60代の男のつぶやき

60代の男の行きつ戻りつ日記。バツイチオヤジの日常を過ごしていますが、なんて事のない日常を丁寧に楽しみながらの日記です。

ピアノへの思い

2011年12月25日 | 日記
昨日はピアノを処分した事を書きましたが
特別な想いがあるのは事実です。

私が小学校1年の時からピアノが習いたくてたまりませんでした。
母にお稽古に行きたいとお願いをしても
男は運動を習うもの、音楽は女性が習うものと言い張り
許してはくれませんでした。
まして、5歳年上の女性の姉が習わないピアノを男の私が習うとは
許せないとのこと。
自分が習いたいので、姉にピアノをやらないか聞いた事があります。
姉は「嫌だ」・・・八方塞がりです。
2年の時も3年の時もお願いして6年生まで習いたいと言い続けました。

その間、弟は野球をやり当時高級品だったユニホームを買ってもらい
柔道がやりたいといえば、塾の月謝や道着を誂えていました。
父のキャッチボールの相手を弟がして
僕の目の前で父がこずかいを渡していたのを見ていました。
私は、家の薪風呂の薪割りをしていましたから
てっきり自分もおこずかいを貰えるものと思いましたが
私は貰えませんでした。
母に言ったら「お前もチャッチボールをすれば良い」
父はチャッチボールが下手な私は相手をしてはくれませんでした。

中学に入りピアノを習う事は諦めましたが
自分でお給料をいただくようになったらピアノを習う事を決めました。
もっともお給料をいただく時は家にピアノの置き場が無く
仕方なくエレクトーンを習う事になりました。
友人のお兄さんに電気オルガンをお借りしました。

独身時代の夢は
嫁さんはピアノが弾ける人が良かったです。
子供にピアノを習わせ
家にピアノの音が聞こえるのが夢でした。
誕生日にはハッピーバースデーをピアノで弾き
残った家族が歌を歌う
そんな家族が理想でした。
家に音楽が流れる家族が夢でした。

一度、娘に誕生日に弾くことを頼んだ事があります。
娘は一瞬言葉を飲み込み、嫁さんの顔をのぞき込みました。
嫁さんはあきらかに否定の顔です。
お遊びにピアノを弾く事を厳しく禁じていたので
娘はレッスン以外に弾くことを嫁さんに聞いたのでしょう。
私は娘が可哀想なのでそれ以上やめましたが
つまらないピアノになってしまったことにガッカリしたものです。
ピアノの方向性が家族で変わってしまったことに気づいた訳です。

自分が弾けば良いかと何度かチャレンジしましたが
昨日も書きましたが
指の使い方が悪いとか
手の形が悪いとか、弾く度にさんざんな事を言われます。
おまけにグランドピアノは娘のピアノだから
アップライトを使えとか
ピアノへの想いが急速に萎えてしまいました。

今回ピアノの処分に悩んだのも小学校からの長いピアノへの
想いもありました
その想いとの決別を意味します。
苦しい家計の中で2台ものピアノを購入したこと
娘のレッスンには特別な先生を特別にお願いしてきたこと
ほぼグランドを入れる事を目的に新築した事
そんな事を考えると家からピアノが無くなる事は
新築の意味がわからなくなる位の事です。

また、新しい人生のスタートを切ったような想いです。
コメント
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