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子の虐待死対策に首相、知事が動く

2018年06月17日 | 社会

 

悲痛な反響が続々と

2018年6月17日

 東京都目黒区で女児が両親の虐待受け、やせ細り5歳で短い生涯を閉じました。この事件を「子を虐待死させた親は死刑に相当」(6月7日)としてブログに取り上げたところ、アクセス数、コメント数も異例の多さになりました。そこで再び「子の虐待死は親を死刑ーに多数の意見」(6月12日)として紹介しましたら、これにも貴重な意見が多数、寄せられました。そこで3本目を書くことにしました。


 子の虐待死に社会の関心が極めて高く、しかも私たちの周辺で頻発し、あまりにも痛ましい事件が続くからでしょう。小池都知事が都としての対策に乗り出すとともに、自治体をまたいで情報を共有できる体制の確立を政府に要望しました。安倍首相は関係閣僚会議を開き、緊急に対策を講じるよう指示しました。加藤厚労相は1か月程度で対策をまとめ、専門委で事件を検証するそうです。


緊急調査で虐待の洗い直しを


 この問題の根は深く、「緊急対策」と銘打ち、緊急に解決しようとしても、簡単にできるものではありません。「緊急対策」というのならば、せめて今現在、死の危機に直面している幼児、児童を早急に把握し、虐待する親から引き離し、1人でも2人でもいいから救いだすことです。


 ブログの見出し「親を死刑に」には、象徴的な意味を込めました。実態調査、虐待原因の究明、児童相談所や警察の対応システムの再点検、身も心も傷ついている幼児・児童の隔離後のケアの仕方、ボランティア活動を含めた民間の支援体制の確立が必要なことはいうまでありません。


 寄せられたコメントをいくつか紹介します。「小さな子供は親以外に頼れる人いない。警察や児童相談所に行けるわけでもない。だから虐待は絶対に許せない。あれだけ、酷い目にあわされても、父親や母親に好かれようと、一生けん命だった。亡くなった女児の結愛(ゆあ)ちゃんの反省文を読むと、本当に涙が出てくる」。「パパ、ママゆるして」という文章に綴られた叫びが社会全体にこだましました。


 「3歳半の男の子を育てているシングルマザーです。虐待死させた親の死刑は、賛成です。結愛ちゃんのニュースを見て、涙が止まりません。シングルマザーの私は育児と生活が大変で、心が折れそうになることもあります。わが子はかわいく、どんなことがあっても、守って成人させたい思っています。保育園の先生方に目をかけてもらい、助けられたこともあります」。こうして頑張っている人も多いのです。


法改正や担当者の増員を


 「5歳の子のメモで世論が動き、政治、行政が法改正に動いてくれますように。昨年末、4歳児を大人3人がなぶり殺しにした事件があった。3人は傷害致死での逮捕だった。幼児を大人が殴り続ければ、死に至る。傷害でなく、殺人罪を適用すべきだった」、「他人を傷つければ直ちに逮捕なのに、子供に同じことをしても、見逃される現実はおかしい」。法改正で厳罰を適用せよの声は多いですね。


 「死刑」については、「肯定すべきか否定すべきか、苦慮する」という声もあります。「極刑」だけでこの問題を解決できないからです。「児童相談所や警察は人手が足りないので増員する」、「児童相談所にもっと強制力のある権限を与え、面会を拒否できないようにする」、「夜間、休日の相談体制を強化する」といった具体的な提案もありました。


 「幼少期に親から暴力をふるわれた子供は、大人になると、自分の子に暴力をふるう。児童虐待は繰り返される歴史なのです」。「子供がいる女性が再婚して、相手の男性との間に子供が生まれると、先に生まれた子が虐待の対象となりやすい」という話も聞きました。どのような親が幼児虐待をするのか、家庭環境調査や精神、心理状態の分析も必要です。


 新聞記事によると、結愛ちゃんの虐待事件を、以前住んでいた香川県の児童相談所が「継続支援」の意味で、東京側の担当部署に伝えたのに、「情報提供、終結事案」と受け取ってしまい、間違った対応をしたとのことです。警察と児相の間の連携にも問題があるようです。多数、寄せられたコメントに込められた怒りの叫びを役所の担当者は熟読し、緊密な連携に努めてほしいですね。



 




 



 

