夜中。
つま先が寒くて何度か目が覚めた。
何度か寝返ってみる・・・
4/29 5:00AM
テント村の朝は早い。
「炊き出しがあまっています~。どなたか食べて頂いた方が助かります~」
おじさんの声。
大声といえばそうだけど人の良さがあふれるあじの有る声。
そんなアナウンスで目が覚める。
5時だけどすっかりテントの中は明るい。
夜中寒かったなぁ。
何か対策考えないと。
さて、朝食を済ませて7時までゴロゴロ。
装備を整えてセンターに行ってみる。
おー居る居る。
この人たち全員ボランティアなのか。すげー。
早速同じ辺りに並んだ人達と話をしてなか良くなった。
A「こういう作業じゃなによりネコが大活躍するんだよ」
そう話すのは土木関係で働いてたらしいおじさん。
なんでネコが大活躍なんだろうか?と思って話を聞いているとどうやら動物の猫の事ではないらしい。
工事現場で使われる道具の事を言ってるんだと思うんだけど。
方言か何かだろうか?
他にも経営者を集めて経営について講演をしてる人とか、新潟の会社の女性事務員さんとかいろんな人が集まっている。
A「この地震で現場の仕事なくなっちゃってねぇ」
B「ほら社長とか役員達も建て直しに必死で講演に集まるどころじゃないし、ボランティア経験も良い経験になるしね。講演のネタにもなるでしょ」
C「私にも何かやれる事があるんじゃないかと思って来たんですぅ・・・」
みんなそれぞれなんだなぁ。
A「昨日は130人分ぐらい仕事があったみたいだよ。ちょうど今の辺りで130ぐらいかも知れない」
辺りを見渡して言う。話をしている間にどんどん行列の人は増えていく。
B「今日は昨日に比べて人が増えてるね。団体のバスが来てるからかな」
そういえば旅行バスみたいなのが2台止まっている。
午前の仕事は大丈夫そうだけど午後の仕事はあぶれちゃったりするのかな・・・?
8:30
センターが開いて列が動き始める。
中でボランティア登録して早速派遣先が決まる。
10:30
午前の仕事は庭の泥出し。
訪問した家は幸い健在だったものの、
庭や畑をおおったワラやヘドロをすべて取り除かなければいけない。
総勢40人で取り掛かった。
農業用のフォークでワラをかき集めて一輪車のせて捨てにいく。
ワラがなくなったら角スコップで土が見えるまでヘドロを掘って一輪車にのせて捨てに行く。
朝の話に出た「ネコ」とはこの一輪車の事らしい。
この名前みんな普通に使ってる。
方言じゃないのか。なんで「ネコ」なんだろう・・・
この作業では角スコップが大活躍。
先が三角形の剣スコップはあんまり使えない。
「ネコ」は「ネコ」で結構体力を使う。
ワラや泥をなるべく高く積み上げるために山に木の板を敷いてその上を荷物満載の「ネコ」を猛ダッシュして押し上げなければならない。
それにしてもこのヘドロの臭いがなんとも気持ち悪い。
さらに腐敗した魚を発掘するとこれがまた強烈な臭いだ。
こんな環境に住むのはかなり辛いはず。
早く何とかしなきゃだ。
寒いくらいだったのに体動かすとむちゃくちゃ暑い。
ヘドロを掘ってるとヘルメットからガンガン汗が流れ落ちてくる。
マスクも汗を吸って呼吸がしにくくなってくる。
マスクは一日2-3枚は必要だな。
みんなで2時間頑張ったけど5割り片付いたかどうかってとこか。
家の敷地広すぎるよ・・・くそぅ。
2時間すると強制帰還となる。
あとは午後配属の人に任せるとしよう。
12:30
センターに戻り早速午後の仕事の列に並ぶ。
並んでる最中にボディバックからパンとカロリーメイトで昼食。
左腕の疲労はスコップ、背中の疲労感はネコが原因かな。
ちょっと疲れて眠くなるけど列が進むので寝れない。
午後の二件目は塩害に悩む畑。
塩を吸った畑の表面は固形化してひび割れてパズルのピースみたいになってる。
固形化してる部分を角スコップですくってネコで捨てる。
ヘドロよりはずいぶんと楽だし作業の進み具合が目にわかりやすくサクサク作業が進む。
しかしやはり広い。
20人で取り掛かり一通り作業を終わらせる事が出来た。
我ながらかなりいい感じに仕事が出来たと思う。
17:00
テント村に戻ってきた。
