工場で働く労働者、畑を耕し食料を生産する農民。
生産者であると同時に自らの衣食住に関して消費者でもある。
更に、子弟を養育し次代の労働力を再生産している。
生産手段である工場設備は資本家が投資したものである。
が、資本家自ら生産するわけではない。
労働者を雇い賃金を支払う。
当然、賃金は安いほど資本家の儲けが多くなる。
ここに生産する労働者の賃金をめぐり、或いは生産現場の環境をめぐり資本家と対立する。
最も遅れた形態であるが労働者階級と資本階級との争いが起きる。
現代社会では単純に工場で生産すると言った遅れた環境ばかりではない。
ITと称される頭脳労働者との間でも階級闘争は存在する。
が、そこで働く労働者は自らを工場で働く労働者のような労働者という認識がない。
資本かもあらゆる手段を講じて労働者意識を持たない方策を取って来る。
だから、労働組合の組織率が低下して行き労働組合の存在意義を問うような若年層が増加してくる。
また、ベンチャー企業なる美名のもとに、実質的には労働者と変わらない環境下にあるにもかかわらず
資本家であるかのような錯覚をもらされる。
飲食業あるいはサービス業の中で労働者でありながら管理者としての扱いをして長時間労働を強いている。
労働組合にも全く問題がないわけではない。
労使協調路線を取るナショナルセンターが労働者の権利を擁護するのでなく資本家の都合のいいように
労働者から労働者意識をなくす役割を行っている。
毎年のメーデーもいつの日からか五月一日に集会を持つことがなくなった。
大型連休で人が集まらないという口実で連休前に若干の人数を集めて集会をする。
組合幹部も肝心な労働者教育をやろうとしない。
教育をやると必ず資本との矛盾を顕わにする階級闘争に関わってゆかなければならないから。
非正規雇用が当たり前になって久しい。
資本家にとって都合のいい雇用形態だ。
地方における労働者不足に対して国が取っている施策は技能研修生という名の労働者雇用だ。
それがためにトラブルがあちこちで発生している。
階級闘争。
これこそが資本主義体制の中で労働者が学ばなければならない単元だ。
社会主義がどういう形態であるか未知のものだ。
だが、先進国と言われる国の中で格差が拡がり若者の雇用状況が悪い。
発展途上国と言われる国の中でも、ある程度の成長が見られるようになると
先進国同様に格差が拡がり、雇用の不安定が発生する。
資本主義にとって避けることのできない矛盾だ。