年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

09'師走暦<5>晩秋の里

2009-12-20 | フォトエッセイ&短歌
 蔵王連山は西側の山形蔵王と東側の宮城蔵王に別れる。その宮城蔵王の麓一帯には温泉があちこちに湧き出て遠苅田温泉は蔵王町の中心になっている。片倉小重郎の居城、白石城のある白石市に下って来ると火山灰地の土質を利用したフルーツ街道になる。季節ともなれば桃・梨・柿・リンゴなどが車窓から手の届く所に実っている。
 今年は寒さが遅いという。スキー場は雪の一片もなく師走の陽に新種の牧草が緑濃く芽を伸ばしている。収穫の遅れたリンゴもたわわに色鮮やかに萌えている。

<リンゴ畑を背に柿の木が揺れている。渋柿でやがて鳥のご馳走になるという>

 これから収穫するのか、立ち枯れのまま破棄されるのか。盛りを過ぎたリンゴの赤が透き通るような柔らかい色合いを晒している。
 昔、リンゴ農家の庭先でリンゴを戴いて食べた事がある。その上手さに驚いて「何ですか、この味は!」と思わず聞いたところ、出荷用のリンゴと自分等の食べるリンゴは栽培が違うのだと笑って応えた。

<このりんご、あるいは自家用のひと味違う美味しいリンゴかも知れない>

 リンゴ畑の谷戸に入って行くと乾ききった田んぼが白く広がっている。稲掛の「ハザ」も用済みであるが、もう一仕事と役に立っている。
 小豆の天日干しである。サヤを乾燥させるとパクッと口を開く。頃合いを見てそれを振ると、小豆の実がサラサラとこぼれ落ちるのだ。和菓子、甘納豆、羊かん、しるこ、赤飯などの小豆は昔から生活になじんできたが、食生活の変化で需要は激少。赤いダイヤと言われた「小豆」も90%が中国からの輸入である。

<生産地は、北海道の85%を筆頭に岩手県・福島県・秋田県・青森県である>


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