「あ!!Jさん!!あたしすごいよ!!イイ仕事したよ!!」
昨日の佐渡の漁師だ。
まさか・・
「場所押さえて来たから!!」
おぉぉ・・本当にやりやがったか。
「夕食とったら打ち合わせね!!」
おいおいまいったな。
とりあえず風呂と夕食をとるためにバイクで出かける。
岩沼市は市街地は津波の被害が無かったため店などは普通に営業している。
マーケットや衣料品店など安心の充実ぶり。
すき家やマックが普通に営業してるのを見た時は被災地である事を忘れそうになった。
さすがにテント村に風呂は無いけど近くのホテルで日帰り入浴が出来る。
(テント村のトイレが洋式水洗でトイレットペーパーも有ることに驚いた)
風呂でさっぱりしてすき家で夕食。
まさかすき家の新メニュー「白髪ねぎ牛丼」をココで食えるとは思わなかった。
しまむらでジャージのズボンを買って帰る。
さてテント村で打ち合わせ。
「そこの体育館が避難所になってて、そこで明日の16時から15分間取ったから!!」
(15分間かよ!!うーん。イタリア歌曲って1曲2分ぐらいだから曲解説入れて4曲で形になるかなぁ?
イタリア歌曲だけ歌ってもポカーンだろうし2曲は日本歌曲が良いかな。過去に歌って歌詞覚えてて無伴奏でも映える歌かぁ・・・)
イタリア歌曲2曲の日本歌曲2曲でどうだ?
「なんかこう有名なの歌ってよ!!」
有名なのって何さ?
「たとえば「私のお父さん」とか。私好きなのよあの歌」
それソプラノだし。歌った事無いよ。
「テノールが歌ったっていいじゃない。あとは・・闘牛士の歌とか?」
それフランス語だし。間近で聞いてたし合唱やった事あってパーツパーツでは歌えるけどなぁ・・・
「じゃ「誰も寝てはならぬ」は!?」
でた。えー。それは、、、えーっと。すんません。俺の力不足で出来ないです。はい。
あの最後の音出ません・・・。
「そんなの移調すればいいじゃない」
そんな事言ったって歌詞もおぼえてねぇし。
とりあえずなんとかプログラム組むから。
-----------------
うーむ困った。困った事になったぞ。
いざ歌いはじめたら歌詞カードを追ってる余裕なんて無いわけでやっぱりある程度歌った事ある歌が良い。
ただ歌える歌だけつなげたって無意味。聞いてくれる人に意味の有る曲を選ばなきゃ。
日本歌曲の本持ってこなかったの痛かったなぁ。俺何が歌えるんだったっけか・・・
人前で歌うなんて2-3年ぶりか。うー緊張する。
何人聞いてくれるんだろう・・・
とりあえずiPhoneで曲名検索。
歌えそうな曲はyoutubeで聞いて確認をする。
闘牛士の歌の日本語歌詞って見つからないなぁ・・・やっぱりフランス語だと歌った事無い部分は一晩じゃどうにもならない感じだ。
イタリア歌曲は当然暗譜で歌うとして日本歌曲は歌詞を見ながら歌う事にした。
早速ノートを買ってきてインターネットで歌詞を調べて書き写す。
客層がわからないので日本歌曲を6曲ほど選ぶ。
歌解説のためにwikiで作曲/作詞者さんを調べて肉付けをする。
マジiPhone感謝。ケータイ繋がって良かった。
うん。これならなんとかなりそうだ。
--------------
つま先が寒くて何度か目が覚めた。
何度か寝返ってみる・・・
4/29 5:00AM
テント村の朝は早い。
「炊き出しがあまっています~。どなたか食べて頂いた方が助かります~」
おじさんの声。
大声といえばそうだけど人の良さがあふれるあじの有る声。
そんなアナウンスで目が覚める。
5時だけどすっかりテントの中は明るい。
夜中寒かったなぁ。
何か対策考えないと。
さて、朝食を済ませて7時までゴロゴロ。
装備を整えてセンターに行ってみる。
おー居る居る。
この人たち全員ボランティアなのか。すげー。
早速同じ辺りに並んだ人達と話をしてなか良くなった。
A「こういう作業じゃなによりネコが大活躍するんだよ」
そう話すのは土木関係で働いてたらしいおじさん。
なんでネコが大活躍なんだろうか?と思って話を聞いているとどうやら動物の猫の事ではないらしい。
工事現場で使われる道具の事を言ってるんだと思うんだけど。
方言か何かだろうか?
