年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

春霞に鯉泳ぐ

2007-05-10 | フォトエッセイ&短歌
 今や、通年Goro-Goro Week (GW)で5月のGolden Week(GW)だからと騒ぐ事はないのだが、哀れ長い給料取りの習性が抜けきらず、暦に4文字も赤字が並ぶと落ち着くことも出来ない。交通渋滞なんのその陸羽街道(国道4号線)をとことこと北上する。福島と宮城の県境、国見峠を越えて<うーめんの街>白石市に入る。そこから七ケ宿街道を白石川に沿って山形に向かう。銀色に輝く眩しい新芽が柔らかく春霞に萌えている。碧玉渓の渓谷の流れは雪解けの冷たさをたっぷりと湛えて流れている。桜の跡の穏やかな春。

 名残の雪を頂く蔵王連山が春霞のなかに見え隠れする街道を進むと七ケ宿ダムに至る。ダムの上流には「こどもの日」イベントの千匹の鯉が翩翻(へんぽん)とひるがっている。すでに子供たちの姿もなく静まり返った湖面を鯉たちが無心にバタバタとざわめいている。いささかの空しさも感じるがそれはそれとして壮観である。
 

  東北の山間は今なお晩春であるが、列島は立夏である。「すでに暦の上では…」と枕に使う二十四節気の季節感が今年は暦と現実が見事に合致した。否、暦が先行したと言うべきか。浜松では33.6度、長野でも31.8度、京都は31.7度と真夏日を記録した。地球温暖化か?騒げどもその政策は皆無!改憲手続き法案で温暖化どころではなし。
 
    白堂翁の鮮やかな墨痕で立夏の佇まいを感じてみよう。
             立夏      
               蛙初めて鳴く    
               みみず出ずる    
               筍生ず       
     おそるべき君等の乳房夏来る (西東三鬼)