年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

羽州街道-畦の秋桜

2007-09-21 | フォトエッセイ&短歌
 残暑がぶり返し秋の訪れを足止めしている田園の一隅。稲穂が重々しく頭を垂れる最後の仕込みに掛かっている田んぼである。稲刈りを待つ昼下がりの畦にコスモスが揺れている。
 コスモスの季節であるといっても早咲きは6月に・遅咲きは12月頃までの長寿である。しかし、和名:秋桜(あきざくら)と呼ばれるように、秋を代表し、花弁の形が桜に似ているところから秋を感じさせる花として人気が高い。収穫を待つばかりの黄金のジュータンを背に稲穂の揺れに調子を合わせてゆっくりそよぐコスモスの姿勢に心洗われる。
      
 原産地メキシコから1876年頃にイタリアの芸術家が日本に持ち込んだとの巷説がある。コスモス(kosmos)の語源はギリシア語で世界・宇宙・秩序を意味するとか。
 北極圏の氷河が融け始め砂漠化が進み、熱帯林の破壊で洪水が頻発している。地球はタダレて病み始めている。イラクでは1日に何人の民衆の生命がゴミよりも軽く吹き飛ばされているのだろうか。テロリスト掃討と称して! ブッシュは「世界中にコスモスを、秩序と平和を」のスローガンに書き換えてカブールの街にコスモスを植えるといい。花言葉は<少女の純真>、日本の支援も本格化するだろう。
   
 
 秋はコスモス、でもやはり食欲です。『天高く馬肥ゆる秋』(空は澄み渡り気温は良好、食材も豊富で食欲は進む)こんなイメージを持っていたが、ナンカ違うみたいですネ。そういえば、この時期、日本では秋雨前線の影響で曇雨天が多く青空の確立は少ないのだ。
 事の謂われはやはり大陸のことわざ…大陸には台風も長雨もない。馬が肥えて意気高揚のモンゴル地方の騎馬民族が万里の長城を越えて収穫を迎えた大平原に侵略してくるのを警戒したことばだという。略奪する事 火の如く、村は茫然自失の態…。「七人の侍」の大規模な盗賊集団のイメージか。