他にも経営者を集めて経営について講演をしてる人とか、新潟の会社の女性事務員さんとかいろんな人が集まっている。
A「この地震で現場の仕事なくなっちゃってねぇ」
B「ほら社長とか役員達も建て直しに必死で講演に集まるどころじゃないし、ボランティア経験も良い経験になるしね。講演のネタにもなるでしょ」
C「私にも何かやれる事があるんじゃないかと思って来たんですぅ・・・」
みんなそれぞれなんだなぁ。
A「昨日は130人分ぐらい仕事があったみたいだよ。ちょうど今の辺りで130ぐらいかも知れない」
辺りを見渡して言う。話をしている間にどんどん行列の人は増えていく。
B「今日は昨日に比べて人が増えてるね。団体のバスが来てるからかな」
そういえば旅行バスみたいなのが2台止まっている。
午前の仕事は大丈夫そうだけど午後の仕事はあぶれちゃったりするのかな・・・?
8:30
センターが開いて列が動き始める。
中でボランティア登録して早速派遣先が決まる。
10:30
午前の仕事は庭の泥出し。
訪問した家は幸い健在だったものの、
庭や畑をおおったワラやヘドロをすべて取り除かなければいけない。
総勢40人で取り掛かった。
農業用のフォークでワラをかき集めて一輪車のせて捨てにいく。
ワラがなくなったら角スコップで土が見えるまでヘドロを掘って一輪車にのせて捨てに行く。
朝の話に出た「ネコ」とはこの一輪車の事らしい。
この名前みんな普通に使ってる。
方言じゃないのか。なんで「ネコ」なんだろう・・・
この作業では角スコップが大活躍。
先が三角形の剣スコップはあんまり使えない。
「ネコ」は「ネコ」で結構体力を使う。
ワラや泥をなるべく高く積み上げるために山に木の板を敷いてその上を荷物満載の「ネコ」を猛ダッシュして押し上げなければならない。
それにしてもこのヘドロの臭いがなんとも気持ち悪い。
さらに腐敗した魚を発掘するとこれがまた強烈な臭いだ。
こんな環境に住むのはかなり辛いはず。
早く何とかしなきゃだ。
寒いくらいだったのに体動かすとむちゃくちゃ暑い。
ヘドロを掘ってるとヘルメットからガンガン汗が流れ落ちてくる。
マスクも汗を吸って呼吸がしにくくなってくる。
マスクは一日2-3枚は必要だな。
みんなで2時間頑張ったけど5割り片付いたかどうかってとこか。
家の敷地広すぎるよ・・・くそぅ。
2時間すると強制帰還となる。
あとは午後配属の人に任せるとしよう。
12:30
センターに戻り早速午後の仕事の列に並ぶ。
並んでる最中にボディバックからパンとカロリーメイトで昼食。
左腕の疲労はスコップ、背中の疲労感はネコが原因かな。
ちょっと疲れて眠くなるけど列が進むので寝れない。
午後の二件目は塩害に悩む畑。
塩を吸った畑の表面は固形化してひび割れてパズルのピースみたいになってる。
固形化してる部分を角スコップですくってネコで捨てる。
ヘドロよりはずいぶんと楽だし作業の進み具合が目にわかりやすくサクサク作業が進む。
しかしやはり広い。
20人で取り掛かり一通り作業を終わらせる事が出来た。
我ながらかなりいい感じに仕事が出来たと思う。
17:00
テント村に戻ってきた。
「あ!!Jさん!!あたしすごいよ!!イイ仕事したよ!!」
昨日の佐渡の漁師だ。
まさか・・
「場所押さえて来たから!!」
