カンボジアだより シーライツ

国際子ども権利センターのカンボジアプロジェクト・スタッフによるカンボジアの子どもとプロジェクトについてのお便り

スタディーツアー報告④HCC事務所訪問

2008年10月03日 11時21分21秒 | Weblog
こんにちは。宇野です。今日は、スタディーツアー報告第4回、HCC(Healthcare Centre for Children)事務所訪問についてです。スタディーツアー初日に家庭訪問をした、牛銀行や奨学金制度を実施しているHCCの事務所を訪問し、HCCの活動目的や活動内容などについてのお話を、代表のテリーさんから伺いました。ツアー参加者の三関理沙さんが、その報告を以下にして下さいます。

HCC(HEALTHCARE CENTER FOR CHILDREN =子どものためのヘルスケアセンター)を訪問して
神田外語大学外国語学部英米語学科4年 三関理沙

2008年8月28日にHCCの事務所を参加者全員で訪れました。シーライツがプロジェクトを協働で実施している団体HCCは、子どもの人身売買や性的搾取を防ぐこと、そして性的搾取被害を受けた子どもたちの体と心の健康を守ることを目標として活動しています。1998年に設立され、団体名からわかるように発足当初は、子どもの医療ケアに重点を置いていました。活動を続けていくうちに、子供たちが困難な状況に置かれる原因解決に取り組むようになっていきました。現在、シーライツは、子どもの人身売買を防止するためのネットワーク作りと、収入向上プログラムの支援をしています。

 HCCの活動は、防止活動と保護活動に分けられます。私たち参加者が訪れたスバイリエンでの学校・地域ベース人身売買防止ネットワークは、意識啓発活動、そしてその後に私たちが訪れた家庭への奨学金・牛銀行の支援は、防止活動として行われています。保護活動としては、私たちが訪れ、宿泊したHCCグッデイセンターの運営が挙げられます。性的搾取や人身売買、ドメスティックバイオレンス、児童労働、親との離死別などの理由により保護された、子ども・女性たちのシェルターの運営です。HCCが運営しているシェルターは、他にココンにあと2つあります(間違ってたらすみません、今HCCはココンに2つもシェルターをもっているのでしょうか。確認まで。)。このグッディーセンターは今まで1000人以上の子ども・女性が利用しています。保護された子ども・女性は、まず保健ケアを受けることができます。その後、カウンセリングを行い、必要に応じて家族探しをします。精神的に不安定で、シェルターでの生活が困難な場合は、他の専門施設に行くこともあります。その子ども・女性からのニーズを基に、シェルターでの今後の生活を決めていきます。グッデイセンターでは、単に子どもたちをシェルターに保護するだけでなく、クロマー作り、縫製、美容などの職業訓練の機会も準備しています。現在、6歳から23歳の子ども・女性が共同で暮らしています。また職業訓練のほかに、算数や英語の勉強、また社会復帰に生かせるようにライフスキルの勉強も行います。カンボジアの習慣や文化、伝統的行事を知らずにHCCグッデイセンターで育った子どもが多いため、生活の基礎知識の勉強もします。また、子どもの権利や性的搾取や人身売買の手口について学ぶ授業もあります。
 こうして、教育支援や職業訓練を受け、子ども・女性たちは就職していきます。故郷へ帰らず、縫製工場などで働く女性たちには、1,2ヶ月の家賃また寝具などが提供されます。故郷の村に帰る子ども・女性には、ミシンなどが提供され、帰郷後も収入が確保できるようにサポートが得られます。

 HCCは、防止活動・保護活動共に様々な活動を行っており、現地で実際に支援を受けている家庭を訪問したり、保護された子ども・女性たちと生活できたことで、HCCの活動の重要性を強く感じました。参加者の私たちよりも幼い小学生や中学生が、子どもの権利について自分の意見を他の人の前で堂々と発言している姿、グッデイセンターで将来の生活のために職業訓練を毎日受ける子ども・女性たちの姿を見て、彼・彼女たちのたくましさをとても感じ、私が日本で何ができるか考えさせられました。これからもHCCの活動が広まり、子どもの人身売買や性的搾取を防ぎ、性的搾取された子どもたちへ夢を与えていってほしいと思います。

写真は、HCC代表テリーさんから活動紹介を頂いている時の写真です。

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