年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

09'師走暦<6>冬の鳥

2009-12-24 | フォトエッセイ&短歌
 東北自動車道の白石蔵王インターを下りると4号線で白石川に平行する。なぜかここが渡り鳥(わたりどり)のちょっとした拠点である。
 渡り鳥は食糧、環境、繁殖などの事情に応じて定期的に長い距離を移動する鳥のこと。川は延々と流れ来て流れ去るのだが、どうしてこの地なのか。地元の人たちが大麦やトウモロコシ、パンくずなどで餌付けしたのだろう。
 圧倒される数である。おもしろいことに、多種類の鳥が、みな太陽に顔を向けて同じ方向を向いている。仲間同士、おなじ行動をとるのが渡り鳥の習性なのだろうか。
 カモを睥睨するように悠然としているのがオオハクチョウ。体重は10kgを越え、空を飛ぶ生物としては限界の重さである。そのため、離陸時は助走を必要とする。 飛翔時の姿は、大型鳥類独特の美しく優雅な様をみせる。

<オオハクチョウはくちばしが黄色なので見分けがつく。鳴き声は「コォー」と鳴く>

 越冬のために日本より北の国から渡ってきて、冬を日本で過ごし、冬が終わると再び北の地に帰って行く渡り鳥を冬鳥という。ツグミ、ジョウビタキ、ユリカモメ、マガモ、オオハクチョウ、マナヅル、オオワシなどが冬鳥の仲間。
 何千キロという長い行程を飛ぶためには、仲間がおなじ行動をとるのだろう。みんなで水から上がって一休みするオナガガモ、綺麗な羽の持ち主は勿論オスである。
 人をあまり恐れず、餌付けされると陸に上がって餌をねだるようになる。だから、慌てて飛び去ったりせず、よたよたと歩いて道をあけてくれる。           
<華麗さに欠けるオナガガモだが、人間と共存できるタイプのカモのようだ>

 川の畔には晩秋の最後の光芒を放って散り積もった紅葉が照っている。風が吹くとふわふわとサラサラと一枚二枚と飛び去って後輩に場所を譲っている。

<木枯らしの頃にはワクラバに変わって粉雪が吹き抜けていることだろう>