年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

清明<2>陽 炎

2010-04-08 | フォトエッセイ&短歌
 晴れた日に地表のものが揺らいで見える陽炎(かげろう)の季節になる。陽射しで地面の空気が暖められ上昇するとき、そこを通る光るが複雑に屈折して風景を揺らいで見せるのだ。陽炎が現れると春本番ということで季語にもなっている。『かれ芝やまだかげろうふの一二寸』早春の陽炎を詠んだ芭蕉の句である。まだ野芝は枯れていて緑にはならないが、日溜まりの春の陽にチョロッと陽炎がたった、そんな風景が見えてくる。
 春の陽を突き破って上昇したのは陽炎だけではない。米フロリダ州の米航空宇宙局、ケネディ宇宙センターから打ち上げられたスペースシャトル・ディスカバリーの山崎直子宇宙飛行士も無事に飛び立っていった。行き先は国際宇宙ステーション(ISS)である。ここでレオナルド(多目的補給モジュール)をISSに取り付け、荷物を移動させた後、レオナルドを取り外しISSに格納するのだいう。私の脳みそではとても想像も出来ない世界の出来事なのだ。

<小川の緑も色づき、長閑に流れに身を任せたミズモが揺らいでいる>

 山崎直子宇宙飛行士。向井千秋さん以来の2人目の女性日本人宙飛行士で、7歳の娘さんがいるママさん飛行士である。優しげな顔立ちで手を振って宇宙の彼方に旅たったが、岩をも砕く強靱な心の持ち主であったという。宇宙飛行士を目指したきっかけが凄い。1986年に起きたスペースシャトル・チャレンジャー事故で乗組員7名が宇宙に散った。
 犠牲者の中に女性教師がいる事を知って「彼女の遺志を継ぎたい」と山崎直子さんは宇宙飛行士を決意したという。順調にいけば帰還は18日である。無事であることを祈る。
一回の打ち上げが1千億円という膨大な経費がかかるスペースシャトルも今年で退役だとも言う。宇宙ステーション内の日本の実験棟「きぼう」も毎年400億円の経費がかかる。今後、どうするのか議論が始まったところだ。宇宙開発の難しさでもある。
 宇宙から桜は見えるのか。ソメイヨシノは今が満開である。花のトンネルでも潜ってと宇宙への思いを馳せるか。


 国際宇宙ステーションまでは遠いが、阪神甲子園もまた遙かに遠い。いよいよ春の地区大会が始まった。一つでも勝ち上がってシード権を獲得して10センチでも夏の甲子園に近づくのが当面の戦いなのだ。ガンバレ高校球児!


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