2月、和風月名では如月(きさらぎ)である。衣更着(きさらぎ)とも書く。一説に、立春だと言うのに2月はまだ寒く「衣を更に重ね着するから<衣さらに着る月>衣更着」になったとも。
今年の如月は衣の重ね着ぐらいでは寒さを凌ぐことはできない。年末の長期予報では暖冬であったはずだが、厳しい冬型天気図が衰えることなくドッシリと座り込んで零下42度の寒気が流れ込んでいると云う。ヒト一人亡くなっても大騒ぎなのに雪に埋もれた死者がすでに60人に達している。玄関を出たところ屋根から滑り落ちた雪に埋まって窒息死とある。痛ましい事故だが我々関東平野の住人にはその実態が想像もつかない。地震・津波・豪雪と自然の猛威に畏怖の念を抱かざるを得ない。
北陸・東北の降雪が多いと云うことは太平洋側はカラっ風の乾燥日が続くということである。そのカラっ風に揺れる寒桜がほのかな淡い淡いピンクを揺らしていた。
<寒さくら(冬桜)の淡いピンクが乾燥した寒気に瑞々しい>
冬さくら堅き蕾のいじらしさ開花の力丸く抱きしめ
冬凪(ふゆなぎ)は重く雲垂れ鎮まれり吹雪の夕の予告の如く
薄紙で折りたるような寒サクラ芯強くして動く事なし
冬来たり花一輪の自然かな地震も自然津波も自然
冬桜小枝は強く折れもせず「さくら子」という少女にも似て