新古今和歌集の部屋

和漢朗詠集 山家 源順、紀斉名 筆者不明断簡コレクション

 
南望則有関路之長行人征馬駱驛於
 
翠簾之下東顧亦有林塘之妙紫鴛
                  順
白鷗逍遥於朱檻前
                  紀斉名
山路日暮滿耳者樵謌牧笛之聲
 
戸鳥歸遮眼者竹煙松霧之色
 
 
 白河院秋花遂露開序
        源順
南に望めば則関路の長き有り、
行人征馬翠簾の下に駱驛たり。
東に顧れば亦に林塘の妙なる有り、
紫鴛白鷗朱檻前に逍遥す。
 
意味
南の方を眺めると、逢坂の関に通じる長い道があり、旅人やその馬が簾を通して連なって行くのが見える。
東を顧みれば、林の塘(つつみ)の素晴らしく見え、紫の鴛鴦、白い鴎が朱色の手すりの前で遊んでいる。
 
 暮春遊覧 同賦逐処花皆好
        紀斉名
暮春之月…
山路に日暮ぬ。
耳に満てる者は樵歌牧笛の声。
戸に鳥帰る。
眼を遮る者は竹煙松霧の色。
…謂傍人何云ふ爾。
 
意味
山路に日が落ちる。聞こえるのは、木こりの歌と牧童の笛の音だけである。
谷間の家には、鳥が帰る。景色を遮って目に映るのは、竹藪の夕もやと松林の霧の眺めだけである。
 
令和3年9月19日 壱

コメント一覧

jikan314
通りすがり様
ご指摘ありがとうございます。通りすがり様のご指摘の通りですので、後程訂正いたします。
又、拙蔵書も誤読していました。
漢詩と和歌、楷書と草書、倭漢朗詠集はとても面白いので、いくつかコレクション、蔵書しております。
写本には、日落と日暮の種類があるようです。又ご指摘頂ければ幸いです。
日の暮れて道に迷ふも月あかり
通りすがり
ふと気づいたのですが、
本文の後ろから2行目で、
山路日落としていますが、どう見ても日暮ですよね。
日落としている写本もあるのしょうか?
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