Reading Digest 18

とにかく本好き。活字中毒者の備忘録です。

雨の9月末

2007-09-30 08:29:57 | Weblog
この本「頭がいい上司の話し方 (祥伝社新書 82)」は全般的にはイマイチ本ですが、「上司と部下の人間関係は仕事上の利害であって、好き嫌いではない」というくだりには納得。今までの日本の会社は殆どの人が終身雇用ってことで一つの会社で働いていたから、「会社はもうひとつの家族」、「上司と部下は親と子」という前提の下に、みんなで「いい人間関係」の維持に心を砕いていたように思う。とくに新入社員は、早く「人間関係」に適合するために、運動会に参加したり、花見の場所確保したり、バレリーナのカッコして白鳥の湖を踊ったり、それは大変だった(以上実体験に基づく)。でも最近は、人材の流動化が進み、転職も当たり前になってしまったので、組織価値観の同質化はありえない。その中では確かに、「全人格」を投入、埋没させるような組織作りはないわな。なんとなく違和感を覚えていた最近が腑に落ちた一節でした。やっぱり古い価値観が染み付いているなあ~(洗脳教育の賜物)

社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア創業者の経営論」パタゴニア創設者イヴォン・シュイナードの会社経営論。パタゴニアでは勤務期間中でもサーフィンに行けると聞くとひどく突飛な経営論だと勘違いしますが、内容は非常にまとも。本書にも書かれているように「社員をサーフィンに行かせよう」という精神は「フレックスタイム」や「ワークシェアリング」の考え方に他ならなし、CSRの概念もずいぶんと前から導入されている、それも昨今の「流行」ではなく。会社がアウトドアスポーツにおいて自分たちが必要だと思った製品を開発するというコンセプトに始まり、そしてそれが持続しているが故に、経営としても外からの押し付けではない実質的な施策を実行できるのだと思う。うーん素晴らしい会社だ。どっかの会社がいきなりなんの具体的ビジョンもなく「グローバル宣言」したのとは大きな違い。

NYから戻りました

2007-09-23 20:28:26 | Weblog
先週NYに行っている間にブログ開店ご祝儀コメント多数いただきまして誠にありがとうございます。映画とは異なり、雑食の本読みです。ちなみに今日はジョージ・クルーニー主演の「さらばベルリン」を観にいきましたがイマイチでした。「カサブランカ」のオマージュにはとてもとても。さて今週の読書は、

清宮革命・早稲田ラグビー再生 (新潮文庫 ま 31-1)」。早稲田ラグビー部再生の物語。それはあたかも企業再生のように新監督及びスタッフの熱いそして緻密なステップによってどんどんとチームが強くなっていく、そして最後は日本一に。そこでふっと思い出したのである、あの大学時代の野球部を。主将を務めた一年間、なすすべもなく負け続けたなあ~。一生懸命だったけど、今ならもう少しまともな戦いができたんじゃないかとちょっとほろ苦い思いも。

子供の頃からの夢は、どこか世界の見知らぬ国で、その国の国造りを手伝うこと。それは例えば明治時代に日本にやってきた、モースやクラーク博士のようなお雇い外国人。本国では無名でも、その国の礎になるような人が男の本懐と思っていました。その意味で本書「アフリカの瞳」はかつての夢を思い返す一冊でした。僕自身はまったく縁遠い分野にいますが、妻やその周りの友人たちが世界を相手にしてがんばっているのを羨望の眼差しで見ている今日この頃です。妻よ、どこに居ても応援してるよー。

9月第1週もうすぐNY!

2007-09-09 20:01:11 | Weblog
今週の1冊目は「ル・コルビュジエを見る―20世紀最高の建築家、創造の軌跡 (中公新書 1909)」。そういえば、子供の頃からコルビジェ、コルビジェと言われてきたが、どういう建築家というのは今日まで知らなかったなあ。今見るとごく普通に見える建築だけれど、それはそれだけ影響力があったということ。なぜこの構造かという建築の意図というものを大切に昇華させていった経緯がよくわかる本でした。日本の黎明期の建築家達がこぞってコルビジェのシンパになったのは、ある種の無駄を剥ぎ取る考え方が日本の風土に合ったからかも。しかし彼の設計した建物の多くが実用に適さず、雨漏りしてしまったというくだり、わかるなあ~。そうなのよ、建築家の設計はデザイン重視で生活から乖離すること多し。子供の頃から痛い目に会っておりました。

2冊目は「すべては一杯のコーヒーから (新潮文庫)」。三和銀行時代の生活が身にしみる。でもそこから脱却して、色々な苦難に立ち向かいながら見事に「タリーズコーヒージャパン」を創業、軌道に乗せたストーリーは読ませます。若干説教臭い部分もあるが熱いところはいいなあ。

8月最終週

2007-09-02 16:47:48 | Weblog
パオロ・マッツァリーノという人が書いた「反社会学講座 (ちくま文庫 ま 33-1)」。なにやらかつてのイザヤ・ペンダサン的匂いのする著者ではありますが、鋭くテンポの良い切り口で社会学を批評してます。世の中で正しいと言われる説、例えば「日本人は勤勉」、「最近の若者はキレやすい」等の命題におちゃらけ文ながらもデータを駆使してしっかりと反証していく展開にぐいぐい引き込まれました。うーん、学生時代にこの本があればもうちょっと真面目に勉強したかも。「社会学者の個人的な偏見をヘリクツで理論化したもの、それが社会学です」。そうだったのかあ~そういう気がしてたんだよなあ~。久しぶりに知的好奇心がくすぐられたいい本でした。

2冊目は「まわれ映写機」自伝的青春ものを書かせたらぴか一の椎名誠作品でしたが、できの悪さにがっかり。かつてのエネルギーがまったく感じられない。それと、時間構成のバランス悪し。この間読んだ椎名氏の近著(名前忘れた)もイマイチだったのだが、もしかしたらどこか体でも悪いのかしらん。思わず、昔の本「銀座のカラス〈上〉 (朝日文芸文庫)」を読み返してしまいました。

お盆明けの一週間

2007-08-26 14:21:47 | Weblog
お盆明けの一週間。ボーっとしておりましたがなんとか週末。

さてまずは「東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ (ちくま文庫)」。タレントの遥洋子さんがジェンダーの上野ゼミに入門(?)、厳しいゼミ生活に奮闘する物語。しかし、文字通り言葉の「ケンカ」のオンパレード。ジェンダーとはかくも激しい学問だとは。。。臨場感あふれる展開で、楽しくジェンダー論入門できました。しかし、最近ジェンダー本読む機会多いなあ~妻の影響か。

次は「憲法の力 (集英社新書 399A)」。お恥ずかしい話、憲法が国家を縛るもので、国民を規制するものではないと初めて知りました。そうなると今の憲法改正の議論は俄然怪しくなる。政府(国家)自らが積極的に憲法改正を行いたいというのは、まず自ら不利になるような改正はありえないわな。ましてや憲法第9条が焦点だとするとこれから慎重に見極めないとなあ。あまりにも無知なことがよくわかりました。

始めます。

2007-08-16 01:25:56 | Weblog
夫に代わって妻から始めのお知らせです。って、タイトルからテンプレートからぜ~んぶ勝手に作っちゃいましたけど。さらに読者は私以外にいるんだろうか・・・。

まぁ、いいや。本人曰く、毎月結構な数の本を読むのでこうやって記録していくことでそのとき感じたことなど振り返りたいのだそうです。ではでは、はじまりはじまり~。