年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

神宮・森林

2008-07-22 | フォトエッセイ&短歌
 神宮の杜は木漏れ日が地に届く事もままならぬ樹海を思わせる深い緑。渋谷の喧噪も原宿の賑わいも遮断するグリーンベルトで被われている。
 造営工事が始まる90年前は桑畑や茶畑が広がっていたというから、想像も出来ない。1915(大正5)年、内務省の決定がでると、大々的な植林事業が開始された。既存の1万6000本に加え全国から9万5000本を調達、更に足りなくて3000本を追加し植えに植えまくったのだ。

<自然林の植生を見せるようになった境内の林道。クライマックスはこれから>

 明治神宮といえば大相撲横綱土俵入りで知られているが、なんと言っても初詣(はつもうで)客の参拝者数である。正月三が日の間で300万人超という驚異的な数字である。気になるのは祈願成就のお礼として投げる「賽銭箱」の中味である。銀行マンが3日掛かりで数えるというから大変な額であろう。
 平日だったのか、外国人が圧倒的でガイドさんの説明で神妙に「お賽銭」を投げ入れていた。

<決まってます!楼門脇のお二人さん。参拝形式も国際的で様々になりました>

 神宮造営局の技師は神宮林苑計画を作成した。現在の生態学でいう植生遷移(サクセッション)に基づき科学的な植栽構想に基づき、木々を植えていった。
 多様な樹種を多層に植栽することで、年月を経て極相林(クライマックス)に到達するという100年の計である。手入れや肥料などはしないで自然に森が形成されることを予測したのであるとか。
 日本における近代造園学の創始とされている。

<この木何の木気になる木。長寿の木だそうです。姿形が何ともいえません>