頼子百万里走単騎 "Riding Alone for Millions of Miles"

環境学者・地理学者 Jimmy Laai Jeun Ming(本名:一ノ瀬俊明)のエッセイ

2015年2月タイ・チュンポン&ホアヒン

2019-04-10 12:22:35 | 旅行

7日
 ホテルに大きな荷物を預け、リュックに必要なものだけ入れて2泊3日の南部巡検(チュラロンコーン大学のアレンジ)に出発。
 タイで道に迷ったら、警官に道を聞くべきだろう。市井の人はあまりあてにならない。ホテルまでわずか100mの距離から電話して行き方を聞いても、トゥクトゥクに乗れ、とか平気で言ってくる。大学で地理学とか教えている立場としては、悲しい限りだ。BTSのアソーク駅付近で、中国人女子学生のグループが「大皇宮」に行きたいと、地元の人に聞きまくり(英語で)、ことごとく「わからない」と言われ困っていた。タクシーではちょっと遠くてボラれるリスクあり。「行き方は2種類あるよ。地下鉄で国鉄の駅に行き、そこからタクシー。あるいは、サイアムで乗り換えてサファンタクシンから船。」 いつものように中国語でお説教する暇もなく。結局彼女らはどっちで行ったのか? おかげで5分ロス。
 地下鉄には7:45乗車。6つ先の終点まで15分でいけるだろうか。停車を含め1駅2分ならOK。駅の構内も前日に下見済み。7:55に到着。1駅1分半と近かった。土地勘があるからこそ、このようなタイトな動き方も可能。プラットフォームに入り、乗車のタイミングで国歌斉唱が始まる。小生も直立不動の礼を取る。5分後発車(8:05)。
 駅北の貧民街をのろのろと走り、西へ方向転換して数十キロ。近郊区間が終わる1時間後に南へと向きを変え、徐々に加速。まわりは観光と思しきフランス人だらけ。ウボン行きと違って2等席のみ、食堂車がないので車内食の配布あり。座席はガタガタ。軍人が検札に来て、あれこれわがまま言っているファランを一喝。

Taking SRT for six hours. Two days field survey in Chumphon.

(ゴルゴのひらめき)
 最初は貧民街をのろのろ進むとわかっていたら、万一乗り遅れても、タクシー飛ばせば、何駅か先で追いついて乗り込めるはず。(パニックになってしまうと思いつくのは困難だろうけど。)

 6時間かかってチュムポーン到着。10日間インターネットフリーのはずのSIMカードにトラブル発生。ショッピングモールのAISサービスセンターにかけこみ、スタッフのおねえちゃんと試行錯誤しながら15分かけて再接続成功。2011年版モトローラは時代遅れだと笑われた。ムスリム系の屋台が多く、マレーシア風の素揚げ(ゴレン)が目立つ。100バーツのでかい魚をかじってみた。10年ほど使ったデジカメもついに寿命。

 夜はジムジュム(タイスキの原型と言われる)の屋外レストランへ。ビール会社のキャンペーンコスチュームを着たスレンダーな女のコに、「一人だけどこれは食べ切れる量ですか?」と聞いてみると、「英語で言って」とたどたどしい英語が返ってきた。英語で繰り返してみたが、わからないという感じでボスを呼んできた。日本人を思わせる(タイ人らしくない)顔立ち。小生のタイ語が間違っていたのではなくて、彼女がミャンマー人だった。「ミンガラバー。チェズ・ ティン・バーデ―。」にちゃんと反応。山一つ越えるとミャンマー。ここは地峡なのでインド洋からも近い。モスクは細街路を50m入った日陰の目立たない小さな建物だったりするので、この街はまだイスラム的な南部ってわけではない。

Tasting Jimjum. The traditional Thai Suki. 150 bahts only. 30% of Bangkok!

