年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

日吉の里・終章

2008-08-18 | フォトエッセイ&短歌
 戦後63回目の終戦記念日を迎えた。中国大陸内外での15年に及ぶ無益な戦争・太平洋海域での過酷な戦争などで310万の国民と2000万のアジアの民衆が戦火の犠牲になった。8月15日の終戦記念日は不戦の誓いと平和の想いを新たにする日である。
<アッシー君>と<白堂翁>の便り2題を拝借して「我々の終戦記念日」としたい。

★「風に吹かれ」拝見しています。日吉の里の戦争遺跡、思いもよりませんでした。特攻隊の無線を傍受しながらの旧日本軍司令部の手前勝手な状況判断で水上特攻を命じていたなんて。日吉慶応義塾構内のチャペルの赤い屋根、赤い十字架そして赤の夾竹桃が鮮やかに、8月15日の終戦記念日を訴えているように見えます・・。
 しかし、自分の住む町に昭和の戦争遺跡がこんなに多いとは思ってもいませんでした。そう言えば、私の住む宮前区にも国有地が広がり、各庁舎の官舎も多く、旧陸軍の厩舎が立ち並んでいたとか・・。
 日々疎くなっていく昭和の悲惨な戦争。教師現役のとき、平和の尊さを子供たちにどれだけ話し聞かせることが出来たであろうか・・?
 先日、現役の頃に指導していた美術部の合宿に帯同して小豆島に行ってきました。この島は「二十四の瞳」であまりにも有名で、映画の撮影場所が観光スポットになっていました。早速、「岬の分教場」に行って写生して来ました。木造校舎を写生しながら平和な国、日本を思わずに入られませんでした。<アッシー:写真&画>


              
<教室には「二十四の瞳」が漂っている風情です。スケッチは校舎全景>

★「終戦の日」に思い1つ…。軍事訓練にやってきた軍服姿で髭生やしたオッサンが、小学生のチッチャな手に手榴弾を握らせ、敵陣に投げろって。火薬こそ入ってないけど、重さは実物と同じ。“決死の覚悟”で投げても、2~3mが精々。「それじゃ自滅じゃないかッ!」って、しこたま怒鳴られて・・。
 今日は63回目の“終戦の日”。この年生まれた人は、既に定年退職してるんですからね。06年の総人口12、777万人の内、戦後生まれは約9、300万人。総人口の約73%の人たちが戦後生まれなんだって。
 そりゃジッと黙ってりゃ、戦禍も色あせボロボロに風化する…。ヒョットして、戦争賛美の蠢きさえ聞こえかねません。そんな危機感さえ感じる“歳”になりました。<白堂翁:句と写真も>

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