータとほぼ同量の反ニュートリノデータを得ることが
 できた。(発表資料から)】とのこと
また、7月にもロンドンで開かれた第27回ニュートリノ国際会議
(NEUTRINO2016)でも現象を報告していたんですね。

『T2K』もローマ字?!
(Toukai to Kamioka:東海-神岡間長基線ニュートリノ振動実験)のローマ字
略なんですね。なんだか、好感が持てるネーミング・・・

◆なぜ実施したのか
反物質と物質がまったく同じ量だけ存在していたら、全て対消滅をして物質も
反物質も無くなってしまうらしい。
宇宙誕生時は物質も反物質も同数だったと考えられており、なぜ全て消滅せ
ずに物質だけが残り、現在の宇宙を形成したのか?
その原因が解明されていないから。

◆反物質
私たちが認識している宇宙に存在する物質の性質と反対のものが反物質。
で、物質は原子からできている。
突き詰めると
・物 質:Matter   :原子核(+)と電子(-)
・反物質:Anti-Matter:原子核(-)と電子(+)

反物質が存在していたなら物質と反物質が結合し「大爆発」が起こり
地球(宇宙)そのものが無くなってしまう・・・
アインシュタインの E=MC^2(^2は2乗)
の「とてつもないエネルギー※1」だ。

◆T2K実験て何だ?
茨城県東海村---295Km(直線距離)---岐阜県飛騨市神岡町

           1000m
             ↑(上方円弧で)
            海抜0m
ビームは地球の弧があるので地表から1000m(最深部)下を通過
          
茨城県東海村⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒岐阜県飛騨市神岡町
        物質の素粒子を発射

茨城県東海村⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒岐阜県飛騨市神岡町
        反物質の素粒子を発射

「J-PARC」から「スーパーカミオカンデ」に2種類のニュートリノビームを
発射して地下を通過中にミュー型から電子型に変身する現象に特化し、粒子と
反粒子の違いを調べた。

◆結果は
 地下を通過中にミュー型から電子型に変身する現象で、粒子と反粒子の違い
 が発生していることを確認できた。
 【今年5月までの約6年間のデータを分析した結果、変身現象が起きる確率
  に差があることを確認した。2014 年から2016 年5月までの反ニ
  ュートリノビームを生成した期間に、「CP対称性の破れがない」と仮定
  した場合の反電子型ニュートリノの予想出現数は、約7個でした。それに
  対して、スーパーカミオカンデ検出器での実際の観測では、4個の反電子
  型ニュートリノしか観測されませんでした。また、原子炉ニュートリノ実
  験の結果も用いて推定した「CP対称性の破れがない」と仮定した場合の予
  想と比較し、電子型ニュートリノ出現現象に現れた「CP対称性の破れ」の
  大きさを測定しました。その結果、「ニュートリノと反ニュートリノで電
  子型ニュートリノ出現が同じ頻度で起きる」という仮説は90%の確率で
  棄却されました。すなわち、「ニュートリノと反ニュートリノで電子型ニ
  ュートリノ出現が同じ頻度では起きない可能性が高く、CP対称性の破れ
  ※3がある」ということが示唆されました。(発表資料から)】

◆だから??
宇宙誕生のビックバンの直後には、同量の物質と反物質が生まれたが、その殆
どが対消滅したが、微かな対称性の違いから物質が消滅を免れて残り、現在の
宇宙を形成したと言われている。※2
☆反物質が宇宙から完全に消滅したメカニズムは解明されていない☆
☆今回、解明される期待度が高い実験観測結果が得られたってこと☆

同じ振る舞いをすると思われていた物質と反物質が、実は違う振る舞いをする
ので、物質と反物質に差が生まれたという考え(CP対称性の破れ)が生まれ、
PC対称性の破れを証明する可能性があるってことみたい。

新しい発見がなされ、この「とてつもないエネルギー」を活用できれば、人類は
エネルギー問題から解放される。
【ただし、「人間がコントロールできれば」の条件が付くと思われるが…】

