「『対立の炎にとどまる』読書会」。
総勢20名のサムライ業の方々にご参加いただき、12月まで、アーノルド・ミンデルさんのプロセスワークに関する学びと気づきを深める場として、いよいよスタートです。
総勢20名のサムライ業の方々にご参加いただき、12月まで、アーノルド・ミンデルさんのプロセスワークに関する学びと気づきを深める場として、いよいよスタートです。
初回は、ゲストスピーカーとして横山十祉子さん(トコさん)にお越しいただき、基調講演を行なっていただきました。
6月10日にミンデルさんがお亡くなりになったというこの時期に、ミンデルさんのもとで学び日本のプロセスワークセンター長も務めたトコさんからじきじきにお話を伺う機会が生まれたのは、この複雑性の時代に”働く”に関わるさまざまな課題と向き合っていく私たちに、「いまこそ、対立から逃げず葛藤に蓋をせず渦中へ身を置いてみなさい」という大切なメッセージをいただいたということなのかなあ、等々考えながら、当日を迎えました。
一人ひとりのチェックインを経て、トコさんからのお話でお伝えいただいたのは大きく四つ。
6月10日にミンデルさんがお亡くなりになったというこの時期に、ミンデルさんのもとで学び日本のプロセスワークセンター長も務めたトコさんからじきじきにお話を伺う機会が生まれたのは、この複雑性の時代に”働く”に関わるさまざまな課題と向き合っていく私たちに、「いまこそ、対立から逃げず葛藤に蓋をせず渦中へ身を置いてみなさい」という大切なメッセージをいただいたということなのかなあ、等々考えながら、当日を迎えました。
一人ひとりのチェックインを経て、トコさんからのお話でお伝えいただいたのは大きく四つ。
一つは、ミンデルさんの生きざまとプロセスワークの歴史について。
二つ目は、私たちが日頃取り扱う「制度・法律・ルール」からのアプローチと、プロセスワークにおける人間関係へのアプローチが、二項対立ではなく補完し合う関係であるということ。
三つ目は、ミンデルさんの源流であるユングの深層心理学で捉える心の構造について。
四つ目は、私たちが向き合う”個や組織”を捉える視点として、ミンデルさんの「深層民主主義」とアダム・カヘン氏の「対話の四象限」から考える「変容の4象限」について。
そして最後に、対立・葛藤の渦中に身を置くわたしたちに対して、”対立の解決の仕方”といったHOWだけでなく、制度・ルールだけに偏らず、関係性にも着目して両面を踏まえながら、”自身と向き合い耕していこう”というメッセージをお伝えいただきました。
トコさんの講義と共に、グループ対話の時間も持ちましたが、「対立にまつわるエピソードの共有」というテーマにおいては、本当にさまざまな物語りが為されました。
事業承継の過程における親子の葛藤。新たなこころみを進めようとしたときの社長と社員の対立。問題社員と言われる社員と職場のメンバー間の溝。
その物語りには、その状況と向き合うそのひと自身が、エンパシー的な共感が働いてキュッと胸が痛んだり、その状況に何かが投影されて観ているのが苦しくなったりと、自身もその状況(システム)の一部として存在しているからこその”痛み”が生じているように感じました。
「誰が悪い」「どちらが良くない」という二項対立の捉え方ではなく、一円融合、相似の関係として全体を捉えようとするには、相当のエネルギーが必要となります。
また、日本の”和を重んじる文化”で生きてきたわたしたちが、緊張・葛藤のフェーズに身を置いて、薪を燃やし尽くすまで待つのも、相当のエネルギーを要すると思います。
例えば「ひとはコミュニケーションをしっかり取れば分かり合える」という前提があると、”相手の靴を履いて”みて、そこにずっと存在してきた溝に気づかないと、いくら対話・議論を重ねても解決せず、平行線をたどってしまうこともあるかもしれません。
そのような状況と向き合う上でも大切な、真のエネルギーが沸き起こるには、自身の「源」とつながっていくことが大切。
トコさんの講義で、「和を持って尊しとなす」という文化が根付いた日本の”対立への苦手感”がある一方で、「武士道」にあらわされるような「対立を受け入れる決闘文化」の存在も取り上げ、「個の精神性を高め、全体性に開いていく大切さ」のお話がありましたが、身体性ある経験・場の中でソトに開きながら、自身の源につながっていく機会を、わたしたち自身が意図的に作り出していくことが必要なのではと思いました。
終えてみて感じているのは、「対立や葛藤の渦中に身を置く」ということについて、一人でがんばろうとする必要はない、ということ。
少なくとも今回集まった方たちは、何かがアンテナにひっかかり何かおもいがあって参加してくださった顔ぶれなので、それぞれの現場でのサムライ業としての試行錯誤を時にはシェアしながら、対立・葛藤を受け入れてみるための研鑽を共に重ねていけると良いなあと思いました。
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