イギリスがEU離脱を決めたことで世界に衝撃が走った。
キャメロン首相の辞任にまで発展。
移民の流入によってイギリス人の雇用が奪われる。離脱によりこれ以上雇用の不安がなくなる。
それで離脱。
他方、イギリス経済をマクロで見た時EU残留でこそ保たれる。
だから残留。
国論を文字通り真っ二つに割った国民投票。
当分、しこりが残るだろう。
他の国でも国内的にEU「離脱」か「残留」かの火種は以前からあった。
ここで一気に燃え上がる可能性がないと断言はできないだろう。
そもそも始まりはドイツ・フランスがドルに対抗するために始まったヨーロッパ統合構想。
EU域内の関税撤廃、移動の自由そして通貨の導入。
だが、域内の経済格差についての論議は置き去りにされたまま。
昨日のニュースで報じられた。
ルーマニアからイギリスに来て夫婦で懸命に働き貯金し七年かけて今では祖国で
豪華な家に住んでいる。
すべての移民がそうなっているとは思えないが。
かつての東欧諸国から西側に移りその国の雇用を脅かしているのが現実。
ドルに対抗するために始まったヨーロッパ統合。
だが、置き去りにされたものの重みもまた計り知れない。
これが資本主義の姿。
EU域内の格差是正に真剣に取り組めば生まれ育った国で贅沢はできなくとも
そこそこの暮らしはできるはず。
中東の不安定からくる「難民問題」。
イギリスが「離脱」へ向かったのも「難民」の流入にあったとする論調もある。
いずれにせよ「資本主義経済」の抱える本質がこのような形で表出してきた。
これに対する根本的な対応が今、求められている。
そういう思いがする。
市場原理に任せるのではなく「規制」も必要だということを。