年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

コールドゲーム

2015-07-20 | 俳句&和歌

◇◇◇  コールドゲーム

 夏の甲子園大会の県代表決定戦が行われている。正式には第97回全国高等学校野球選手権 神奈川大会で186チームによるトーナメント形式で戦う。
 部員100名を越え専用グランドを持ちプロ選手を輩出している超有名校もあれば、2校の部員で頭数を揃えた「連合校」もある。太陽が西から出ても甲子園に出られない弱小クラブである。だが彼らにも目標がある。1回戦2回戦を突破したいという壮大な夢である。
 もう一つは9回まで試合をやるという特別な内なる闘いもある。コールドゲーム(Called Game)である。高野連の通達によって「5回で10点、7回以降は7点以上の点差がついた場合」試合が打ち切られる。その背景は1998年の青森県大会での東奥義塾対深浦高校の122対0の試合、止めさせる試合の規定がなかったのである。
 10点差ゲームを見ている観客は応援の虚しさに哀れを誘われて眼を反らせたくなる。しかし、高野連はそいう理由で点差コールドゲーム制を取り入れたのではない。時間がかかり過ぎるからである。健康管理の問題と次の試合の時間が無くなるからである。ガンバレ弱小軟弱球児!コールドをゆるすな!
 因みに、県の決勝戦と甲子園大会ではコールドゲームがない。理由は実力が伯仲しているからそんな点差が開かないという前提からである。

 

  コールドの惨敗ゲームでケリがつく夏期ゼミが待つ戦いあらた

  外野席芝青々と静かなり弱小クラブの初戦の試合


   夏草に埋もれ隠れる水難碑

   昼顔の儚き吾れの足もとに

   古茶入れてペットボトルを仕込む朝

 

※東奥義塾(とうおうぎじゅく)=打者149人、ヒット86、四死球36、本塁打7、盗塁78、三振1で122点
※古茶(こちゃ)=初夏に出回る新茶に対する前年の茶