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柳瀬氏に対する愛媛知事の批判は正論

2018年05月13日 | 政治

 

地方重視というのに知事批判の愚 

2018年5月13日

 柳瀬・元総理秘書官が参考人質疑で述べた発言に対し、加計学園(今治市)を誘致した中村愛媛県知事が「真実を語っていない」と、痛烈に批判しました。長期政権を支える官邸官僚に、県知事が何度か真っ向から批判するのは異例です。加計学園誘致の舞台裏の複雑さが読み取れます。


 県知事に批判的な国会議員、識者の声も聞かれます。愛媛県庁のホームぺージに記者会見の一問一答が詳細に掲載されています。これを読みますと、知事への批判はポイントがはずれており、知事の発言のほうが正論だと、考えるしかありません。国をあげて地方重視の時代というからには、「余計な発言だ」と黙殺せずに、県知事による耳の痛い発言を冷静に受け止めるべきです。


 原発問題で地元知事、野党系の議員らから、原発推進の政府に対する批判がしばし聞かれます。今回はなにか政治的な背景はあるのでしょうか。中村知事(58)の経歴を調べますと、愛媛県議一期の後、日本新党から出て衆議院議員に当選し、二度目は新進党から出馬し、落選しました。その後、松山市長を3期、務め、2010年に愛媛県知事に当選しました。父親は元松山市長でした。


 初の知事選は、前知事の加戸氏の後継という位置づけだったこともあり、自民、その他の各党の支援を受けました。知事選二期目(14年)は自民、民主、「みんな」が支援したことになっています。松山市長選に立候補(1999年)した時は、現職が自民、民主などのオール与党体制だったのに対抗し、中村氏は市民グループの後押しを受け、当選したとの解説を読みました。


知事は反自民、反加計でもない


 つまり反自民でもなく、革新系ということでもないのでしょう。多様な地方政界の経験を積んできた政治家といえるのでしょう。加計学園の誘致でも、愛媛県は開設地の今治市と協力を続けてきました。総事業費192憶円の半分にあたる96憶円を上限に今治市が補助金を出し、その3分の1を県が負担する形ですから、中村知事は反安倍政権でも反加計学園でないといえます。


 県庁のホームぺージを読みますと、「加計学園誘致は県が今治市の意向を受けて、バックアップしてきた。西日本には獣医師の拠点がない。公務員(職員採用)の獣医師の確保が難しい。獣医師会の岩盤(既得権益の死守)がある」と、指摘しています。


 そうした経緯を背景に「県も税金を投入するので、県行政への県民の信頼が非常に大切だ」と、強調しています。柳瀬氏の発言では、打ち合わせ会合に県職員がいたのか、いなかったのか分からない、何も話さなかったような扱いでした。知事は「職員は子供の使いではない。頭の中に、説明内容を頭の中に叩きこんで、メモなしで意見を述べた」と、怒りを表しています。


県政への信頼低下を巻き添え


 「県職員が(官邸側と)会ったか会わなかった会わなかったの問題を、ずるずる引きずらなければならないのか」とも述べています。実際に官邸での会合に臨み、名刺ももらっているのに、官邸側(柳瀬氏)に否定ないし、あいまいにされ、それが国会で野党の揺さぶりに合う事態を招いていることを憤慨しているのです。官邸側の都合で、県政に対する県民の信頼が揺らぐことを懸念しているのです。


 「野党のパフォーマンスの付き合うつもりはない」と知事は明言しています。官邸側が正直に計学園、県と市の担当者に合ったったと証言していれば、大事にならずに済んだ。柳瀬氏らがそう明言できなかったのは、首相周辺への慮りがあったからでしょう。それは官邸側の問題であり、県政を巻き込むなと、知事は考えているはずです。


 「会った、会わない」が新聞のスクープの対象になり、野党の攻撃対象になっているのは、本来なら些事で済む話です。ですから始めから、首相は「獣医学部新設は当然、知っていた。中立、公正に認可を審査をしてきた」と述べ、柳瀬氏も「県や市の関係者と会いました」と証言していれば、よかったのです。それができなかった理由はあるのでしょう。首相自身が説明するしかありません。


 官邸、中央省庁の力が強まる一方です。地方創生、地方重視とかを政権の看板にし、日本全体の活力を引き上げようとしている時です。政治の中枢を守ることがばかりに心を奪われず、「県政への信頼を守る」という地方からの声に耳を傾ける姿勢が必要です。

 


 






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