最近の鳩は調子に乗ってる。私が子供の頃の鳩は人間にたいして臆病さがあってまだかわいらしかった。だけど最近のあいつらの態度は何だ!人間が襲うことはないとわかってなめきってやがる。何もしていないのに、私に飛び掛かってくる奴さえいる。そんななまいきな鳩だが、以前は好きだった。私は鳩をみるたびにあるおじさんを思い出す。そのおじさんは鳩が大嫌いだった。
もう何年も前の話になるが、私は小さな酒屋さんでアルバイトをしていた。今日はそこで働いていたおじさんの話である。
おじさんは五十代後半で頭はハゲあがり背格好はひょろっとしていて遠くからみると綿棒のようだった。でも年を感じさせない元気なおじさんだった。
おじさんは酒屋の仕事が暇になると籠と棒と紐を用意して、簡単な仕掛けを作り外にいる鳩を捕まえていた。おじさんは捕まえた鳩を私に見せながら
「私はね、鳩が大嫌いなんだよ。だってこいつらは表情がないだろ?何をやっても無表情で、笑わないし。おい、笑え!」
そういっておじさんは無理矢理鳩のくちばしを持って口を開け閉めして、鳩が笑ってるような表情を作ってみせた。
「ぽっぽっぽっぽっ」
吹き替えつきで、まるで鳩が笑ってるようにみえた。鳩が笑ってる姿をみておじさんは満足そうな笑みをみせたのであった。
そんなおじさんのいたずらは鳩だけにとどまらなかった。
私が店内で働いているとおじさんが外から慌てて走ってきた。
「外にある旗のとこに緑色の蝶々が飛んでるよ!見ておいで!」
私が走って見に行くと緑色の蝶々なんかいなくて、そこには大量のゲロが・・・。
「あれっ?いないぞ」
変だな~と思い振り向けばおじさんは腹を抱えて大笑いをしている。
「緑色の蝶々なんかいるわけないじゃない!」
まんまとおじさんに私は騙されたのであった。
そんな鳩おじさんの事を思い出しながら、毎日みる何羽もの鳩の中におじさんに教育された笑う鳩が1羽くらいいるんじゃないかとついつい探してしまう私であった。
もう何年も前の話になるが、私は小さな酒屋さんでアルバイトをしていた。今日はそこで働いていたおじさんの話である。
おじさんは五十代後半で頭はハゲあがり背格好はひょろっとしていて遠くからみると綿棒のようだった。でも年を感じさせない元気なおじさんだった。
おじさんは酒屋の仕事が暇になると籠と棒と紐を用意して、簡単な仕掛けを作り外にいる鳩を捕まえていた。おじさんは捕まえた鳩を私に見せながら
「私はね、鳩が大嫌いなんだよ。だってこいつらは表情がないだろ?何をやっても無表情で、笑わないし。おい、笑え!」
そういっておじさんは無理矢理鳩のくちばしを持って口を開け閉めして、鳩が笑ってるような表情を作ってみせた。
「ぽっぽっぽっぽっ」
吹き替えつきで、まるで鳩が笑ってるようにみえた。鳩が笑ってる姿をみておじさんは満足そうな笑みをみせたのであった。
そんなおじさんのいたずらは鳩だけにとどまらなかった。
私が店内で働いているとおじさんが外から慌てて走ってきた。
「外にある旗のとこに緑色の蝶々が飛んでるよ!見ておいで!」
私が走って見に行くと緑色の蝶々なんかいなくて、そこには大量のゲロが・・・。
「あれっ?いないぞ」
変だな~と思い振り向けばおじさんは腹を抱えて大笑いをしている。
「緑色の蝶々なんかいるわけないじゃない!」
まんまとおじさんに私は騙されたのであった。
そんな鳩おじさんの事を思い出しながら、毎日みる何羽もの鳩の中におじさんに教育された笑う鳩が1羽くらいいるんじゃないかとついつい探してしまう私であった。