年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

隅田川:江戸の出城

2009-03-15 | フォトエッセイ&短歌
 芝離宮恩賜庭園の目と鼻の先の上流に浜離宮恩賜庭園がある。<芝と浜>の一字違いで似たような庭園であるが歴史的経過をたどると別のものと云える。ガイドによると6代将軍・家宣(いえのぶ)の時に将軍家の別邸となり「浜御殿」と呼ばれ、江戸城の「出城」としての役割も果たしていたとある。
 天下統一を成しとげ盤石の幕藩体制を確立した将軍はなお「出城」を築いて防備を固めたことになる。そうして見ると芝離宮の6倍の広さを持つ意味も見えてくる。城壁を思わせる外壕(運河)を廻らせ、内濠から江戸湾に逃れるルートも引かれている。

<出城の風格を持っている浜御殿の大手門に続く壕。江戸城までは2㎞もない>

 築地川にかかる大手門橋を渡って枡形(ますがた)に至る。出入口の管理棟で150円の入園料を頂戴されるが、高いか安いかの判断は微妙。もはやタダデハ文化財も自然にも触れることは出来ないという現実である。ちゃんと税金使ってるのかナ~(国の特別史跡)。
 入って左側に樹齢330年にもなる大蛇がうねっているような黒松がある。1709(宝永六)年の庭園改修工事の際の記念植樹であるとか。150円を取り返す!

<太い幹が地を這うように張り出した黒松。堂々たるの風格を誇っている>

 房総とか伊豆半島ではない。新橋駅の眼下、銀座から歩いても10分圏内にこんな見事な菜の花畑がある。透き通るパールイエローの絨毯に座ると周囲の梅の香を圧倒して上品な甘い香りにむせぶ。
 13日、春の嵐の中、九州では桜の開花宣言があった。菜の花が疲れを見せる頃、この浜離宮の桜が満開になることであろう。4月1日(水)~5日(日)ソメイヨシノの期間『桜ライトアップ』が実施される。

<春を告げる30万本の菜の花が咲き誇る。人影も菜の花の黄に染まる>