◇◇◇ 夢のまた夢
昨年の暮れに栃木市役所のエレベーターで年末ジャンボ宝くじ2000枚(購入価格60万円)が入った袋を拾った60代の女性が市に届け出た。袋には「宝くじが当たったら、大雨災害の被災者に使ってください」と鈴木俊美市長宛のメモが入っていた。
1等・前後賞合わせたら史上最高の10億円である。カンパ60万円では話題にもならないが『捕らぬ狸の皮算用』とは云え大きなニュースになる。栃木市内の濁流による被災地の映像が目に焼き付いていて「何とか1億でも」と思わざるを得なかった。夢を仕組んだ御仁に拍手であった。
ところがである。市は宝くじを警察に、警察は拾得物として持ち主を捜したという。持ち主が現れない場合は栃木県の収入になってしまう(警察は県知事の所轄下)。
その事を知った女性は「実は自分が購入して置いた」と名乗り出たため、宝くじは女性に返還された。女性はあらためて栃木市に寄付したという。「遺失物法」の為せるワザで、もし10億円当たった宝くじを市が使っていれば「遺失物横領罪(刑法254条)」に問われ事になるのだそうだ。
市が組・番号を確認したところ<当せん金は、5等3000円が20本と6等300円が200本の計12万円>だった。鈴木市長は「残念ながら何億円は当たりませんでしたが、大切に使わせていただきたい」と神妙に話している。
10枚3000円で1等7億円をゲットしようとキリキリしている筆者にとって60万円は気の遠くなるような数字である。結果はトホホッ12万円!余りにリアル過ぎて、お粗末な一席に!
ジャンボくじ「当たらないよ」と云いつつも密かに買って念力込める
耳遠く話半分だけれども相づちうまく前後をつなぐ
往還の旧道矢じるし歴史めく出会い求めて歩く歩けも
初夢や夢にもならず覚めにけり
風花に「紅茶タイムか」何となく
如月の宙掻き混ぜる老冬木
※往還(おうかん)=主要な道路。街道
※如月の宙(きさらぎのそら)=2月の空
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