孤独のグルメ150バーツ(500円)。バンコクのタイスキ専門店の3割。海鮮のは200バーツ。激安大量。タイ語の通じないバドガール(ミャンマー人)が持ってきた。

 夜空にオリオンを発見。シリウスの真下に明るく輝く星。南極老人星カノープス(竜骨座)だ。夏に来ればケンタウルスや南十字星も見えるだろう。

8日
 チュムポーンの食文化の一つが、朝食の点心(ディンサム)+バクテー(マレーシア風)。本格的な味だ。セクシーな女性DuoのNJがヒットしているらしいので最終日にCDを購入。

 今日の移動も結局鉄道になってしまった。バスも本数が少ないらしい。南部の都市から陸路でバンコクへは夜行が相場と決まっているようだ。3時間ほどでホアヒン到着。明日のバンコク行きは、各駅停車という手もある。ホアヒンからだと、ちょっと高いがミニバスも出ているらしい。

 駅からホテルは歩いて1km程度。かなり近くまで来てから確認のため、コンビニで道を聞く。案の定「わからない」。ホテルに電話する。Tuktukに乗れと言う。ばかげている。あと100m程度のはずだ。タイでは防衛上の理由から地理(地図)教育を敢えておろそかにしているとも聞いた。環境学と情報学にご造詣の深い王女様のご助力をいただいて、地図に親しみ効率的な社会を築こう、というような事業をすべきである。更に歩くこと5分。なんとか発見。
 チェックインのあと、夕方のビーチを歩いてみる。トイレはない。客は欧米からの高齢者ばかり。日本人もいない。しかし、あのおぞましきパタヤにくらべてなんと美しいことか。
 飲食街はヨーロッパ各国の植民地という様相だ。とりわけ、スカンジナビア系のバーが多い。ドイツ居酒屋で飯を食う。オーナー(ドイツ人)とパブリックビューを見ながらサッカー談義したのち、ノルウェーバーでクロカンスキーのパブリックビューを見る。

Absolutely better than dirty Pattaya.
Field survey (interview) on sustainable tourism was fruitful.

あのおぞましきパタヤにくらべればなんと美しいことか。

 たった300バーツといって誘う周囲のマッサージハウスにはとんでもないからくりがあるようだ。「ハッピーエンディング」という誘い文句も聞こえてくる。つまり、置屋のオプション(当然300どころの話ではない)もあるのだろう。能天気な白人男性は引っかかるに違いない。

9日

Local train tour of south Thai is joyful.

 朝、再び海岸を歩く。GPSのトラッキング機能のおかげで土地勘がなくても間違わずに歩ける。今朝は満潮で砂浜が水没している。
 乗車予定の各駅停車(たった42バーツと激安)は、1時間前まで切符を販売しない。おまけに今日は1時間遅れ。タイでは普通のようだ。
 300バーツで蒸した魚を平らげてから、再び駅へ。駅員は小生が一昨日南へ向かい、昨日こちらに到着したことを覚えていた。それだけ日本人が少ない、ということか。
 乗車して驚いた。売り子が次々にやってきては弁当やお菓子を薦めてくる。エアコンがなく、窓もデッキも全開で疾走。焼き畑の季節なので、車内にどんどん灰が入ってくる。GPSがバンコクまでの距離を示している。今日は4時間半の旅程だ。読書する気力も起こらない。うとうとしていたら、隣のボックスにいたドイツ人夫妻がバンコクについてからの道を聞きたかったらしく「英語話せるか」と聞いてきた。「ドイツ語でもいいよ。」と答えたら、地獄で仏に会ったような表情になって、地図を広げてきた。トンブリーから対岸のカオサンまでの行き方についてだ。地理学者の小生に任せなさい。

100 km to Bangkok. Taking a local train for four hours. 42 Bahts only.

なんだか苦行僧している感覚です。

 不便なタイの国鉄ながら、近郊区間(ナコンパトムくらいまで)は昼間でもそこそこの本数があるようだ。トンブリー駅は昔のままだ。有名な軒下を疾駆する列車の風景はここの話である。夫妻を見送ってからタクシーを拾い、最寄りのBTS駅へ。ホテルに戻ってからアラブ飯。

Assalarm alaikum

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2019年11月19日をめどにリアルタイムブログへ移行します

2019-04-10 12:20:39 | 日記

Goo Blog「頼子百万里走単騎 "Riding Alone for Millions of Miles" 環境学者・地理学者 Jimmy Laai Jeun Ming(本名:一ノ瀬俊明)のエッセイ」は
2019年11月19日をめどに、2019年11月1日からの(ほぼ)リアルタイムブログへ移行します。(Facebookのバックアップ作業完了となります)

<今後の見通し>
4/10現在 2013年9月
4/12 2013年10月へ
4/21 2014年1月へ
5/27 2015年1月へ
7/2 2016年1月へ
8/7 2017年1月へ
9/12 2018年1月へ
10/20 2019年1月へ
11/16 2019年10月へ

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2003年3月青海省西寧(タール寺)

2019-04-10 12:03:17 | 旅行

「汝に問う。仏とは何ぞや。」 

厳しいディベートが続きます。

Om Mani Padme Hum!