---------------------------------------------------------
※1:「とてつもないエネルギー」
粒子と、反粒子が衝突すると、量子数が正と負で打ち消しあって”0”になり、
物質が無くなりエネルギーだけの真空と同じ状態になる。
その結果、粒子と反粒子が持っていたエネルギーだけが残る。
アインシュタインの
E=MC^2(^2は2乗)
によってE(エネルギー)とMC^2(質量)が等価であることから、粒子と
反粒子が同じ質量を持つと考えると、そこには2MC^2のエネルギーが残さ
れることになる。
→これは、静止した状態で物質と反物質が接触した場合
 加速された粒子と反粒子が正面衝突して対消滅した場合には、消滅した点には
 さらに高いエネルギーが集中して残される。(運動エネルギーもプラス)

・もう少し(計算上の)実例で詳しく「とてつもないエネルギー」を整理しよう。

1g(グラム)の反物質が対消滅により反応したと仮定すると
1g同士の作用なので質量は2gになり2gの物質がエネルギーに変わる
ことを下記の式に当てはめ計算
E=MC^2
E=エネルギー(単位:J:ジュール)
M=質量(単位:kg)
C=定数(光速:3.0×10^8)
E=0.002(Kg)×C^2
 =1.8×10^14(J)---(1)
まだ、イメージができない…
trinitrotoluene(略称TNT:トリニトロトルエン)が火薬の主成分となる
爆弾の威力に換算する
⇒爆薬の爆発などで放出されるエネルギーを等エネルギー量のTNTの質量に換算
 ⇒1カロリー =4.184Jで定義される熱力学カロリーに従い、
  1TNT換算トン=4.184×10^9J
広島に落とされた原子爆弾(リトルボーイ)は、TNT換算で約15キロトン
⇒4.184×10^9J×15×10^3=6.276×10^13J---(2)
2gの対消滅エネルギー(1)÷広島原爆エネルギー(2)
 =1.8×10^14(J)/6.276×10^13J≒2.8680
たった2グラムで広島原爆の約3倍の爆発力にも匹敵!!
JR山手線の内側がたった2gで消滅してしまうんですね。

------------------------------------------------------------
※2:反物質は消滅したとあるが、反粒子(反ニュートリノ)は作れるのか
真空の1点に2MC^2以上のエネルギーを集中させると、そこから粒子と反粒
子の対を取り出すことができる。
高エネルギー衝突型加速器は、この方法を使って反粒子を生成している。

※1と※2をそれぞれ「対消滅」「対生成」とよぶ。

-----------------------------------------------------------
※3:PC対称性
Cは荷電共役変換:charge conjugation:粒子を反粒子へ反転する
Pはパリティ変換:parity transformation:物理系の鏡像を作る
粒子と反粒子を同等と考える対称性。粒子をその反粒子に置き換えても、同時に
空間座標の向きを逆にすれば同じ法則が成り立つことをいう。(知恵蔵2015から)

粒子と反粒子でそれを支配する法則が違う点が重要なんですね。
この「違い」を「CP対称性の破れ」と呼んでいる。
これが解明されようとしているんですね。

『CP対称性の破れ』は、1964年にジェイムズ・クローニンによる「中性K中
間子の崩壊の観測」でCP対称性の破れが発見され、その現象を小林誠博
士、益川敏英博士が理論化。
3人はノーベル賞を受賞。

-----------------------------------------------------------
対称・・・鏡の世界も復習しておきますか…
「いつ復習するんだよ」ってツッコミに対するAns.は
『そのうちに…』ってことに…
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壊れた「ひとみ」(ASTRO-H)が凄いデータを観測していた!!

