塵埃日記

つれづれなるままに、日々のよしなしごとなど。

仙台探訪③:松島(海岸線)

2009年09月16日 | 仙台
  
 ようやくというか、今回は仙台以上にポピュラーな名所松島です。ただ松島というと、一般的には松の小島が並ぶ景勝地といった漠然としたイメージだと思われますが、松島の見方には大きく分けて三つあります。

 一つは、遠く沖合いまで幾つとなく連なる島々の景観。もう一つは、古く平安時代頃から続く宗教や修行の場としての海岸線の古跡。最後に、伊達政宗が建立した瑞巌寺と周辺の趣です。

 このブログは一度に掲載できる写真が5枚までなので、まずは海岸線の古跡をご紹介しようと思います。

 松島へは、仙台駅からJR仙石線を利用します。30分ほどで松島海岸駅に着きます。紛らわしいことに、JR東北本線に「松島駅」がありますが、こちらはいわゆる松島からはおよそ遠く離れたところにあるので要注意です。

 松島海岸駅を出たら、瑞巌寺の案内を頼りに進むと良いでしょう。松島は海岸線を端から端まで歩けばほとんどの名所を巡れますので、まずは端まで行ってもよし、先に瑞巌寺を訪ねてもよしです。

 とりあえず瑞巌寺は次回に譲って、海岸に沿って北東へ歩きます。すると、赤い欄干の大きな橋が見えてきます。橋の名を福浦橋といって、その先の島を福浦島といいます。この福浦橋、昔はところどころ板が落ちていて下に海が覗けるほど古い木橋だったそうですが、今では立派なコンクリート橋となりました。橋の向こうの福浦島は、とりたてて何がある訳でもないので、一応渡ってみるもよし、眺めるだけで引き返してもよしです。


福浦島と福浦橋。
残念なことに、天気が余りよくありません。


 福浦島から駅のほうへ引き返して少し歩くと、観光ポスターなどでも良く見かける五大堂に着きます。五大堂は、言い伝えによれば坂上田村麻呂にまで遡る古いお堂ですが、現在の建物は伊達政宗によって建てられたものです。五大堂の見所は、お堂そのものというよりも、お堂が乗る島を含めた周囲からの景観です。肌色の岩のえぐれた小島にずっしりとお堂が据わり、その周りを松が彩る景色は絶品です。


五大堂


 この五大堂の道路を挟んだ向かい側当たりから、瑞巌寺参道口あたりまでがお土産屋の密集地なので、お好きな方は立ち寄りながら歩かれると良いでしょう。

 さて、五大堂からさらに海岸線伝いに駅へと南下すると、今度は観瀾亭があります。この観瀾亭は、伊達家の御仮屋御殿として使われ、秀吉が築いた伏見城の建物を政宗が拝領・移築したものとも言われています。仙台藩主の遊覧・観月に使用されただけあって、ここからの景色もなかなかのものです。観瀾亭では、座敷に上がって抹茶をいただくことができます。数年前に訪れたときには、縁側に座って一服飲みましたが、後で裏に回ると、水屋の前でガチャガチャと威勢よく茶筅を引っ掻き回すおばさま方を目にしてしまい興ざめした記憶があります。今回はさらにエスカレートしていて、券買所でお茶券セットを薦めてくるばかりか、お座敷にテーブルを並べて、俗っぽさが格段にアップしていました。


観瀾亭


 観瀾亭を過ぎると、急にあたりがさびしくなります。しかしめげずに今しばらく南に向かいます。駅を通りすぎると、右手に松島水族館が見えてきます。これも通り越すと、薄らさびしい山道になりますが、なおも進みます。すると左手に雄島の入り口が見えてきます。雄島は、古来より修行の場として使われ、島内のあちこちに岩窟が見られます。それもあってか、サスペンスドラマで松島が舞台となる場合は、大抵ここで人が死にます(笑)。今回は一人旅でしたが、誰かと来たときには是非とも死体写真を撮りたいと目論んでいます。雄島の見所は、島全体が古跡であるというだけでなく、この島から今まで見てきた福浦島や五大堂・観瀾亭などが一望の下に収めることができるところにあります。


雄島


 雄島から駅まではすぐです。電車の到着まで時間があるようでしたら、駅前に並ぶ海鮮料理屋で牡蠣でも召し上がってはいかがでしょうか。僕も、20分ほど待ち時間があったので、大ぶりの松島ガキを一つ炭火焼で食べました。

  



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