Debating philosophy in the Kumbum Monastery (སྐུ་འབུམ་བྱམས་པ་གླིང་) at Xining, Amdo.

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2013年9月14日(中国人留学生受け入れの心得)

2019-04-10 12:02:08 | 日記

中国人留学生受け入れの心得を書いています。

http://blog.sina.com.cn/s/blog_6a4d3cb00101ej8d.html

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2013年9月14日(屋上砂漠)

2019-04-10 11:56:18 | 日記

屋上緑化を10年放置したら恐ろしいことになった。2mで立ち枯れした松。一応食えそうなメロン。

Rooftop desert! (not green roof). Lack of maintenance has brought something strange. Pine trees of 2m around (died, the soil depth is 5cm only), Muskmelon?

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2013年9月16日(そういう教科書は存在しません)

2019-04-10 11:51:03 | 日記

これから修士を受験したいという日本語学校生から「受験のためのいい教科書はなんでしょうか」と相談がきた。「大学院でこの分野を勉強したいのですが」というのが先じゃないのか。入れるところにとにかく入りたい、という状況らしい。「そういう教科書は存在しません」と答えるべき愚問だろう。

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2013年9月16日(坊ちゃん)

2019-04-10 11:49:44 | 日記
新浪微博のフォロワーである湖南省の大学生(日本語学科)からの相談。夏目漱石が「坊ちゃん」を通して批判したかったものは何かをテーマに卒論を書くにあたり、資料を探しているという。中国語版になっている夏目作品は読んでいるが、日本語版は未読。地方の無名大学の日本語学科にも、夏目作品について指導できる人材がいるのだろうか。小生がコメントしたのは、これが書かれた日本の1900年代(日清・日露両戦争の間)について理解しなくてはならないから、最低でも、日本の高校歴史教科書を理解しておきなさい、というものだ。尖閣の領有権論争の原点に触れることにもなるのだが、この時代の評価については、当然両国で大きく見解が分かれるところであろう。このような教材設定をしている現場の教育機関の勇気に敬意を表すると同時に、このような人材がきちんと日本を理解できる人材に成長して欲しいと願う。小生は中国史ヲタクになりかけているが、あちらの歴史書をバリバリ読みこなしているわけではない。あちらの映画や歴史ドラマ(描き方は偏っているかもしれない)を趣味で鑑賞しているに過ぎない。しかし当時の習俗や時代背景を、世界史で学んだ知見と照合していくだけでも、さまざまな考察が容易になるだろう。「坊ちゃん」は何回か映像化されているので、ぜひそれを見てほしい、と付け加えた。
同時代ものでは「坂の上の雲」のほうが入手しやすいかもしれません。舞台も愛媛。
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2013年9月18日(つくば市立栗原小学校3年生のお友だち)

2019-04-10 11:40:42 | 日記

またしても残酷な実験?

つくば市立栗原小学校3年生のお友だち。どうもありがとう。(偽でんじろう先生より)
日付は2日遅れ、時刻は44分進んでます。

Scientific program for Kurihara elementary school (Tsukuba). Thanks for every pupil and teacher. Today's weather was the best.

偽でんじろう実験ショー無事終了。理想的な結果になりました。

今度はキミの小学校におじゃまします。(偽でんじろう先生)
7月後半に録画しました。

https://www.youtube.com/watch?v=8Phr6U6wiyg

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2013年9月19日(グリーンカーテンの実験)

2019-04-10 11:37:21 | 日記

Cooling effect by misting system on our green curtain.

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2013年9月19日(魔法の壷)

2019-04-10 11:32:48 | グルメ

笑い話。カストリ酒って、イタリアの安酒(Castori)とかだろうって、つい最近まで思っていたら、2005年夏にラオスで飲んだこれのことだった。

Magical jar of Laos. Pored water quickly turned to drinkable liqueur.

水を入れるとお酒が出てくる魔法の壷。

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