2016年07月20日 | 理科学系(復習も兼...
ウ~ン、競馬以外のUPは約2か月半ぶりかぁ~

X線観測衛星「ひとみ」ASTRO-H頑張れ!!をUPしてたんだ
残念なことに、運用を断念ってことで大気圏突入で消滅・・・

こういう書き方は??だが、すごく簡単に書くと
【姿勢を立て直すために姿勢制御装置を動作させたんだけど、実際には
 衛星は回転していないのにかかわらず、逆に回転に加速してしまうプ
 ログラム設定になっていた…人為ミスでした…ゴメンなさい】
ってことで、奥村直樹理事長、遠藤守副理事長とJAXA宇宙科学研究所長
の常田佐久理事ら役員3人を厳重注意処分にし、7月から給与1/10を
4カ月間自主返納するとのこと
→プレス発表されているのだから名前書いても問題ないと思うけれど…
 結構厳しい処分を出したのね

でも、研究とか、技術開発って失敗から学び、次のステップに進むのだ
から、これで変に失敗が許されない雰囲気にならないでほしいのだが…

でもね・・・壊れた「ひとみ」が凄いデータを観測していた!!

◆時系列を整理
 ・2月17日:打ち上げ
 ・2月24日頃:観測装置を立ち上げ
 ・2月29日:クリティカル運用期間終了
        衛星の一連の健全性を確立するまでの期間
        (衛星の制御機能、装置の動作、地上との通信機能など)
 ・3月1日頃:キャリブレーション観測
          (観測機器の特徴を把握し、観測精度を高めるために、
          これまでによく観測されてきた天体などを観測すること)
          試験観測:230,000秒(64時間弱)
 ・3月26日:通信途絶
ってことは約3週間の衛星稼働の成果が「凄いデータ」ってことになる!!

◆何を観測したのか、どのような装置で観測したか
 ・ペルセウス座銀河団を観測
 ・軟X線分光検出器「SXS(Soft X-ray Spectrometer)」

◆何故、ペルセウス座銀河団なのか
 ・ペルセウス座銀河団の中心には巨大なブラックホールを持つ電波銀河
 (NGC 1275)がある。その周辺には高温ガスが漂っている。
  NGC:New General Catalogue (7,840個の星雲、星団や銀河などの天
    体が載っている天体カタログ)
 ・ペルセウス座銀河団はこれまでに数々の観測が行われており、多くの
  X線データが蓄積されている。
 ・銀河団から光速に近い高エネルギー粒子の絞られた流れが放出されて
  いる。(宇宙ジェトと書いてあるものが多い)
 ・「すざく(ASTRO-EII)」で観測したデータも蓄積してあるので、比較
  できる。
 ・X線天文学の重要な研究テーマの一つである光速に近い高エネルギー
  粒子が、周囲に広がる5000万度以上の高温ガスにどのような影響を及
  ぼしているか解明したい。
  
「すざく」の観測装置:XIS (X-ray Imaging Spectrometer)
           X線CCDカメラで、0.2-12 keVのエネルギー帯域を
           カバー、 中心エネルギー分解能は130 eV
「ひとみ」の観測装置:SXS(Soft X-ray Spectrometer)
           0.3keVから600keVまでの広帯域をカバー
      ☆多分あっていると思う…
◆何がすごいのか!!
 ・銀河団中心部の高温ガスの運動を初めて測定することに成功!! 
◆これまでの仮説
 ・銀河団中心部で巨大ブラックホールから吹き出す宇宙ジェットの影響
  で高温ガスはかき混ぜられて乱れた状態なのではないか
◆観測結果
 ・ガスの乱れた運動が意外に小さいことが観測データから得られた。
  観測の結果、銀河団の中心部で巨大ブラックホールから吹き出す宇宙
  ジェットは高温ガスとぶつかり、高温ガスを押しのけているが、その
  結果として作り出されるガスの乱れた運動は意外に小さかった。
  →(JAXAの発表から)観測データから銀河団の中心から10万~20万光年
   の範囲では、高温ガスの乱れた運動の速さは秒速164±10km(視線方
   向の成分)と見積もられた。この運動が発生する圧力は高温ガスの熱
   的な圧力の4%に過ぎない、予想を下回る低い値である…とのこと。
   ☆ガスに含まれる特定の元素(この場合は鉄だったらしい)を測定し、
    ドップラー効果でわかるんですね。
    ⇒赤方偏移(せきほうへんい、redshift):主に天文学において、
     観測対象からの光(可視光だけでなく全ての波長の電磁波
     を含む)のスペクトルが長波長側(可視光で言うと赤に近い方)
     にずれる現象を指す。観測者に対して遠ざかるような運動。
    ⇒青方偏移(せいほうへんい、 blue shift):赤方偏移と同様
     の原理の逆。近づく光源からの光が短波長側へずれること。
【宇宙ジェットの影響はあるものの、その影響は小さいってことみたい】
ってことが分かった!!