おぉぉ・・本当にやりやがったか。
「夕食とったら打ち合わせね!!」
おいおいまいったな。
とりあえず風呂と夕食をとるためにバイクで出かける。
岩沼市は市街地は津波の被害が無かったため店などは普通に営業している。
マーケットや衣料品店など安心の充実ぶり。
すき家やマックが普通に営業してるのを見た時は被災地である事を忘れそうになった。
さすがにテント村に風呂は無いけど近くのホテルで日帰り入浴が出来る。
(テント村のトイレが洋式水洗でトイレットペーパーも有ることに驚いた)
風呂でさっぱりしてすき家で夕食。
まさかすき家の新メニュー「白髪ねぎ牛丼」をココで食えるとは思わなかった。
しまむらでジャージのズボンを買って帰る。
さてテント村で打ち合わせ。
「そこの体育館が避難所になってて、そこで明日の16時から15分間取ったから!!」
(15分間かよ!!うーん。イタリア歌曲って1曲2分ぐらいだから曲解説入れて4曲で形になるかなぁ?
イタリア歌曲だけ歌ってもポカーンだろうし2曲は日本歌曲が良いかな。過去に歌って歌詞覚えてて無伴奏でも映える歌かぁ・・・)
イタリア歌曲2曲の日本歌曲2曲でどうだ?
「なんかこう有名なの歌ってよ!!」
有名なのって何さ?
「たとえば「私のお父さん」とか。私好きなのよあの歌」
それソプラノだし。歌った事無いよ。
「テノールが歌ったっていいじゃない。あとは・・闘牛士の歌とか?」
それフランス語だし。間近で聞いてたし合唱やった事あってパーツパーツでは歌えるけどなぁ・・・
「じゃ「誰も寝てはならぬ」は!?」
でた。えー。それは、、、えーっと。すんません。俺の力不足で出来ないです。はい。
あの最後の音出ません・・・。
「そんなの移調すればいいじゃない」
そんな事言ったって歌詞もおぼえてねぇし。
とりあえずなんとかプログラム組むから。
-----------------
うーむ困った。困った事になったぞ。
いざ歌いはじめたら歌詞カードを追ってる余裕なんて無いわけでやっぱりある程度歌った事ある歌が良い。
ただ歌える歌だけつなげたって無意味。聞いてくれる人に意味の有る曲を選ばなきゃ。
日本歌曲の本持ってこなかったの痛かったなぁ。俺何が歌えるんだったっけか・・・
人前で歌うなんて2-3年ぶりか。うー緊張する。
何人聞いてくれるんだろう・・・
とりあえずiPhoneで曲名検索。
歌えそうな曲はyoutubeで聞いて確認をする。
闘牛士の歌の日本語歌詞って見つからないなぁ・・・やっぱりフランス語だと歌った事無い部分は一晩じゃどうにもならない感じだ。
イタリア歌曲は当然暗譜で歌うとして日本歌曲は歌詞を見ながら歌う事にした。
早速ノートを買ってきてインターネットで歌詞を調べて書き写す。
客層がわからないので日本歌曲を6曲ほど選ぶ。
歌解説のためにwikiで作曲/作詞者さんを調べて肉付けをする。
マジiPhone感謝。ケータイ繋がって良かった。
うん。これならなんとかなりそうだ。
--------------
アルミ 一輪車 浅型 GWB-11 | |
クリエーター情報なし | |
メーカー情報なし |
歌詞見ながらの棒立ちだとさまにならないっていうか、あの歌長くて間が持たないと思ったし無理無理。
やっぱやるんだったらエスカミーリョになりきって堂々と歌いきらないとね笑