知音札記

現代日本の演劇、映画、音楽など芸能関係を中心にレビューを書き、語る。

テニミュ映画祭に行ってみた

2013-10-19 22:24:44 | 演劇 映画 音楽

10月16日、仕事先の某地方都市の映画館にて。なかなか興味深かった。もちろん、このライブビューイングは見ているのだが、こうしてゆっくり鑑賞すると、以前に気づかなかったことも見えてくるからである。編集を施してあるので、ライブの時と全く同じではないだろうが、それでも出演者たちの歌唱力、ダンスは日々向上していることが、はっきりと感じ取れた。ハーモニーの声の粒かよく揃っているのである。音楽全体も新しく作曲された部分の存在が明確に聴き取れた。チラシの文章によれば、映画祭の機会にテニミュに始めて触れる人と多くいるそうで、それをテニミュデビューと称している。これから益々それは増えて行くことが予想される。DVDを家で見るのも良いが、やはり映画館の大スクリーンには敵わないことは明白である。自分もその1人で、じっくりと細かな点まで楽しむにはこれが一番だと思う。これからも続けて貰いたい。そうすれば、既存の腐ったテレビドラマや、ブロードウェイの焼き直しミュージカルなどを追い抜いて真の意味で日本を代表するオリジナルミュージカルへと上り詰めると信じている。出演者はもとより、制作スタッフ関係者共々頑張って欲しい。テニミュが日本のオリジナルミュージカルの革命を先導していることに疑いの余地はないのである。
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映画「メサイア―漆黒の章」~生きるための哲理を学び取る

2013-10-17 15:58:26 | 演劇 映画 音楽

 
「映画COM」のサイトに書かれている同作品のストーリーから後半の2/3ほどを以下に引用する。
各国が軍縮を進め、代わりに水面下で熾烈な情報戦が繰り広げられるようになった世界。日本は特殊機関「チャーチ」を設立し、通称「サクラ」と呼ばれるスパイを養成していた。サクラ候補生の司馬柊介は、任務中に自身の相棒(メサイア)を失ってしまい、同じくメサイアを失った五条颯真を新たなメサイアとするよう指示される。互いをメサイアとして認めたくない柊介と颯真はすれ違うばかりだが、そんな2人に、国家機密を盗み出した反政府組織「評議会」のメンバーを捜査せよとの指令が下される。

 自分にとってのメサイア(救世主)は誰か、そして自分は誰のメサイアになれるのか、さらにいえば救われない人間はどう生きるか? やはり基本は家族か?など、生きるための哲理を考える好作品であると思った。自分も両親、家族との約束を守る決意を新たに、誰かの救世主たらん!と願うも、その姿勢が一方通行では救えないことを再確認した。押しつけは傲慢と同じなのである。「龍虎争闘」から「龍虎合一」へというか、映画の中のセリフにあったように「背負い、かつ委ねる」のが自然であり、何でも一人でできるというのはそもそも勘違いだということである。
 主要キャスト(松田凌、小野賢斗ら)のアクション、殺陣のアップ映像がシャープで美しく、ストーリーに緊迫感がある。情報組織の建物がラーメン屋に直結しているという設定も面白かった。また、下町を歩くメサイアメンバーの光景が新鮮で、実質上、追放されてもどこか別の世界で復活せんとする若者たちを見ていると、自分も腐りきった既存のジャンルにとらわれないで誠意を以て自分の信念を貫くことがいかに大事か思い知らされる。そして、支配層が常々口にする「必要悪」とか「犠牲」が如何に詭弁であるか。常に下層の人間に物事を命じる彼らは決して責任を取らないことはこれまでの歴史から明らかである。そうした正義を踏みにじる悪党どもをぶちのめす覚悟を胸に秘めつつ戦いを続けなければならないとつくづく思った。
 上から勝手に位置づけされ、評価される人間の怒り、それを直接的に表現する熱い男、五条を演じた太田基裕が印象的深い。その正反対の性格が司馬役の浜尾京介で、二人は当初は龍虎争闘の状態であるが、徐々に理解し合う過程には誰しもが学ぶべきものがある。法曹界から不当に追放された身で別の世界に生き甲斐を見出したにもかかわらず、相棒の堺(増山祥太演じる)」を亡くしてメサイアになれなかった悔しさを胸に秘めてクールに行動する浜尾の表情が良い。堺も出演シーンは短いがキビキビした動きと回想シーンでのソフトな表情が魅力的である。
 映画は近未来の設定で世界は武力から情報戦へ、軍隊から警察へとなっているが、これはすでにビッグデータの時代となり、情報収集・解析、専門性の細分化がますます進行する点を考えれば我々はすでにそうした現実に近づいているような気がする。
 本作品に限らず、多くの優れた映画が一種の閲覧制限と思える短期間限定公開、単館上演されている状況は、一見、制作者にとって不利な状況のように感じられるが、それゆえに根強い人気につながる可能性があり、その手ごたえを十分に感じた。テレビで宣伝しているメジャー作品はますますつまらなく感じる。
 2013年10月13日、18:55~イオンシネマ板橋で鑑賞。
 映画HP→http://www.clie.asia/messiah/