◆その他
 ・X線天文の研究者はこれを見て、
 「Helium-like ironのKα輝線が分かれて見える!」と驚くらしい・・・

◆まとめ
ペルセウス銀河団は銀河系から約2.4億光年先にある。銀河団の中でも
特に近くて、X線で観測しても目立つ銀河団である。
その中心部には超巨大ブラックホールを有する銀河NGC1275があって、これ
が銀河団内へジェットエンジンのようにガス噴射している(宇宙ジェット)。
ジェットのようにガスを噴射しているのだから、ペルセウス銀河団の中心
部は、ジェット噴射がぶつかったり、衝撃波を生じたり、熱が発生したり、
大変なことが起きているに違いないと考えていた。
しかし、今回判明したのは、銀河団中心から10万~20万光年あたりで
は銀河団の中はいたって静かだった。
⇒周囲のガスは、ジェットにかき混ぜられて秒速千キロで動くと予測され
 ていたが160キロ前後だった。

◆だから??
「クーリングフロー」という考え方があり、銀河団は重力的に束縛された
系としては宇宙最大の天体であり、その強い重力場によって引き寄せられ
た銀河間ガスは、重力エネルギーが転化した熱によって1億度もの高熱に
なり、X線で輝くことは良く知られている。
X線放射によるエネルギーの消費が行われ、高温状態がたもてないはずで
ある。何も加熱源がなければ中心部の高温ガスはどんどん冷えて縮んでし
まうはず。そうするとそこへ周囲からガスが流れ込むだろうって言う考え。
→数十年に渡り「常識」とされている学説。

この学説に??が付いたことになるんですね。
・いったい何が中心部の高温ガスを高温に保っているの?
・クーリングフローってそもそも存在するの?
 →いったい、どうなっているんだ??

こんな感じになるのだが・・・
⇒多分、正しくはないかもしれないが、誤りではないと思う…

プレスリリースの資料は下記のアドレスで見られます。
【意外に静かだったペルセウス銀河団の中心の高温ガス】
http://www-x.phys.se.tmu.ac.jp/home/wp/wp-content/uploads/2016/07/TMUプレスリリース160707.pdf
 



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X線観測衛星「ひとみ」ASTRO-H頑張れ!!(備忘的に)

2016年04月24日 | 理科学系(復習も兼...
◆X線観測衛星「ひとみ」(ASTRO-H)
 3月28日から通信が途絶えてしまったようだ…
 なんでも「かに星雲」から「活動銀河核」へ、望遠鏡の向きを
 衛星ごと変更し、姿勢制御は成功したように思えたが、姿勢
 変更に伴って誤差を修正しなくてはならいとのこと。
 この誤差修正データが間違っていて、衛星自体が回転してし
 まっている状態で、この回転によって、11個くらいの物体に
 分離してしまっている模様…
 分離してしまった11個の物体のうち2個が落下の速度が速
 いらしく
(2016年4月14日時点の軌道に基づく)
 •41443: 2016年4月29日
 •41438: 2016年5月10日
 に再突入予測とし、大気圏中で燃え尽きると推定している。
 衛星が回転しているのだが、衛星の制御装置は自身が静止
 状態と判断してしまっている状況と推測している。
 
