年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

みちのく<8>羽黒山:出羽神社

2010-10-01 | フォトエッセイ&短歌
 月山・湯殿山・羽黒山を「出羽三山神社」というが、推古天皇の頃に創建された羽黒山神社が最も古く出羽三山神社の中心となっている。月山と湯殿山が冬には雪のために司祭や参拝が困難なこともあって、羽黒山の社殿に出羽三山の神々が合祭されている。
そのため、歴代領主だけでなく朝廷や幕府などの中央権力からも崇敬され社領の寄進や社殿の造営などが繰り返され多くの寺社建造物が残された。
 現在の三神合祭殿は1818年に再建されたもので茅葺の入母屋に特徴を持つ「合祭殿造り」と称する独特な建築様式と云われる。桁行13間2尺(24.2m)、高さ2丈3尺(28m)と壮大なもので、国指定重要文化財に指定されている。

<杉の巨木に聳える出羽神社の三神合祭殿。茅葺の重厚さとうねりが圧巻だ>

 多くの文化財の中で存在感を示す建造物が鐘楼堂である。厚い茅葺で柱や梁、垂木などは建物の規模以上に太い材料が使用されている。雪や厚い茅、鐘の重量に耐えさせるためでスタイルはよくないが、どっしりとした力強さと存在感を感じさせる。
 鐘楼堂の鐘は「建治の大鐘」と呼ばれ、鎌倉時代の蒙古襲来の際、元軍撤退の祈祷を行った鐘として尊ばれている。

<不格好に見える鐘楼堂の堂・鐘ともに国指定重要文化財に指定されている>

 鳥居を潜って社務所を通り神殿に向かうのだが、奥の院と呼ばれる三神合祭殿は羽黒山の頂上にある。その山頂までは参道約2㎞、2446段の石段が天に向かってそびえ立っている。参道は樹齢300~600年の杉585本によって守られている。この杉並木は国の特別記念物に指定(森林浴の森:日本100選)されている。

<杉林をぬって続く羽黒山表参道石段、往復3時間はみないといけない>


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