年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

髪 型

2012-11-06 | フォトエッセイ&短歌

 うんざりする厳しい残暑で朝夕の涼風が待たれ、扇風機の片付けはいつ頃になるのか。そんな、思案をしていた矢先、ゾクッと夜中に目覚め、毛布を引っ張り出す冷え込みようだ。気温的には初秋も中秋も飛ばして晩秋の気配となった。
 床屋に行ったら親爺が冷暖房機のカヴァーを外して何やらいじっている。「なにね、暖房にスイッチしたんだけど上手く機能しないんだ」「無理もないよ、昨日まで冷房の仕事してたんだから。居間なんか扇風機とストーブのダブル顔見せで並んでるよ」カミさんはそんな事を云いながら、薄くなった私の頭に手を載せて「どんな風にしますか」と髪型を尋ねる。
 マア一応はスタイルを確認するのであろうが、波平さんよりチョットばかり毛が多いか?程度で髪型も何もあったものではないのに。とは云え「これから寒くなるから、上に全部揚げて、余り短くない方がいいね」なんて格好付けて注文を付ける。下げようが、長かろうが地肌丸出しの頭に髪型スタイルの施しようもなかろう。
 スウスウする頭にシアトル・マリナーズの野球帽を被って秋晴れの郊外に出かける。マリナーズは海兵隊、穏やかじゃないな。ニューヨーク・ヤンキースにレンタルされたイチロー、来年はどうなるのかナ~。雑木林はまだ初秋の色合いを残し紅葉はしていない。収穫の終わった田んぼにはワラボッチが秋の陽を浴びて立っている。
 最近は機械による稲刈りなので余り見ることが無くなった田の風景である。 蘖(孫生=ひこばえ)も瑞々しい緑に染まり小さな影を落としている。

 初秋の田んぼに秋の陽の影を落とすワラボッチ


  秋浅く紅葉前線なお遠くワラのボッチが緑に映える

  柔らかき秋の緑を陽に染めて田面の産毛かひこばえは揺れ

  鎌の刃鋭い切り株は終わりなき 芽吹くひこばえ命を伝う

  稲苅りの腰の痛みを思い出す 田は静まりて切り株続く

  ひこばえの柔らぎて立つしなやかに木枯らし吹く日を知らされず育く


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