「ゲート（１）接触編」 柳内たくみ

　竜に乗った騎士やオーク鬼など、銀座に突如として出現した謎の「門」から異世界の軍勢がなだれ込み、東京は阿鼻叫喚の地獄絵図となる。
　侵攻してきた軍勢は機動隊や自衛隊の反撃によって駆逐され、異世界への門を奪取した自衛隊は門の向こう側の『特地』に拠点を確保。陸上自衛隊は偵察隊を各方面へ送り出すのだが、第３偵察隊の指揮を命じられた伊丹耀司二等陸尉は、自他共に認めるオタク自衛官だった……。

　そりゃあ、ゴブリンやドラゴンが暴れ回れば現代の民間人にはなすすべもないけれど、自衛隊や警官隊がまともに反撃できれば撃退するくらいはできるよなー……と小林弘利の『東京キングダム』に抱いていた不満点が解消されているだけでも高評価。異世界でも、自衛隊がきちんと「怪獣と戦い、民間人を護る自衛隊」をしているのがいいな。たとえ立前であろうと正義は大事だ。

　竿尾悟のコミック版が面白くてＷｅｂで続きを読んでいたのだけれど、まだ連載途中だったので、完結している原作の方へ転進。
　もとがインターネット上での連載だったせいもあるのだろうけれど、話が飛んで戻って回想してまた再話されと、少し読みづらい構成です。コミック版はここらあたりの流れをすっきりさせ、盛るところを盛り、端折るところを端折っているので導入としては最適だったのかも。
　外見は少女のゴスロリ神官がハルバートを振り回して、敵を蹂躙していくさまは壮快だけれど、ストーリー展開にはやはり麻生太郎が出るしかなかろうと思いました。

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