 なぜ、このような状態になったか…
 衛星には色々な姿勢制御装置があって、星の位置をつかって、
 正確に衛星の向きを決めているそうだ。
 カーナビの例のように地球の影に入って星の位置を測定できて
 いない状態から、地球の影を抜けた時点で誤差修正のため姿
 勢制御エンジンを噴射したがそのデータが誤っていて回転して
 しまったのが原因と読み取れたのだが…
 【JAXAのホームページから要約してみたが、多分、合っている
  と思う…http://www.jaxa.jp/index_j.html】
 
 ≪カーナビの例≫
 車のカーナビで運転していて長いトンネルを抜けた瞬間GPS
 信号を受信するとGPS信号に従って、走行位置表示を修正す
 るのと同じなのだという…
 →走行距離データで位置表示していたのがGPS信号によって
  位置表示が修正さるということらしい。

通信の復活を望むしかないが
元来、楽観的な性格なので「データの誤り」が原因ならばジャイ
ロスコープ(センサかな?)が制御できれば修復は可能じゃない
かなって・・・通信は衛星との生命線なので復活は必須条件!!

『はやぶさ』の実績もあるし、金星探査衛星「あかつき」も
2010年12月7日に金星軌道投入失敗したが
【Fault Tree Analysis】
で故障分析し2015年12月7日に金星周回軌道に乗せ
ることができた!!

日本の姿勢制御班(技術陣)の踏ん張りどころ!!
頑張れ、にっぽん!!
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ガンマ線バーストからのLinkage…

2016年02月21日 | 理科学系(復習も兼...
ガンマ線バーストを書いていて全然関係ない記憶がよみがえって
きたんだが・・・

やたら物理で「フェルミxx」みたいな用語が出てきたことを思い
出した
・フェルミ推定
・フェルミ粒子(Fermion)
  →電子、ミュー粒子、ニュートリノ、陽子、中性子
・フェルミ相互作用( Fermi interaction)
  →フェルミのベータ崩壊の理論
   →弱い力
・フェルミウム(原子番号100:Fermium)
・1フェルミ(10のマイナス15乗メートル)
  →SI接頭辞は【fm:フェムトメートル(femtometre)】
  →1Y:1yukawa(湯川秀樹博士に因んで)もあったね…
・エンリコ・フェルミ炉(高速増殖炉試験炉)
  →1966年10月に原子炉の炉心溶融が発生したのが原子炉
   事故の第一号なんだとか…
等々浮かんできたが
その中でもフェルミ推定…
「見当もつかない物量を推定」する方法論には泣かされた思い出が…

東京にネズミがどのくらい生息しているか推定しなさい
地球上の砂浜の砂は何粒あるか推定しなさい
的なケース・スタディーが出題されたような
→適切な前提条件(データ)が揃えられなくて
 と、言うよりは何を前提にすればよいか分からなかった…
って、言うか…
答えようのない問題に回答せよって…


で、「Fermi paradox」は感慨深い…
『宇宙には沢山の生命体が存在し、知的生命体も多数あると考えら
 れるのに、なぜ地球に飛来した痕跡が無いのか』
宇宙人って本当にいないのだろうか?
UFOの存在を信じているのだが
→見たことがない…
→M78星雲にある「光の国(ウルトラの星、ウルトラの国)」の方々の
 ウルトラマン、ウルトラセブン、ウルトラの父、ウルトラの母、ウルトラマンタロウ
 みんなUFOには乗っていなかった…


唐突にもう一つ
プリズム(prism)って、日本語訳は三稜鏡(さんりょうきょう)
三稜って辞書を引くと
「稜 (かど) が三つあること」
「三角」
ま、形から想像すればプリズムって三角柱なので、然もありなん…


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