読書の秋、今月は9日まで読書週間と言う。私は併読主義。
寝る前の枕読み、フッと間があいた時のチョイ読み、旅や移動
の時のじっくり電車読み。それぞれ違う本を読む。
今のチョイ読みがこれ。
著者の嵐山光三郎によれば、あの、スティーブ・ジョブズも
徒然草を読んでいたかも知れないと言う。
仏教徒で禅を好んだジョブズの信条や名言は、徒然草の内容と
一致するところが多いと言う。
高校生の時に教科書で読んだ一節が、著者を国文学者への道を
決めたと言う。
今日は、その事をなさんと思えど、あらぬ急ぎ先ず出で来て、
紛れ暮らし、待つ人は障り有りて、頼めぬ人は来たり、
頼みたる方の事は違ひて、思いよらぬ道ばかりはかないぬ。
わづらはしかりつる事はことなくて、
やすかるべき事はいと心苦し。
簡単に言えば、世の中、思うようにはいかないということだが、
これが、十六歳の嵐山君の頭にガツンと来た。まさに自分の状況
そのものだったという。
この本は徒然草の解説本だが、逐条解説ではなくテーマ別。
チョイと拾い読みするのにちょうど好い。
さて、快晴の昨日、家から3キロほど北にある吉川市の
三輪神社へ散歩。
まず常磐道沿いへ向かうとのどかな田園地帯。
三郷スマートインターの出口を過ぎたところで常磐道を潜る
と、大きな墓苑を持つ定勝寺(真言宗智山派)。その山門前の
「二合半大佛」を眺める。
三郷から吉川の一帯は、早稲の御用米を作る「二郷半領」
と呼ばれていたが、元は「二合半領」だったと言う。
関東群代の伊奈氏が、豊かな穀倉地帯となったこの辺りを、
「一生この地を治めたい」という四人の部下に「一生(升)を
四人で」と言って「二合半」、とな。また、元々「合」が集落
の単位であり、やがて「郷」に代わったとも言われる。
この先は新田用水路沿いを進み、昔の県道沿いにでたところ
に三輪神社がある。
江戸川の対岸、流山市三輪野山にある「茂呂神社」は、
奈良の三輪神社の御神体を分祀した神社。このあたりも
茂呂神社の神域だったが、江戸時代の江戸川の開削で分断
されたため、茂呂神社を分祀して三輪神社が作られた。
よって、この辺りの地名は三輪野江である。拝殿の裏、
本殿の壁の彫り物を見る。
戻りは、常磐道を潜った先で江戸川の土手に上がる。
水たまりは台風の増水ではなく、河川敷ゴルフ場の池である。
土手上は風があり、ちょっと汗ばんだ体に気持ち良い。