年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

みちのく<10 >月山

2010-10-09 | フォトエッセイ&短歌
 時間がないので超急ぎの出羽三山神社めぐりとなった。羽黒山の石段でおかしくした膝を気遣いながら月山に向かう。深田久弥氏は「羽黒(418m)と湯殿(1500m)は山として論じるには足らない。ひとり月山だけが優しく高く立っている」と言っているように、月山は標高1984mで最も高く、岩が露出している山頂は荒々しい。
 つづら折りの深山を自動車で八合目駐車場まで一気に走る。登山道の入口である八合目駐車場は生憎と一瞬の深いガスに覆われた。ここから弥陀ヶ原(みだがはら:御田ヶ原)を経て山頂の月山神社(がっさんじんじゃ)に至ることになるが…。

<ガスの八合目駐車場。快晴なら庄内平野・最上地方が一望なのだが、残念>

 月山は高山植物の宝庫としても知られ、八合目から広がる弥陀ヶ原には、クロユリ、チングルマ、ニッコウキスゲなどの高山の花々が咲き誇る。弥陀ヶ原は湿地帯で木道が敷かれ、様々な高山植物の花、池塘、雪渓を目にすることができる。山頂にかけては国の天然記念物に指定されている。弥陀ヶ原から1時間半で月山頂上に到達できる

<木道脇の羽後薊(ウゴアザミ)の群生。淡い紫の花が霧に揺れる>

 記録によれば月山は神仏習合の古い形をとり、月山神は阿弥陀如来とされていた。明治維新により、神仏分離令が出され出羽三山は廃仏毀釈の激しい波に晒され、僧侶や山伏には還俗して神官となる者もいた。また多くの貴重な仏像、仏具、経巻が破壊によって失われたり、売り払われて散逸したりもした。
 今回は月山神社は次回に期す事にして残念ながら弥陀ヶ原の一周で戻る事になった。

<弥陀ヶ原の湿地帯を一周する木道が長く続く。コツコツと靴音が響くのみ>


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