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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2018-06-21 16:14:30
何か私たちにできる事はないのでしょうか。私にも5歳の娘がいます。毎日ふと自分の娘を見て、結愛ちゃんがどんなに辛い毎日を送っていたかと思い涙が止まらなくなります。毎日仕事中も思い出してしまい、涙してしまいます。朝娘の寝顔を見て、結愛ちゃんは5歳で1人で寝起きして、ましてや自分で目覚ましを4時前にかけて起きて勉強をするなんて、あの頃はまだ暗かったでしょうに、電気もなく暖房もなく、死亡当日は寝ていたからと暴行されたと、、、衰弱していてしんどかっただろうに暴行されて嘔吐を繰り返してどんなに辛かったかと思うと私は声が出る程泣いてしまいました。
隣の部屋では弟は甘い声で両親に可愛がられ、いい匂いのするご飯を食べていただろうに、
私の住んでいる市でも虐待を受けて保育所から児童相談所に通報され、4歳児の子がお家と施設どっちがいい?と聞かれ、施設がいいと言ったのでそのまま施設に行きました。結愛ちゃんも同じ質問をされ、施設がいいと答えたそうです。なのに、親に引き渡されこのような結果に。施設が必ずしも幸せではないかもしれないけど、子供は親しか頼れない、一番信頼している親からあのような虐待を受けて辛い毎日を送って死んでしまうなんてあまりにもひどい、殺人です。それが死に直結してなくても親のせいで死んだのですから殺人です。死刑です。結愛ちゃんのされてきた事を思えば死刑のほうが一瞬ですからそれでも軽いように思います。大人の殺人よりひどいです。たとえば襲撃されて一気に殺されるよりひどい。虐待死させたら親は必ず死刑になる。という法律ができれば、ハッと目が覚める親もいるかもしれません。何か変わって欲しいです。何かできる事はないのでしょうか。毎日涙が出ます。あの夫婦2人の親達はどう思っているのでしょう?こんな事になる前に何か出来なかったのでしょうか?無念でたまりません。
殺人に刑罰が無かったら (伊牟田勝美)
2018-07-13 18:27:24
中村様
殺人に刑罰が無かったら、あなたは殺人を犯すのですか?
或いは、殺人罪が存在せず、傷害致死罪でしか裁かれないなら、あなたは殺人を犯すのですか?

真っ当な人間であれば、罰に関係なく、殺人を犯すことはないでしょう。
そもそも、現在の法体系は複雑です。
国民全員が理解できるような構造にはなっていません。
だから、法と罰があるからその範囲内で行動するとの意識は、個人においては希薄だと思いますし、刑罰を考えながら行動することは、まずないでしょう。
だから、刑罰を重くしても、抑止効果はそれほど高まらないのです。
虐待を死刑に変えても、同じことです。


哺乳類のオスには、連れ子殺しの習性を持ちます。メスは、連れ子殺しをどこかで許してしまうところもあります。
悲しいかな、人類もこの習性が残っています。
子供の虐待の半数以上が実母であることからも、悲しい習性をうかがい知ることができます。
もちろん、普通の人は、連れ子殺しの習性より前に人としての常識的な感情(心)が働き、虐待はしないものですが、両親(特に養父)に心が弱い場合には、虐待になってしまうようです。

中村様は、『「親を死刑に」には、象徴的な意味を込めました。』と仰いますが、何を象徴したいのですか?


刑罰を死刑に変えても、抑止効果は高まりません。
また、人類の弱さが背景にある今回の事件では、虐待の対象が亡くなった両親は再犯の可能性は低いと思われます。
その両親を死刑にする目的は何ですか?
中村様は、「両親を死刑に」の言葉に、何を込めようとしたのですか?

人々の関心を集めるために「両親を死刑に」を象徴的に使ったと言うなら、政府や自治体の対応・対策は満足できる内容でしょうか。
これらの対策は、多少は虐待を減らす効果はあるでしょう。
ですが、もっと肝心なことを忘れています。
政府や自治体の対策で、子供は両親に可愛がってもらえるように変わるのでしょうか。
子供は、両親に可愛がられて育つものです。
一緒に笑い、一緒に涙し、褒め、時に叱り、子供に心を育てるのが、両親のやるべきことであり、親子の幸せではないでしょうか。

虐待を減らすことしか考えないから、「両親を死刑に」を象徴的に書くのではないですか。
私には、中村様が世論を自己主張の『道具』だとしか思っていないことを象徴しているようにも見えました。

ネットニュースにも寄稿されているようですが、非常に残念な内容です。
わざわざ中村様が書かなくても、多くの人が似たことを思っています。
タブロイドではなく、知識人として書かれるなら、もっと建設的な内容を拝見したかったです。


冒頭の一文を、もう一度、書かせて頂きます。
象徴的な意味を込めて!

中村様
殺人に刑罰が無かったら、あなたは殺人を犯すのですか?

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