年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

花の都

2013-05-09 | フォトエッセイ&短歌

 5月初旬、祝日が続き連休となる。かつて働き蜂と言われ有休も罪悪視され休むことを知らなかったこの国の労働者にとって天下晴れての休日となる。憲法記念日・みどりの日・こどもの日・振替休日、まさにGolden‐Weekである。1日くらいならゴロ寝休日も結構だが4連休もとなるとそうはいかない。
 まして子供でもいれば旅行にテーマパークにアウトドアにと出掛けざるをえない。道路の渋滞予想、観光地の人出予測、交通機関の混雑状況などがニュースになり何となく世の中が浮き立ってくる。凄まじい人出を前提にいざ出発となる。
 退職した無職組は「言うなれば日々是GW」のようなものだから、そんな時に出掛ける事はないのだが、何となく混雑の中に紛れ込んで見たくなるのも凡人の人情である。そんな訳で宮城の蔵王連山の麓まで東北自動車道の割引料金をいかしてのドライブとなった。
 連山の頂は残雪に覆われ、吹き下りてくる風は肌に冷たいとは言え北国にも春が訪れ今が盛りである。今年の冬は寒さが厳しかっただけに春が一挙に弾けたのである。ナシに木蓮、サクラに辛夷、ツバキに三ツ股、リンゴに桃。水仙にスミレ、タンポポに芝桜、ツツジに藤、チューリップに水芭蕉などが一気に咲き競っている。この時期、みちのくは花の都となる。

桃のピンクも霞む鮮やか過ぎるチューリップ

  春一気 桃のピンクも競い負け鮮やか過ぎるチューリップの赤が
  
  寒ゆるみ芽吹きの音に誘われてタンポポすみれ色競い咲く
  
  連山の渓雪に湧く雲なびき桜も辛夷も霞の中に
  
  風止めばウグイスの音がさえ渡る未だ葉もなき楢の枝から