新古今和歌集の部屋

唐詩選画本 従軍行三首 其一 王昌齢 蔵書

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
        しうぐんこう                おうせうれい
    従軍行       王昌齢
ほうかしやうせいひやくしやくろうくはうこんとくざかいふうのあき
烽火城西百尺樓黄昏獨坐海風秋
さらにふくきやうてきをくはんさんげつなしいかんともする事きんけいはんりのうれいを
更吹羌笛關山月無那金閨萬里愁
 
ゑひすしれぬやうにしろをきつきそれを烽火城といふて用心にする烽火をあくるばのぐるりに人のとをられぬやうに
かまへをしておくなり。このところへじうくんにきてひとりざしていればゑひすのかたから秋風がふききたつてもの
すごい事じや。かふしたふうけいを見るさへあるにこのものかなしいにさらにいづかたにかふゑをふくがきこへることに
関山月のきよくをふくゆへわれはかまわねともこきやうをおもふじようがせうしてどふもならぬ。金閨とは
さいしとものことをふくむなり。烽火は遠見のばんのあいづなり。くわしくはせんちう又はかう釈本にあり。

從軍行三首 其一
     王昌齢
烽火城西、百尺の楼、
黄昏(こうこん)独り坐すれば海風秋なり。
更に羌笛を吹く、関山月。
金閨万里の愁えを那(いか)んともする無し。
 
 
意訳
のろし台の西にそびえる高い楼閣の上に、
たそがれ時、独り座っていると、青海から吹く風はすっかり秋となっている。
更に、誰かが羌笛で関山月の別れの曲を吹いている。
遥か遠くの故郷にいる妻の閨に思いを馳せる事を止める術も無い。
 
 
※三首 其一 七首連作の第一首。
 
 
 
※烽火城 のろし台。
 
※百尺 唐代は、小尺=約23cm、大尺=約29cmと言われている。30m弱の高楼となるが、とても高いと言う表現と解した。
 
 
※海風 青海(ココノール湖)から吹く風。
 
 
羌笛 羌(チベット系異民族)の笛。
 
 
※関山月 笛の曲名。
 
 
金閨 出征兵士の妻の部屋。
 
桂花陳酒 麗紅


 
 

唐詩選畫本 七言絶句 巻三

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