行き先不明人の時刻表2

何も考えずに、でも何かを求めて、鉄道の旅を続けています。今夜もmoonligh-expressが発車の時間を迎えます。

山形の四大ダムの紹介(その2)寒河江ダム&月山ダムの巻

2022年05月25日 | 土木構造物・土木遺産


さて山形四大ダムの紹介の続き。3番目に登場するのは「寒河江ダム」だ。国道112号を走行してくると見事なロックフィルダムの堤体が見えてくる。最上川水系寒河江川にある山形県では最大の特定多目的ダムだ。
堤高は112メートル、堤頂長510メートルだが、堤体積は10,350千立方メートルで、ロックフィルダムとしては徳山ダム、奈良俣ダム、高瀬ダムといた国内の名だたるダムに続いて4番目となる。国道からは見えないのだが、洪水吐も見事なものだ。
このダムも戦後の早い時期から開発計画があったが、白川ダムや長井ダムと同様、1967年の羽越豪雨で治水のあり方に大きな計画変更を求められたダムだ。白川ダム、長井ダムとともにダム脇にある最上川ダム統合管理事務所により管理されている。



山形県西村山郡西川町というところにあるが、とにかく「月山」にこだわっている。ダム湖は「月山湖」。国道112号は「月山花笠ライン」と呼ばれ、「月山第一・第二トンネル」をはじめ、ダム湖がんを走る山形自動車道では「月山インターチェンジ」、「月山パーキングエリア」、月山湖には「月山大橋」がかかる。
ここで有名なのが「月山湖大噴水」。この噴水は日本では最大の高さまで水を噴き上げるが、これが世界でも第4位というもの。その高さ112メートル(試験噴射では149メートルまで噴射しているので、実際は世界第2位とのこと。)。
「月山」の名とともに、噴水の高さでもある「112」という数字にも縁がある?国道112号、堤高112メートル、水没移転世帯数112戸、1990年の完成式典は、11月2日などなど。これも拘りか偶然か。とにかく印象に残るダムである。



しんがりで登場するのは「月山ダム」。これまで紹介してきた三つのダムと同じく国土交通省東北地方整備局の直轄ダムだが、このダムだけは赤川水系の梵字川(ぼんじがわ、鶴岡市)に設置された重力コンクリート式の多目的ダムだ。
堤高123メートルで、長井ダムに2メートル及ばず東北地方整備局管内のダムでは3番目の高さ。建設時、RCD工法やコンクリートのベルトコンベア運搬、プレキャスト部材を使用するなど、合理化工法で工期短縮と工費の増大を抑えたシステムが導入された(「ダム便覧」を参考に記載)。
丁度お邪魔したときにはクレストゲートから放流が行われていて、緩やかなカーブを描く放流口から、豪快に水しぶきを上げる様は大迫力!ダムそのものを楽しむには絶好のダムでもある(ダム見学者は、4つのダムの中で一番多かった)。



完成年が2001年ということもあって、寒河江ダムより11歳年下。同じ月山の麓にあって、「月山ダム」でありながら「月山」という名前をことごとく寒河江ダムに使用されたことから、ダム湖も「あさひ月山湖」と少し紛らわしさがともやもやが抜けない感がある。
見どころは、実はダム湖上でT字交差点を有する「あさひ月山湖大橋」と「弘法物見橋」があることだと、事前の調査で決めつけていた。ところが残念ながら上流部に続く道路は、まだ冬季間の扱いで通行止めだった、残念!
この月山ダムでは、管理事務所に申し込むことでダム内部の見学ができる。ダムマニアにとっては最高のサービス。といっても、今回の4か所のダムとも、係の方は優しく丁寧に説明してくれたのが印象的だった。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする