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長登銅山跡

2014-06-02 22:34:00 | 山口県の史跡関係

秋吉台の近くにあって、存在は知っていたものの、なんとなく敬遠していた『長登銅山跡』。
たまたま前を通る機会があったので、ちょっと寄ってみました。

7~8世紀頃から採掘が始まり1960年の閉山まで、約1200年もの間、断続的に操業が続けられた歴史ある銅山。
ですが、本格的に発掘調査が始まったのは、平成になってからだそうです。
遺跡がある「大切谷」(上の写真の奥のほうです)は、長年の操業で出た精錬屑(スラグ)が数十メートルの厚さで堆積しており、現在までに調査が終わったのは全体の1~2%程度なんだとか。
これからの調査で、まだまだ新しい発見があるかもしれません。

これまでの調査で出土した木簡や土器、精錬に使用した道具などの一部が展示してある『長登銅山文化交流館』。
2009年オープンのまだ新しい施設で、入館料は300円だったかな?
中に入るとまず、銅山の歴史をまとめたビデオを、有無を言わさず見せられます(笑)

ぜひ見たかったのは、これ。
10年ぐらい前に見たNHKの番組で、奈良の大仏を造った方法を忠実に再現して、1/30のミニチュア大仏を制作する・・・というのがあったのです。
出来あがったミニ大仏(変な表現)は、当時の美東町に寄贈され、現在はここに展示してあるのです。
奈良の大仏も完成当初は金箔が貼ってあったので、まぁこんな感じではあったんでしょうが、こうやって見ると何か毒々しい色だな。

このミニ大仏もモチーフになったのか、長登銅山のゆるキャラ「こぶっちゃん」。
今年の秋開かれる「東大寺サミット」に向けて作られたそうですが・・・なんだかなぁ~。

館内には、説明板と共に大量の出土品がところ狭しと並んでおりました。
真面目に見ていくと、結構な時間がかかるかも。

さて、外に出てまず向かったのは、交流館の向かいの山にある「花の山公園」。
明治時代の精錬所跡です。

立て札の後ろあたりが、溶鉱炉跡。
わずかに、レンガ塀や土台が残っていますね。

並んでいるレンガの土台の上には、送風機があった模様。
明治期の精錬所ですが、西洋式の精錬方法ではなく、日本固有の吹床精錬法が使われていたそうです。

坑道の入口もありましたが、当然、立ち入り禁止。

溶鉱炉跡に近いところにある石垣は、下のほうが青い色をしていました。
銅が錆びた、緑青の色でしょうかね。

広場のあちこちで見られる、捨てられた精錬屑(スラグ)。
砲弾の頭のような形をしています。
これを砕いたものが公園全体に敷きつめてあり・・・というか、ここの土台そのものなのかな?

キラキラと玉虫色に光る石が、たくさんありました。
銅を採ったあとに残った金属でしょうけど、成分は何なんだろう?
これを使って、別の金属を精製するのは無理なんかな?

奥の斜面には、煙道の入り口と

その上のほうに、煙道そのものも残っていました。
煙道の表面をよく見ると、金属が溶けたような跡がありますね。
実は、スラグで作ったレンガを利用してあるんです。

日曜日だというのに、ワタシの他に誰も来ませんでしたが、何気に内容が濃かったな。
この「花の山公園」、廃墟っぽい雰囲気があって、気に入りました。
また、ちょうど草刈りをされた直後であったらしく、細かいところまで見れてよかったです。

最後に、車で大切谷の奥まで行ってみました。
行き止まりの場所に、車が数台停められる広場がありまして、ここから200mほど斜面を登っていくと、古代に銅を採掘した穴を見れるらしい。

時間もあまりなかったし、ただの穴を見てもしょうがないな・・・と思い、ここで退散しました。
ま、また時間があったら寄ってみよう。


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