年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

お稲荷さんの威力

2009-01-07 | フォトエッセイ&短歌
 八百万の神(やおよろずのかみ)とはよく云ったもので多士済々だ。お稲荷様で親しまれる稲荷大明神(いなりだいみょうじん)も日本古来の神様の1ジャンルで、伏見稲荷・豊川稲荷・祐徳稲荷を日本三大稲荷としているが定かではない。
 故事来歴に至っては定説もない。本来は穀物・農業の神とされ、稲を荷のように架けて乾燥させる、稲荷木(とうかぎ)、稲架掛け(はさかけ)が語源という説が多い。稲荷鳥居(いなりとりい)や複数の鳥居を連ね稲への感謝や豊作祈願を表しているともいう。

<稲荷鳥居に絡まる見事な注連縄(しめなわ)は新丸子の伏見稲荷大明神>

 農業神であった稲の神(稲荷神)は中世以降に商工業が盛んになると工業神・商業神など商売繁盛の神ともなる。その後も屋敷神・同族神として一族一家を束ねる神として広く信仰されるようになる。それは神仏混淆の過程で稲荷様は仏教を守る守護神であるという福徳開運の万能の神になったからである。
 江戸時代、江戸に多い物として「火事 喧嘩 伊勢屋 稲荷に犬の糞」というはやり言葉にうたわれて「流行神(はやりがみ)」とも呼ばれた事もあったほどだ。全国にお稲荷様は約四万ケ所といわれる。そう言えば、寺の一隅や会社のビルの屋上などにもお稲荷様が祀られている。

<初詣で賑わう境内には護摩火焚きの炎が立ちる。災厄退散・至福招来!>

 お稲荷さんと言えば狐である。しかし、「いなり」と「きつね」との関係も全く分からない。守護神(ダキニ天というインドの神)が白キツネに乗っていたという、「神の使」説もあるが根拠はない。
 稲荷神には神酒・赤飯の他に狐の好物とされる油揚げが供えられ、その油揚げを使った料理を「いなりずし」とよんで親しまれている。稲荷大明神は何とも不思議な神である。

<稲荷鳥居をくぐり抜けるとそこは金キツネ・銀キツネ・白キツネの楽園である>


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