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映画「男子高校生の日常」~不思議な幸福感を味わえる

2013-10-15 11:24:39 | 演劇 映画 音楽
2013年10月13日、17:45の回。シネ・リーブル池袋にて。起承転結にこだわらない日常そのもの(?)の時間の流れによる癒しと、あんなに本音でつきあえる仲間がいるという情景を見ることで不思議な幸福感を味わうことができる。映画のチラシに書かれている説明文が短いながら内容を良く表している。「グダグダ男子校にキラキラ女子が襲来! 文化祭・共催!? 勘違いな恋愛騒動も勃発し…どうなる? 非・モテ男子??」。つまり、文化祭の準備から開催までの出来事を通して、男子高校生と女子高校生の日常が描き出されるだけだが、そのそれぞれの場面が実に面白い。
まずは、男子高校生のおバカぶりがいとおしく思えるというのが世の男達の共通の感想だろう。同時に、男子高校生をまさに手玉に取る女子高生、恐るべし! さすがオバン予備軍という点にも異論はないだろう。主人公の男子高校生たち、普段は緩みきったネジを時々キュッと締めているところがとても良い。テスト期間中のいう状況の中、勉強を一応、頑張っていて、女子を追いかけるにしても、一見おふざけのようで、時に真摯な心情がチラッと見えるところが凄く良い。
現実の世界では、それができない人(老若男女を問わず)が増えているように思う。いつになったら人生のネジをしめなおすのだろうか? 自戒を込めてその必要性を実感した。キャスティング、特に主役の三人が素晴らしい。アニメより実写映画の方が、自然に個性がよりはっきりと見えてくる。タダクニ(菅田将暉)、ヨシタケ(野村周平)、ヒデノリ(吉沢亮)、非モテ男子ならぬ非アイドルの有望な若手俳優ならではの、実力に裏打ちされた清涼感が漂っている。現実にこんなヤツらが近くにいたらさぞかし楽しいだろうなぁ? と誰もが思うことだろう。それこそがこの作品の最大の魅力の1つなのではないだろうか?
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ミュージカル革命としてのアニメミュージカル~その勢いは誰にも止められない!!

2013-10-07 11:16:35 | 演劇 映画 音楽

最近、ミュージカルを2つ見た。1つは「コードギアス」もう1つは「テニミュ大千秋楽ライブビューイング」である。ともにアニメが原作で、いままでの日本のオリジナルミュージカルを根底から覆すパワーを示していると思う。
 まずは、コードギアスだが、正式なタイトルは「コードギアス反逆のルルーシュA-LIVE FANTASTIC DREAM SHOW」となっており、同ミュージカルの主要場面を抜粋して歌、ダンス、セリフで構成するレビューのような公演だった(2013年9月3日於シアターGロッソ)。近未来に日本が某国に征服されたという状況設定も興味深かったが、何よりも歌やダンスが新鮮であることが印象深い。後述するテニミュもそうだが、いわゆるブロードウェイ風の仰々しい様式とは異なる、誰にでも親しみやすい点に好感が持てる。広義でのJ-Pop風の曲にアクティブでエクスプレッシブなダンスの振り付けで、ストーリーが小気味良く進んでいく。特筆すべきは途中何度も原作アニメの画像がスクリーンに映し出されることで、人間とアニメキャラが不思議に融合して独自の映像世界が展開されている。主要キャストでは、DIAMOND DOGSを中心とするメンバーのダンスと歌は、実に華麗である。主役の高木心平はミュージカル俳優ではないが、演出の工夫もあって、歌とダンスを素直に上手くこなしている。ライブショーではなく、ミュージカルとしてのステージを一度拝見してみたいものである。前回公演のDVDが発売されているようなので、機会を見て注文してみようと思う。
 もう1つのテニミュライブビューイングは、いつもながら楽しく鑑賞した(2013年9月29日、新宿バルト9)。サブタイトルは青学vs.氷帝feat.比嘉である。セカンドシーズンでは主役のリョーマ以外、その他ほとんどキャストが入れ替わって、全体に若返っている。とにかく出演者、特に青学メンバーが急速に力をつけてきたという印象を受けた。リョーマ役の小越勇輝君のダンスには一段とキレが、声には迫力が出てきた。他のメンバーも皆、大熱演で手塚部長役の多和田秀弥君にはリーダーとしての風格が漂って来た。対戦校のメンバーも全員、曲者揃いの雰囲気を十分に表現していた。全体に歌唱力がアップしたことは確かである。声のハーモニー、メロディの受け継ぎ、対比、どれを取っても安定感があった。ファーストシーズン最後のキャスト(高橋龍輝君ら)のDVDを改めて見たところ、両者甲乙つけがたいと感じた。それだけ今の若手キャストは進歩しており、テニミュというミュージカル自体が常に進化していることを確信した。日本のオリジナルミュージカルの革命的旗手として今後ますます発展していくことだろう。この勢いはもう誰にも止められまい。旧来の有名処の顔色ばかり伺うしか能のない、メジャーテレビ局やどこかの事務所に実質的に支配されている雑誌が如何に無視しようと、ミュージカル革命は着実に進行している。ミュージカルに限らず、テレビ、映画でも腐りきったメジャー勢力の崩壊は目前であると感じる。
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閲覧制限はいつどこにでも起こっているが・・・

