新古今和歌集の部屋

新古今集聞書他古注書写本 秋歌上 雅経 葎宿秋夕 蔵書

なりといひすてたる哥なり。又説花紅葉も

なき躰かへりておもしろしと秋の感を見てたてゝ

さても言語道断の事外と思ふに花紅葉も

なしものをかざりなどもせぬ真実の事はあるといふ

にや。巧言合色を聖人のいさむる道理によく相

叶か人間万事如此涙おさへがたき哥なり。

○たへでやは思ひありともいかゞせん葎のやどのあきのゆうぐれ

本哥
おもひあらばむぐらの宿にねもしなんひじき物には袖をし
                                 つゝも

とふまゝの思ひありとも葎の宿の秋の夕ぐれは

たへでやはあられんと云一説なり。されどもその注

ばかりにてもきこゑがたし。此思ひあらばには

かはりたるにや本哥は玉楼金殿なりともかひなく

るべしといふをいひかへたる哥なり。たへでやは

とはおもふやうなる事ありとも秋の夕暮には

たへでやはあられんときこへ侍り。

 

 

※作者欠→藤原雅経

※聞書に無く、出典は不明。

※おもひあらばむぐらの宿に~
伊勢物語三段 ひじき藻
                   業平
思ひあらばむぐらの宿にねもしなんひじき物にはそでをしつゝも

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