年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

なでしこジャパン

2012-07-07 | フォトエッセイ&短歌

 「なでしこジャパン」が女子ワールドカップで勝ち進むと一気に、まさに爆発的な人気となりサッカーなど無縁だったバアさん・ジイさん、女子サッカーリーグ(L・リーグ)など知らなかったスポーツファンがテレビ放映にかじりついた。アメリカとの決勝戦は午前3時35分のキックオフだというのに視聴率は瞬間最高28%という驚異の数字を示す。
 相手は世界ランキング1位、対戦成績は0勝21敗3分と1度も勝利がない強豪アメリカ、横綱と幕下の戦歴である。手に汗握る接戦で延長後半、宮間のCKからのボールを澤があわせて劇的な同点ゴールは今でも鮮やかに目に焼き付いている。その後のPK戦は夢心地で神業の演出で勝利し女子サッカーの人気は沸点にまで高まった。
 熊谷のPKが決まり優勝が決定した瞬間、宮間は意気消沈するアメリカ陣営に歩み寄り敬意を表した行為も清々しかった。(後日談だが、スポーツマンシップの模範として世界中から賞賛され、アメリカ女子代表のホープ・ソロと語り合う画像は、FIFA公式サイトでもっとも多い閲覧回数を数える写真の一つとなった)。マスメディアの露出度はNO1、震災・原発処理の対応の拙さから批判の矢面に立っていた菅直人内閣は国民栄誉賞、女子団体スポーツでは初の紫綬褒章の授与も決めた。
 「なでしこジャパン」のネーミングも良く、新語・流行語大賞を受賞したが、戦前戦中を生きた女性には「なでしこ」に抵抗感があったとも聞く。大日本帝国は「大和民族」「大和魂」「大和撫子」を国粋主義、国威発揚のスローガンにして戦争に駆り立てた忌まわしい記憶が頭を過ぎるのだという。
  愛称「なでしこジャパン」は2700通の応募の中から審査委員会によって決められ、ユニホームにナデシコの花の色であるピンクがあしらわれている。現在は平和の象徴として見たいが、どうもスポーツのW杯は民族主義・国威発揚など政治権力と無縁ではあり得ないというが実際である。
 スポーツは底力を引き出す魔力を持っているのは確かで、東北震災被災地の人々の復興のエネルギーになっている事も事実であろう。平和でこそのスポーツである。
 いよいよロンドンオリンピックの扉が7月25日(水)のカナダとの対戦で始まる。8月9日の決勝のピッチに立ってW杯の夢の続きを魅せてほしいものだ。高さと速さの欧米のパワーサッカーに素早い小さなパスの連続で相手ゴールに攻め込む緻密な「なでしこジャパン」の蹴球の技を期待している。
 日が長い夕刻、多摩川の河川敷はボールを追いかける、というかボールにじゃれるチビッコ達が練習に勤しんでいる。コーチがボールを右に左に転がして投網のようなゴールネットに押し込むエクササイズである。未来の長友か・宮間か、長谷部か・澤か、頑張れチビッコ!

<サッカーは4,5才から本格的に始めれられるのだ。野球との違い>

  ボール追う子等のさざめき陽に溶けてお喋りの合間ママの声援

  シュート打つ足がボールに乗っかかり転がりながら「スライディング」だよ

  「なでしこか」「ザックジャパンか」駆け抜けるドリブル巧みな赤の子ひとり

  ちょこまかと豆イレブンがボール追う色鮮やかなビブスが走る  

  PKに敗れしチームに歩み寄る歓喜背にする小さき巨人


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