2013-10-05 21:07:30 | 演劇 映画 音楽
少し前に、あるコミック本が閲覧制限されようとして逆に話題を集めた。それと似たような現象、つまり誰かをターゲットに視聴を制限し、見せないようにすることは、エンタメの世界、例えばテレビや映画、演劇、音楽などでも実は以前から起きていると思う。
テレビで取り上げる人や物はいつも決まっている状態を想起すれば、テレビというメディア自体がすでに色々と制限をかけていることは明らかである。テレビドラマでは老若男女が広く見ることが可能な時間帯は朝と夜の8-10時あたり(いわゆるプライムタイム)であり、昼ドラは主婦層、夕方のドラマ(最近はあまりないよう)は中高生とかいうように。昼や夕方のドラマは当然、社会人は見られない。そして、深夜ドラマは誰もが目にする機会が少ない。これが地上波テレビの従来の基本的図式だったと言えるだろう。
しかし、今はそうではない。録画機能の発達で良い意味でそれが崩れかかっている(あるいはすでに崩壊している)。そして、それは未だに主としてプライムライムに出演者を送り込むことで存続しようとしている芸能事務所による支配が終わったということでもある。そのことは先日終わった朝ドラでもその芸能事務所のタレントは一人も出演できなかったことからも明らかである。大した能もないのにのさばっていた報いなのだろうか?
ドラマは深夜やローカル局の番組がますます面白い。春からのドラマでは「みんな!エスパーだよ!」(http://www.tv-tokyo.co.jp/esper/)は三河弁を駆使して、若者(高校生)のエッチ嗜好をベースに人間の心理の様々なシチュエーションを爽やか(?)に描き出していて非常に興味深かった。そしてそれはローカル局への注目という点でも大きな成果を上げたと思う。方言をもっと前面に押し出して番組を作り、全国発信した方が多くの人々の支持されることを証明してくれた。もちろん、その内容はプライムタイムに放映できる訳がなく、それを逆手に取っての素晴らしい創作行為だということができる。同じく「ヴァンパイヤ・ヘブン」(http://www.geneonuniversal.jp/movie/sp/theorigin/index.html)、「リアル鬼ごっこ」(http://www.geneonuniversal.jp/movie/sp/theorigin/index.html)、「ムッシュ!」(http://monsieur-project.jp/index.html)、「押忍!!ふんどし部」(http://osufun.com/)、「おとりよせ王子」(http://www.geneonuniversal.jp/movie/sp/theorigin/index.html)などすべて楽しませていただいた。
実際、ローカル局の勢いは凄まじいものがある。「戦国鍋TV」http://www.geneonuniversal.jp/movie/sp/theorigin/index.htmlなど完全に定着してしたといって良いだろう。今、放映中のものではテレ玉の「モテ福」(http://www.teletama.jp/motefuku/)が注目株である。もう、御分かりだろうが、それらはすべて若手舞台俳優が活躍しているものである。それに現在放映中の某局の昼ドラでもアイドル崩れのタレントは一人も出ていない。
その他、テレビドラマの続編を舞台で披露するといった宣伝手法も続々出てきている(「ムッシュ」「ぶっせん」http://www.bussen.jp/)。それは言い換えれば、舞台に立てない、演技力の乏しいメジャーなテレビタレントなど、もう誰も見たくないということに他ならない。
音楽番組もそうである。テレビは音楽番組自体を締め出している。というか、特定のミュージシャンしか出さない。もう、昔の名前で新曲宣伝の時だけ出てくる実質的に終わったベテランとされるミュージシャンなどに誰も関心はない。そして、クズアイドルなど言語道断で、その状況は先日終わった朝ドラが痛快に示してくれた。
映画はどうか。単館上映(往々にしてレイトショー)の作品が非常に良い。テレビで大々的に宣伝する決まりきった作品など、誰が見るか? 実につまらん!! レイトショーという厳しい上映時間帯と上映期間の極端な短さ(せいぜい1週間)にもめげず、そうした作品に注目している人々は必ず鑑賞に行くものである。そして、今はDVDがすぐ出ることが多いので、それも追い風となってその人気が定着していると言えるのである。
メジャー所によるそうした巧妙な閲覧(視聴制限)にもめげず、多くの番組が健闘している中、最近の音楽関係では「超×D」(http://s.mxtv.jp/cho_d/)、「恵比寿ケチャップ」(http://www.stardustrecords.jp/tv/ebisu/)が要注目である。一見、アイドル風な青少年のバンドだが、歌や踊りが素直で好感が持てる。先日、池袋の東武デパートで、そのDISHのイベントが行われ、盛況だった。機会があれば、その良さを改めて論じたい。秋の地上波ゴールデンは相変わらず主演のほとんどがクズタレで埋め尽くされている。見るならやはり夜11時以降に限る。
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