時間のしずく time drops 

たいせつなもの。すきなこと。

ひとしれず咲く

2016-10-05 | essay


 

身を潜めるように咲く 一輪の曼珠沙華を見つけた。
彼岸花は、大勢で群生しているものよりも
一輪で咲いているものにより趣を感じるのは何故だろう。

その華奢な体に隠しているのは悲しみ、それとも情熱。


ひっそりと。

2016-10-04 | essay




久しぶりに公園を通ったら・・・
子どもたちが小さい頃すきだった「ビョンビョンの木」が~。



この朽ち具合をみると 仕方がなかったのかな・・・と思う。
思えば確かに近年、丸坊主になっちゃった枝が目立って
生気があまり感じられなかったような気もする。
倒木の危険があってきっと伐採されてしまったのね・・・

小学生の頃まではよく遊びにきた大きな公園。
子どもたちが公園内の小川や池へとてんでに遊んでいても
わたしたちの集合場所はいつもここ、「ビョンビョンの木」だった。

子どもたちをその枝にいつも乗せてくれて ありがとうね。
ビョンビョンと空に飛びそうなほど大きく枝をしならせて遊んでくれてありがとう。

この遊びがだいすきだったムスメ、まだ幼稚園くらいの頃
「おおきくなって、ベビちゃん産んだら、乗せてあげるんだ~!」
って言ってたのにね。ざんねんだな。

たくさんのたのしい時間を一緒に過ごした おおきなおおきな白樫の木。
わたしはずっと忘れないよ。

春が来て、この切り株から新しい芽が出ないとも限らないしネ!?


秋空のセミ

2016-10-02 | essay



夏が戻ってきたような空に
一匹のセミの声が。

そりゃあ、今日は暑かったけど
カレンダーはもう10月なのだよ。

自転車で、高らかなセミの声の下をくぐり抜けながら
昨日までの涼しさと、明日からの雨を思うとちょっと心配になる。

ひとりで鳴いてる彼は、ちゃんと仲間に会えたのかな。
そして伴侶にも巡り逢えたのだろうか・・?

同じような遅咲きの仲間がいることを祈る!


「第三の男」と古い映画館

2016-10-01 | 映画 のこと



久しぶりに「第三の男」The Third Man(1949年イギリス映画)を観た。
図書館のDVDライブラリーにてレンタル。

昔何度か観ているのだけれど、改めて観ると
この映画は本当に映像がうつくしい。
ワンカットワンカット、全部考え抜かれたベストなアングルで
どのシーンもまったく無駄がない。

思い返すと、モノクロの美しい写真集を観ていたような錯覚が起きるほど。

解説で淀川長治さんが(サヨナラサヨナラサヨナラのおじさんね)
「これはもう映画の教科書です」と言い切ってらしたけれど正にその通りだなあ。

この映画を初めて観たのは、十代の終わり頃。
日比谷にあった古い映画館が閉館してしまう時に、
確か「第三の男」と「死刑台のエレベーター」の二本立てで観たのだった。
趣のある古い映画館で観るモノクロ映画は、なんとも言えない味わいがある。
この映画は、映画館の独特な空気と一緒にしっかり記憶に刻まれてる。。。

わたしも当時は若者だったはずなのだけれど、やっぱり古いものがすきなのは昔からなのね。

けれども、場所の記憶はどうもおぼろで、勝手に日劇だったような気がしていたのだけれど
調べたら日劇が閉館したのは、1981年。それだとわたしはまだ高校生。

高校生ではなかったことだけは確かなので
わたしが第三の男を観た場所は、どうやら「日比谷映画」だったみたい。
1984年、さよならフェスティバルの一環だったようだ。
劇場内部の印象がまあるい感じだったことは覚えているのだけれど、
かなり後方から観ていた大きなスクリーンとたくさんの客席が思い出せるだけで
せっかくの古い建築物としてのディテールの記憶はないんだなあ。

今のわたしがそこに居たなら、そこもここもどこも撮りたくなっちゃうほど
きっと魅惑的な建物だったのだろうなあ。

不朽の名作を古き良き映画館で観ておくことができた最後の世代だったのかも。

あのチターの調べ・・・。
昔の映画は本当にいいですねえ。

手に汗握る「死刑台のエレベーター」も観たくなっちゃったな~!


メッセージ♪

コメント欄は設けておりません。お便りはこちらからどうぞ♪

ブログ村

にほんブログ村 写真ブログ フォトエッセイへ
にほんブログ村

心象風景写真へ。

人気ブログランキングへ