年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

衣替

2015-06-01 | 俳句&和歌

◇◇◇     衣替

 6月、水無月(みなづき)である。「水の月」で田植えの準備で水を田に注ぎ入れる月の意味とある。春から夏へ、生きとし生けるものは季節の変化に対応していく。萌える若葉は緑を強め緑陰を作り、ヤマユリの花が脹らみ始める。
  学園は冬服から夏服への衣替えとなり何となく新鮮な雰囲気を醸しだす。今は少なくなったが、黒の詰襟学生服の男子校では純白のワイシャツになる訳だから目映いばかりだ。 ところが、学生服の黒い一団がいる。体質的に寒がりという理由で「異装許可証」を取って「黒色団」をつくって学園を闊歩する。冬服になると暑がりという理由で「白色団」をつくって差別化を図った。一部の教師は、反体勢とか、個性的とか、天の邪鬼とかいっていたが…、どうも私にはその見方は馴染めなかった。力を借りて周囲を畏怖させるガキ集団ではなかったのかと。
 そういう連中に限って社会人になると体制派となり管理社会大好き人間になって、いち早く中間管理職に就いている。彼らには弱者への眼差しや、想像力が欠如していたように思えてならなかった。


  引きこもり抱えし友はつくづくと一人暮らしが羨ましいと

  細き腕ルーペ頼りて「歌壇」読む眼疲れてヒジしびれ来る

 

   ガンガンとビルのリニューアル衣替

   五月闇ひといき休めと議事堂に


※眼(まなこ)=目、目玉。眼球
※衣更(ころもがえ)=初夏の時期、夏用の衣服に替える
※五月闇(さつきやみ)=五月雨の降る頃の陰鬱とした昼なお暗き曇り空